株安で含み益がなくなって税金を気にする必要がなくなったので、運用管理費用のより廉価なインデックスファンドに乗り換えることにしました。
『iFree NYダウ・インデックス』を売却して、『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』と『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』を購入しました。
それぞれの特徴や実質コスト、運用実績を改めて確認してみました。
米国株式および先進国株式インデックスファンドの特徴
『iFree NYダウ・インデックス』(大和投資信託)は、米国を代表する優良30銘柄を対象とした「ダウ・ジョーンズ工業株価平均(NYダウ)」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。投資信託を保有中の運用管理費用(年率)は税込0.2475%(税抜0.225%)です。
2020年2月末月報より |
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』(三菱UFJ国際投信)は、米国株式市場の時価総額のおよそ8割を占める大型株約500銘柄を対象とした「S&P500指数」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(年率)は税込0.0968%(税抜0.088%)以内です。
2020年2月末月報より |
『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』(三菱UFJ国際投信)は、日本を除く先進国の株式市場を対象にした「MSCIコクサイ・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(年率)は2020年3月17日より税込0.10615%(税抜0.0965%)以内から税込0.10230%(税抜0.0930%)以内に引き下げられる予定です。
・『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』信託報酬率引き下げ後の実質コストや運用実績を比較・評価
2020年2月末月報より |
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス 国・地域別構成比 2020年2月末月報より |
今回、取り上げた投資信託は、原則として為替変動リスクを回避するための為替ヘッジは行いません。信託期間は、すべて無期限です。
米国株式および先進国株式インデックスファンドの実質コスト
少数第3位未満は四捨五入しています |
運用管理費用(信託報酬)以外に売買委託手数料や有価証券取引税、その他費用(保管費用、監査費用等)を含めたものが実質コストになります。
上記の数字は推計による概算値であることに注意してください。
投資信託を100万円分保有していた場合、『iFree NYダウ・インデックス』から『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』や『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』への乗り換えで、1年当たり1,000円前後の節約ですね。
『iFree NYダウ・インデックス』の実質コスト(年率 0.278%)は、第3期(2018年9月8日~2019年9月9日)の運用報告書の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年相当に改めて、現時点の信託報酬率を当てはめています。
信託報酬以外の諸経費 0.031% × (365日 ÷ 第3期の日数 367日)+ 信託報酬 0.2475% = 0.278%(少数第3位未満を四捨五入)
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』の実質コスト(年率 0.177%)は、第1期(2018年7月3日~2019年4月25日)の運用報告書(PDF)の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年(365日)相当に改めて、現時点の信託報酬率を当てはめています。
信託報酬以外の諸経費 0.065% ×(365日 ÷ 第1期の日数 297日)+ 信託報酬 0.0968% (※)= 0.177%(少数第3位未満を四捨五入)
※受益者還元型の信託報酬は純資産総額542.20億円で計算(500億円未満の部分 税込0.0968%、500億円以上1,000億円未満の部分 税込0.09625%)
『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』の実質コスト(年率 0.178%)は第2期(2018年4月26日~2019年4月25日)の運用報告書(PDF)の1万口当たりの費用明細に2020年3月17日引き下げ後の信託報酬率を当てはめています。
信託報酬以外の諸経費 0.076% + 信託報酬 0.1019%(※)= 0.178%(少数第3位未満を四捨五入)
※受益者還元型の信託報酬は純資産総額641.37億円で計算(500億円未満の部分 税込0.102300%、500億円以上1,000億円未満の部分 税込0.100595%)
米国株式および先進国株式インデックスファンドの運用実績
下のチャートは、後発の『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』設定来1年8ヵ月強の期間(2018年7月3日~2020年3月13日)で基準価額の推移を比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
基準価額の推移 2018年7月3日~2020年3月13日 過去の実績は将来を保証するものではありません |
騰落率の比較は下の表の通りです(2020年3月13日)。
調整局面の下落率は2020年2月21日~同3月13日の数字と2018年10月4日~同25日の数字、設定来騰落率は1年8ヵ月強の数字です。
2020年3月13日現在 過去の実績は将来を保証するものではありません |
米国株式インデックスファンドも先進国株式インデックスファンドも基準価額が急落しています。
銘柄数が30と絞り込まれている分、個別銘柄の影響を受けやすいNYダウ連動型よりもS&P500連動型や先進国株式のほうが安心感はありますが、上記の期間では調整局面の値動きにそれほど大きな違いはなかったようです。
ポートフォリオ全体の変動リスクを抑えたいなら、預貯金等の安全資産を厚めに持つか、債券を組み合わせるのがやはり効果的でしょうね。
・債券の下支え効果に期待『楽天・全米株式』『楽天・全世界債券(為替ヘッジ)』両者を組み合わせた場合(7:3、5:5、3:7)の運用実績を比較・評価
まとめ
コロナ・ショックで景気後退も懸念され、米国株式インデックスファンドも先進国株式インデックスファンドも直近は悲惨な成績ですね。・各国市場で株価急落、1987年以来の下落率(BBC)
・米国株の弱気相場で「最後のとどめ」か、景気後退入り確率80%示唆(ブルームバーグ)
ピクテ投信は、米国経済の先行きについて新型コロナウィルスの影響で大型不況に陥るか、過大な財政・金融緩和によりバブル期に入るか、どちらの可能性もありうるとして時間分散を提案しています。
・大型不況か、それともバブルか?(ピクテ投信)
・米国株はいま買いなのか?(PDF/日興AM)
世界最大級の運用会社バンガードは、市場を長期的視点で見ると「世界的な強気相場によるリターンは弱気相場の損失を補って余りある」と述べています(バンガード「終わりのない弱気相場はない」より)。
出典:バンガード「終わりのない弱気相場はない」 |
先行きの不透明感が強いと不安にかられがちですが、リスク許容度に応じた無理のない範囲で運用を続けていければと思います。
グローバル株式と債券への異なる資産配分による ベスト、ワースト、平均リターン 1988年~2013年 「バンガードの4つの基本原則」より引用 |
・日本の投資家の皆さまが成功する投資家になるためのバンガードの4つの基本原則(バンガード)
・波乱相場こそ 長期積み立て投資が強みを発揮(NIKKEI STYLE)
おすすめ記事
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