※ 記事を更新しました(2018年10月24日)。
最低水準の運用コストをうたう『eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)』の実際の運用成績をライバルと比較してみました。
比較の対象は『eMAXIS バランス(8資産均等型)』、『SMT 8資産インデックスバランス・オープン』、『iFree 8資産バランス』、『たわらノーロード バランス(8資産均等型)』、『<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(8資産均等型)』です。
2018年10月24日現在、上記の中では『<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(8資産均等型)』のみ、つみたてNISA対象商品になっていません。
・金融庁が「つみたてNISA対象商品届出一覧」公表 各指数で信託報酬が最安値の投資信託は?
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)ほか特徴
8資産均等型バランスファンド
『eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)』や今回比較の対象にした8資産均等型のバランスファンドは、いずれも国内外の株式、債券、REIT(不動産投資信託証券)に幅広く分散投資を行います。
それぞれの資産のベンチマークは下の表のようになっています。
海外資産は円換算ベース |
『eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)』が一般的な指数を採用しているのに対し、『iFree 8資産バランス』は新興国株式に、『<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(8資産均等型)』と『たわらノーロード バランス(8資産均等型)』は新興国債券に特徴があります。
『iFree 8資産バランス』の採用する「FTSE RAFI エマージング インデックス」は、新興国株式の中からファンダメンタル(株主資本、キャッシュフロー、売上、配当)に着目して銘柄の選定やウェイト付けを行う指数です。
『eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)』の採用する「JPモルガンGBI‐EMグローバル・ダイバーシファイド」は、新興国の現地通貨建て債券の値動きを測る指数です。
『<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(8資産均等型)』と『たわらノーロード バランス(8資産均等型)』の採用する「JPモルガン・エマージング・マーケット・ボンド・インデックス・プラス」は、新興国の米ドル建て債券の値動きを測る指数です。
『<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(8資産均等型)』の場合は、B格以下を除くと明記されています。
『たわらノーロード バランス(8資産均等型)』の新興国債券も、交付目論見書によると格付による組入制限を行っています。交付目論見書の5ページから引用します。
組入債券は、当初組入時において、S&PもしくはMoody’sの外貨建て長期格付がBB-格もしくはBa3格以上を取得している債券とします。但し、両社が格付を付与している場合には、どちらか低い方の格付を基準とします。また、当ファンドが保有する債券の格付が上記基準未満となった場合は、当該債券を速やかに売却するものとします
世界経済インデックスファンド
『世界経済インデックスファンド』は、日本を含む世界の株式と債券に分散投資します。世界経済に占める各地域のGDPシェアの変化に応じて、原則として年1回地域別構成比の見直しを行う場合があります。
上記の円グラフは2018年2月末現在の比率です。
今回取り上げたファンドは為替変動リスクを回避するための為替ヘッジを原則として行いません。信託期間はすべて無期限です。
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)ほか費用
表中では『<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(8資産均等型)』の「<購入・換金手数料なし>」の表記を省略しています。
購入時手数料は上限の数字で販売会社によって異なり、SBI証券、楽天証券などのネット証券(インターネットコース)では無料の場合もあります。
つみたてNISAでは、ETFを除き、投資信託はノーロード(購入時手数料なし)です。
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)ほか運用実績
下のフラフは『eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)』、『iFree 8資産バランス』(新興国株式がファンダメンタル重視)、『たわらノーロード バランス(8資産均等型)』(新興国債券が米ドル建て)、『世界経済インデックスファンド』の過去1年間(2017年9月末~2018年9月末)の基準価額の値動きを比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
基準価額の値動き(月末ベース) 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
上記以外の8資産均等型の投資信託を含めた騰落率の比較は下の表の通りです(2018年10月23日現在)。
2018年10月23日現在 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
表中では『<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(8資産均等型)』の「<購入・換金手数料なし>」の表記を省略しています。
同じ8資産均等型でも、運用管理費用やベンチマークの違いによって運用実績に多少差が出る場面もあるようです。
前述の通り『iFree 8資産バランス』は新興国株式に、『たわらノーロード バランス(8資産均等型)』と『<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(8資産均等型)』は新興国債券に特徴があります。
まとめ
『eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)』は僅差ではありますが、既存の『eMAXIS バランス(8資産均等型)』よりも運用成績が上向いています。運用管理費用が低廉な恩恵は相応にありそうですね。一部ベンチマークが異なる『iFree 8資産バランス』に対しては、これまで『eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)』が上回っていた時期もあれば、逆に下回っていた時期もあります。新興国株式の銘柄を厳選している『iFree 8資産バランス』ですがライバルに常勝とはいかないようです。
『<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(8資産均等型)』と『たわらノーロード バランス(8資産均等型)』は、新興国債券が米ドル建てなので通貨の分散度合いが低くなりますが、新興国通貨の下落が目立つ直近では現地通貨建てより有利でしょうね。
8資産均等型のバランスファンドは乱立気味で、後発の投資信託は純資産総額が伸び悩んでいます。長期運用の予定であれば途中で繰上償還されてしまうのは避けたいところですよね。
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