人気米国株式インデックスファンドの『楽天・全米株式インデックス・ファンド』、『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』、『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』の特徴や運用実績を先進国株式インデックスファンドと比較してみました。
今回、取り上げた投資信託は、つみたてNISA対象商品です。つみたてNISAは少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度(金融庁)です。
米国株式/先進国株式インデックスファンドの特徴
『楽天・全米株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式))』(楽天投信投資顧問)は、米国株式市場の投資可能な銘柄のほぼ100%をカバーした「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。投資信託を保有中の運用管理費用(年率)は税込0.162%程度です。
2020年1月末現在(同年2月末月報より) |
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』(三菱UFJ国際投信)と『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』(SBIアセットマネジメント)は、米国株式市場の時価総額のおよそ8割を占める大型株約500銘柄を対象とした「S&P500指数」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(年率)は前者が税込0.0968%以内、後者が税込0.0938%程度です。
2020年2月末月報より |
『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』(三菱UFJ国際投信)は、先進国の株式市場を対象にした「MSCIコクサイ・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(年率)は税込0.1023%以内です。
2020年2月末月報より |
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス 国・地域別構成比 2020年2月末月報より |
今回、取り上げた投資信託は、原則として為替変動リスクを回避するための為替ヘッジは行いません。信託期間は、すべて無期限です。
米国株式/先進国株式インデックスファンドの実質コスト
少数第3位未満は四捨五入しています |
運用管理費用(信託報酬)以外に売買委託手数料や有価証券取引税、その他費用(保管費用、監査費用等)を含めたものが実質コストになります。
上記の数字は推計による概算値であることに注意してください。
『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』はまだ決算前で運用報告書が出ていません。
『楽天・全米株式インデックス・ファンド』の実質コスト(年率 0.225%)は、第2期(2018年7月18日~2019年7月16日)の運用報告書(PDF)の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年相当に改めて、現時点の投資信託の信託報酬と実質的な投資対象である投資信託証券の報酬(VTI 経費率0.03%)を加えています。
信託報酬以外の諸経費 0.063% ×(365日 ÷ 第2期の日数 364日)+ 投資信託の信託報酬 0.132% + VTIの経費 0.030% = 0.225%
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』の実質コスト(年率 0.176%)は、第1期(2018年7月3日~2019年4月25日)の運用報告書(PDF)の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年(365日)相当に改めて、現時点の信託報酬率を当てはめています。
信託報酬以外の諸経費 0.065% ×(365日 ÷ 第1期の日数 297日)+ 信託報酬 0.0966% (※)= 0.176%(少数第3位未満 四捨五入)
※受益者還元型の信託報酬は純資産総額743.58億円で計算(500億円未満の部分 税込0.0968%、500億円以上1,000億円未満の部分 税込0.09625%)
『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』の実質コスト(年率 0.178%)は第2期(2018年4月26日~2019年4月25日)の運用報告書(PDF)の1万口当たりの費用明細に2020年3月17日引き下げ後の信託報酬率を当てはめています。
信託報酬以外の諸経費 0.076% + 信託報酬 0.1017%(※)= 0.178%(少数第3位未満 四捨五入)
※受益者還元型の信託報酬は純資産総額789.26億円で計算(500億円未満の部分 税込0.10230%、500億円以上1,000億円未満の部分 税込0.100595%)
米国株式/先進国株式インデックスファンドの運用実績
下のチャートは、基準価額の推移を後発の『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』設定来1年9ヵ月強の期間(2018年7月3日~2020年4月8日)で比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
運用開始から日の浅い『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』(2019年9月26日設定)は除外しています。
基準価額の推移 2018年7月3日~2020年4月8日 過去の実績は将来を保証するものではありません |
『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』も含めた騰落率の比較は下の表の通りです(2020年4月8日現在)。
下落率は2020年2月21日~同年3月24日の数字、設定来騰落率は『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』設定来1年9ヵ月強の数字です。
2020年4月8日現在 過去の実績は将来を保証するものではありません |
近年、米国株式が好調だったので、先進国株式インデックスファンドでも構成比の約7割をアメリカが占めるなど一極集中ぶりに若干の危うさを感じないではないですが……。
下記のレポートでも指摘されている通り、アメリカの産業構造は成長重視で株主への分配も適切であるなど米国株式が投資先として魅力的なのも確かかもしれませんね。
・米国株はいま買いなのか?(PDF/日興AM)
ただ、直近の株価は反発しているものの、新型コロナの企業業績や労働市場、消費者心理への影響は長引いてアメリカ経済の回復には時間がかかるのではないか、との見方もあります。
・米国株、新型コロナ危機では逃避先にならない可能性-JPモルガン(ブルームバーグ)
米国株式インデックスファンドの中にはコロナショックによる基準価額の急落で逆に投資資金の流入が加速している投資信託もあるようですが、相場の底はまだ先かもしれず余力を残しておくほうが安全でしょうか。
積立投資による時間分散も一案とはいえ、長期の積立投資なら地域分散も考慮したほうが、やはり無難な気もしますね。
・波乱相場こそ 長期積み立て投資が強みを発揮(NIKKEI STYLE)
その後、『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』の純資産総額が800億円を超えています。
・800億円超!『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』楽天・全米株式やスリム先進国株式、楽天・全世界株式と実質コストや運用実績を比較・評価
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