『iFree S&P500インデックス』(大和投資信託)の第1期の運用報告書が公表されたので、特徴や実質コスト、運用実績を競合する米国株式や先進国株式のインデックスファンドと比較してみました。
比較の対象は『楽天・全米株式インデックス・ファンド』、『iFree NYダウ・インデックス』、『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』です。
参考までに、設定間もない『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』とも運用実績を比べてみました。
過去記事の更新
・『楽天・全米株式』『楽天・米国高配当株式』実質コストと運用実績を競合する米国株投信と比較
iFree S&P500インデックスの特徴
『iFree S&P500インデックス』と『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』は、米国株式市場の時価総額のおよそ8割を占める大型株約500銘柄を対象とした「S&P500指数」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。2018年9月末月報より |
2018年9月末月報より |
『楽天・全米株式インデックス・ファンド』(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式))は、米国株式市場の投資可能な銘柄のほぼ100%をカバーした「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF」(VTI)を実質的な投資対象にしています。
実質的投資対象ファンドVTIのポートフォリオ 2018年8月末現在(同年9月末月報より) |
実質的投資対象ファンドVTIのポートフォリオ 2018年8月末現在(同年9月末月報より) |
『iFree NYダウ・インデックス』は、米国を代表する主要30銘柄を対象とした「ダウ・ジョーンズ工業株価平均(NYダウ)」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
2018年9月末月報より |
2018年9月末月報より |
『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』は、日本を除く先進国の株式市場を対象にした「MSCIコクサイ・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
2018年9月末月報より |
2018年9月末月報より |
今回、取り上げた投資信託は原則として為替ヘッジを行いません。信託期間は無期限です。
iFree S&P500インデックスほか実質コスト
各項目ごとに小数点第3位未満は四捨五入 |
上記は運用報告書から「1万口当たりの費用明細」を抜粋したものです(一部推計を含みます)。
『iFree S&P500インデックス』は第1期(2017年8月31日~2018年9月7日)の運用報告書から1年相当の費用を推計しています。
2018年9月末の月報で7.4%ほど含まれているETFの報酬(経費率)は0.04%ですが、毎月比率が変動するため表には含めていません。
『楽天・全米株式インデックス・ファンド』の第1期(2017年9月29日~2018年7月17日)は決算期間が1年未満だったので1年相当に改めたうえで、実質的な投資対象にしているETFの報酬を加えています。
『iFree NYダウ・インデックス』は第2期(2017年9月8日~2018年9月7日)ということもあり、第1期より実質コストが低下しています(0.329%→0.288%)
2018年9月末の月報で8%ほど含まれているETFの報酬(経費率)は0.17%ですが、毎月比率が変動するため表には含めていません。
『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』は、第4期(2016年11月22日~2017年11月20日)の費用明細に改定後の信託報酬率を当てはめています。
『iFree S&P500インデックス』の実質コストは今回比較したライバルに比べ若干割高な水準ですが、第2期以降の改善に期待したいです。
iFree S&P500インデックスほか運用実績
下のグラフは、『iFree S&P500インデックス』の基準価額の推移を後発の『楽天・全米株式インデックス・ファンド』設定来(2017年9月29日~2018年10月29日)と比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
基準価額の推移 2017年9月29日~2018年10月29日 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
下のグラフは、『iFree S&P500インデックス』設定来(2017年8月31日~2018年10月29日)の基準価額の推移を『iFree NYダウ・インデックス』や『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』と比べたものです。
比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
基準価額の推移 2017年8月31日~2018年10月29日 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
過去3ヵ月(2018年7月30日~同年10月29日)、過去6ヵ月(2018年5月1日~2018年10月29日)、過去1年(2016年10月30日~2018年10月29日)の騰落率は下の表の通りです。
2018年10月29日現在 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
2018年7月3日設定の『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』と過去1ヵ月(2018年10月1日~同年10月29日)、過去3ヵ月(2018年7月30日~同年10月29日)の騰落率の比較は下の表の通りです。
2018年10月29日現在 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
米国の長期金利上昇や貿易摩擦への警戒感から、直近の株式市場は調整を余儀なくされています。
まとめ
『iFree S&P500インデックス』の第1期の実質コスト(年率)は0.372%でした。『楽天・全米株式インデックス・ファンド』(0.311%)、『iFree NYダウ・インデックス』(0.288%)、『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』(0.218%)といったライバルに比べると、やや割高な水準でしょうか。
第2期以降は改善される可能性もありますが、信託報酬(運用管理費用)が『iFree S&P500インデックス』(税込0.2430%)より低廉な『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』(0.1728%)も登場しています。信託報酬率の引き下げがあれば嬉しいですね。
S&P500指数に採用されている米国企業の海外売上高は40%を超えており、米国企業のグローバルな活躍がうかがえます。
出典:大和投資信託 2017年12月4日付マーケットレター3P |
ただし、より地域分散を重視するのであれば先進国株式や全世界株式インデックスファンドという選択肢もありますね。
・実績比較『楽天・全世界株式』『楽天・全米株式』バンガード社は米国株価は過大評価と警告
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