マーケットが荒れ模様で株価が急落中ですが、米国株式インデックスファンドの調整局面の値動きを比較してみました。
・NYダウ急落、2000ドル超安 下げ幅は過去最大(日本経済新聞)
比較の対象は『楽天・全米株式インデックス・ファンド』、『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』、『楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド』、『SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン』、『iFreeNEXT NASDAQ100インデックス』です。
楽天・全米株式ほか米国株式インデックスファンドの特徴
『楽天・全米株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式))』(楽天投信投資顧問)は、米国株式市場の投資可能な銘柄のほぼ100%をカバーした「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。投資信託を保有中の運用管理費用(年率)は税込0.162%程度です。
実質的な投資先である「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF」(VTI)は米国の大型株、中型株、小型株、合わせて3,550銘柄を組み入れています(2019年12月末現在)。
2019年12月末現在(2020年1月末月報より) |
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』(三菱UFJ国際投信)は、米国株式市場の時価総額のおよそ8割を占める大型株約500銘柄を対象とした「S&P500指数」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(年率)は税込0.0968%以内です。
2020年1月末月報より |
『楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(米国高配当株式))』(楽天投信投資顧問)は、予想配当利回りが市場平均を上回る米国の高配当株を対象とした「FTSEハイディビデンド・イールド・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(年率)は税込0.192%程度です。
実質的な投資先である「バンガード・米国高配当株式ETF」(VYM)は大型株の中でも高配当な399銘柄を組み入れています(2019年12月末現在)。
2019年12月現在(2020年1月末月報より) |
『SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン』(三井住友トラストAM)は、25年以上連続して増配している銘柄を対象とした「S&P500配当貴族指数」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
2020年1月末の月報によると、58銘柄を組み入れています。
運用管理費用(年率)は税込0.605%です。
2020年1月末月報より |
『iFreeNEXT NASDAQ100インデックス』(大和投資信託)は、「NASDAQ100指数」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
NASDAQ(ナスダック)は米国にある世界最大の新興企業向けの株式市場です。米国以外の企業を含みハイテク(IT)関連銘柄の比率が高いのが特徴です。「NASDAQ100指数」は時価総額上位100銘柄(金融銘柄を除く)で構成されています。
実質的な投資先である「INVESCO QQQ TRUST SERIES 1」は103銘柄を組み入れています(2020年3月6日現在)。
運用管理費用(年率)は税込0.495%です。
2020年3月6日現在 |
今回、取り上げた投資信託は、原則として為替リスクを回避するための為替ヘッジを行いません。信託期間はすべて無期限です。
米国株式インデックスファンドの運用実績
下のチャートは後発の『iFreeNEXT NASDAQ100インデックス』設定来1年6ヵ月強の期間(2018年8月31日~2020年3月10日)で基準価額の推移を比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
基準価額の推移 2018年8月31日~2020年3月10日 過去の実績は将来を保証するものではありません |
騰落率の比較は下の表の通りです(2020年3月10日現在)。
調整局面の下落率は2020年2月21日~同年3月10日と2018年10月4日~同年12月25日の数字、設定来騰落率は1年6ヵ月強の数字です。
2020年3月10日現在 過去の実績は将来を保証するものではありません |
米国株式インデックスファンド まとめ
中小型株まで幅広くカバーした『楽天・全米株式インデックス・ファンド』は大型株を対象にした『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』よりも幾分値動きが大きめのようです。配当に着目した『楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド』と『SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン』の調整局面の下落率は一般的なインデックスファンドより若干控えめでした。
ただ、過去1年や過去1年6ヵ月強の騰落率を見るとライバルに劣後する場面も見られます。
ハイテク銘柄中心の『iFreeNEXT NASDAQ100インデックス』は一般的なインデックスファンドよりもボラティリティが高めですが、ライバルより特別大きく崩れているわけでもないようです。
・米株式市場に富の偏在-時価総額に占める上位5社の割合が過去最大に(ブルームバーグ)
・ITバブル崩壊の再来はあるか? 専門家はこう見る(AFPBB)
アップル、マイクロソフト、グーグル(アルファベット)、アマゾン、フェイスブックの5社が米国株式(S&P500)の時価総額に占める割合は2割近くに達していて、その比率はハイテクバブル時を超えているそうです。
むしろハイテク銘柄のマーケットへの影響力が増しているという面もあるのでしょうね。
・新型コロナウイルス、米国も経済対策強化の動き(ピクテ投信)
・米国株はいま買いなのか?(PDF/日興AM)
新型肺炎は欧米でも感染が急速に広がっていて、世界経済の先行きに不透明感が強まっています。
その一方で、イノベーションの活力に満ちた産業構造や政治体制の安定感、株主重視の企業姿勢など米国株式が依然として魅力的な投資先であることに変わりはないとする見方もあります。
世界経済の成長を信じるなら、目先のニュースよりも中長期的な企業の成長力に注目すべきなのかもしれませんね。
S&P500指数の長期市況グラフ iFree S&P500インデックス 2020年2月末月報より 過去の実績は将来を保証するものではありません |
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