『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』の実質コストや運用実績を米国株式および先進国株式インデックスのライバルと比較してみました。
比較の対象は『楽天・全米株式インデックス・ファンド』と『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』です。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)ほか特徴
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』(三菱UFJ国際投信)は、米国株式市場の時価総額のおよそ8割を占める大型株約500銘柄を対象にした「S&P500指数」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。投資信託を保有中の運用管理費用(年率)は税込0.0968%以内です。
2020年6月末月報より |
『楽天・全米株式インデックス・ファンド』(楽天投信投資顧問)は、米国株式市場の投資可能な銘柄のほぼ100%をカバーした「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(年率)は税込0.162%程度です。
2020年5月末現在(同年6月末月報より) |
『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』(三菱UFJ国際投信)は、日本を除く先進国の株式市場を対象にした「MSCIコクサイ・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(年率)は税込0.1023%以内です。
2020年6月末月報より |
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス 国・地域別構成比 2020年6月末月報より |
今回、取り上げた投資信託は原則として為替ヘッジを行いません。信託期間は、すべて無期限です。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)ほか実質コスト
少数第3位未満は四捨五入しています |
上記の数字は推計による概算値であることに注意してください。
運用管理費用(信託報酬)以外に売買委託手数料や有価証券取引税、その他費用(保管費用、監査費用等)を含めたものが実質コストになります。
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』の実質コスト(年率 0.140%)は、第2期(2019年4月26日~2020年4月27日)の運用報告書(PDF)の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年(365日)相当に改めて、現時点の信託報酬を加えています。
信託報酬以外の諸経費 0.044% ×(365日 ÷ 第2期の日数 368日)+ 信託報酬 0.0963% (※)= 0.140%(少数第3位未満四捨五入)
※受益者還元型の信託報酬は純資産総額1,300.67億円で計算(500億円未満の部分 税込0.0968%、500億円以上1,000億円未満の部分 税込0.09625%、1,000億円以上の部分 税込0.0957%)
『楽天・全米株式インデックス・ファンド』の実質コスト(年率 0.225%)は、第2期(2018年7月18日~2019年7月16日)の運用報告書(PDF)の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年相当に改めて、現時点の投資信託の信託報酬と実質的な投資対象である投資信託証券の報酬(VTI 経費率0.03%)を加えています。
信託報酬以外の諸経費 0.063% ×(365日 ÷ 第2期の日数 364日)+ 投資信託の信託報酬 0.132% + VTIの経費 0.030% = 0.225%
『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』の実質コスト(年率 0.173%)は第3期(2019年4月26日~2020年4月27日)の運用報告書(PDF)の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年相当に改めて、現時点の信託報酬を加えています。
信託報酬以外の諸経費 0.072% ×(365日 ÷ 第3期の日数 368日)+ 信託報酬 0.1011%(※)= 0.173%(少数第3位未満 四捨五入)
※受益者還元型の信託報酬は純資産総額1,153.50億円で計算(500億円未満の部分 税込0.1023%、500億円以上1,000億円未満の部分 税込0.100595%、1,000億円以上の部分 税込0.09889%)
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)ほか運用実績
下のチャートは『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』設定来2年1ヵ月強の基準価額の推移(2018年7月3日~2020年8月4日)を競合と比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
基準価額の推移 2018年7月3日~2020年8月4日 過去の実績は将来を保証するものではありません |
騰落率の比較は下の表の通りです(2020年8月4日現在)。
調整局面の上昇率は2020年3月24日~同年8月4日の数字、下落率は2020年2月21日~同年3月24日の数字、設定来騰落率は2年1ヵ月強の数字です。
2020年8月4日現在 過去の実績は将来を保証するものではありません |
中小型株も幅広くカバーした『楽天・全米株式インデックス・ファンド』は、『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』より良くも悪くも値動きが大きめかもしれないですね。
地域分散や通貨分散も意識するなら、先進国株式インデックスファンドという選択肢もあります。
・”コロナ・ショック”からの反発、だから売る? 相場を張るのではなく、必要だから取るリスク(PDF/日興AM)
コロナ・ショックのように大幅下落から急反発した局面では一旦売却したくなるかもしれませんね。
出典:”コロナ・ショック”からの反発、 だから売る?(日興AM) |
日興アセットマネジメントの記事では、短期的な価格変動で売買の判断をするのではなく、設定した目標金額(ゴール)をもとに考えるべきではないかと訴えています。
マーケットの短期的な見通しに一喜一憂するのではなく、ゴールに向けて粘り強く積み立てていくイメージでしょうか。
出典:”コロナ・ショック”からの反発、 だから売る?(日興AM) |
もちろん想定より短期間に目標を達成できたのなら、早期に売却することもありうるでしょうね(インフレ対策に一部のみ運用続けるという選択肢もあるかもしれませんが)。
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米国株式インデックスファンドとレバレッジ型ファンドの比較は下の記事を参考にしてください。・『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』運用実績をレバレッジ型投信と比較・評価(iFreeレバレッジ S&P500/NASDAQ100、グローバル3倍3分法ファンド) レバレッジ型の注意点とは?
・『楽天・米国レバレッジバランス・ファンド(USA360)』株式と債券に半分ずつのポートフォリオ(楽天・全米株式 50%:楽天・全世界債券 50%)と実績比較・評価
『NZAM・ベータ NASDAQ100』と米国株式インデックスファンドの実績比較は下の記事を参考にしてください。
・『NZAM・ベータ NASDAQ100』iFreeNEXT NASDAQ100/FANG+、スリム米国株式、楽天・全米株式と出足の成績を比較・評価 米国の新興企業向け市場の成長性に期待
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