『つみたてNISA』投資対象の指数も限定 日本を含む全世界株式インデックス投信の登場に期待

2017年7月7日金曜日

NISA注意点

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シドニー湾の豪華客船(オーストラリア)写真

つみたてNISA

来年から始まる「つみたてNISA」で投資できる商品は長期の積立・分散投資に適した一定の条件を満たした投資信託に限定されています。

アクティブファンドやETFも認められていますが、中心は低コスト(※)なインデックスファンドになるものと思われます。株式を含むことも条件とされていて、内外の株式と債券に投資するバランスファンドのほか、日経225等のインデックス(指数)に投資する株式インデックスファンドも対象商品になっています。

※ ノーロード(販売時手数料が無料)で、信託報酬は国内資産が対象であれば年率で税抜0.5%以下、海外資産が対象であれば年率で税抜0.75%以下とされています。そのほかに信託契約期間が無期限または20年以上、分配頻度が毎月でないことなどの条件があります。

全世界株式インデックス投信にも期待できる?

金融庁の「つみたてNISAについて」(PDF)によると、インデックスファンドが連動すべき指数も指定されています(12ページ別表)。

その中には全世界の株式を対象にした「MSCI ACWI Index」も入っています。できれば、「MSCI ACWI ex Japan Index」(除く日本)ではなく、日本を含めた本当の意味での全世界株式インデックスファンドの登場に期待したいのですが望み薄でしょうか。

「つみたてNISA」の非課税期間が20年あるので値動きが激しくても期待リターンの高い株式に投資したいと思っています。ただ、非課税投資枠が年間40万円、1カ月当たり33,333円と半端なこともあり、国内株式、先進国株式、新興国株式の3本に振り分けるのはやや面倒ですよね。

三菱UFJ国際投信の「eMAXIS 全世界株式インデックス」など新興国も含めたファンドはあるものの、先進国には日本が入っていません。そのため世界中の株式に分散投資しようとすると別に国内株式インデックスファンドに投資しなければならず、1本で完結しません。

少子高齢化で日本の将来に対して悲観的な見方もあるかと思うのですが、時価総額比であれば仮に日本の株式市場が縮小してもそれに合わせて投資比率も下がるので過度に心配することもないかなと。EUとのEPA(経済連携協定)のように自由貿易が堅持されれば日本企業にもチャンスはありますよね

・経済産業省WEBサイト EPAとは
・外務省パンフレット「EPA(経済連携協定)・FTA(自由貿易協定)」(PDF)

EPA取り組み状況
出典:経済産業省パンフレット http://www.meti.go.jp/policy/trade_policy/epa/pdf/common/pamphlet_japanese.pdf

まとめ

もちろん、全世界株式インデックスファンドのように1本にまとめてしまうとデメリットもあります。たとえば時価総額比だと新興国は10%強なので、新興国の将来性に期待して投資比率を上げたい場合には個別にインデックスファンドを組み合わせたほうが融通が利きますよね。

また売買が成立する約定日は国内資産に投資するファンドの多くは申込受付日当日ですが、海外資産と組み合わせると申込受付日の翌営業日以降になってしまいます。国内株式に投資する投資信託であれば、その日の株価の動向を見ながら株式市場の閉まる直前に発注することも可能ですが、それができなくなります。

もっとも「つみたてNISA」では毎月決まった日に積み立てることになりますし、長期の積立投資であれば毎月の買付が多少高かったり安かったりしても平準化されて、ほどほどの買値に落ち着きます。タイミングにこだわる必要はないでしょうね。

日本を含めた世界の株式に低コストで手軽に分散投資できる、本当の意味での全世界株式インデックスファンドにも一定の需要はありそうですし、バランスファンドを乱立させるよりは他社との差別化も図れると思うのですが、挑戦してくれる運用会社はないものでしょうか。




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