純資産総額の3.6倍の投資を行う『楽天・米国レバレッジバランス・ファンド(愛称:USA360)』の運用実績を競合と比較してみました。
比較の対象は『楽天・全米株式インデックス・ファンド』と『グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)』です。
楽天・米国レバレッジ、楽天・全米株式、グローバル3倍3分法の特徴
『楽天・米国レバレッジバランス・ファンド』(楽天投信投資顧問)は株式と債券への投資比率を1:3として、実質的にファンドの純資産総額の360%(3.6倍)相当額を米国の株式と債券に分散投資します。・3.6倍のレバレッジ!「楽天・米国レバレッジバランス・ファンド」登場(みんかぶ投信)
運用管理費用(年率)は税込0.4945%程度です。
株式部分は、『楽天・全米株式インデックス・ファンド』と同じく、大型株から小型株まで幅広くカバーした「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)」を採用しています。
『楽天・全米株式インデックス・ファンド』(楽天投信投資顧問)は、米国株式市場の投資可能な銘柄のほぼ100%をカバーした「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(年率)は税込0.162%程度です。
「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)」を通じて米国の大型株・中型株・小型株4,093銘柄を組み入れています(2021年10月末現在)。
『グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)』(日興AM)は世界の株式、REIT、債券の3つの資産に純資産総額の3倍相当額の投資を行います。
運用管理費用(年率)は税込0.484%程度です。
今回、取り上げた投資信託の信託期間は無期限です。
楽天・米国レバレッジ、楽天・全米株式、グローバル3倍3分法の成績
下のチャートは『楽天・米国レバレッジバランス・ファンド』設定来2年1ヵ月強の期間(2019年11月5日~2021年12月14日)で基準価額の推移を比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
騰落率の比較は下の表の通りです(2021年12月14日現在)。
コロナショック時の下落率は2020年2月21日~同年3月19日(楽天・全米株式のみ同24日)の数字、設定来騰落率は2年1ヵ月強の数字です。
2021年12月14日現在の純資産総額は『楽天・米国レバレッジバランス・ファンド』170.97億円(2019年11月5日設定)、『楽天・全米株式インデックス・ファンド』4,414.12億円(2017年9月29日設定)、『グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)』2,131.00億円(2018年10月4日設定)です。
米国の金融緩和策の縮小が意識され債券価格が下落していることから、『楽天・米国レバレッジバランス・ファンド』の最近の成績は伸び悩んでいます。
昨年のコロナショックでは『楽天・米国レバレッジバランス・ファンド』の基準価額も大きく変動していますが、債券の下支え効果もあり競合する投資信託よりは下落率が控えめでした。
利上げ観測などにより、もし株安と債券価格の下落が続くと債券にレバレッジをかけているバランスファンドには手痛いダブルパンチとなる可能性もありますね。
楽天・米国レバレッジバランス・ファンド まとめ
『楽天・米国レバレッジバランス・ファンド』の交付目論見書では、投資戦略のイメージとして株式と債券(1:3)の効率の良い分散投資を維持したままレバレッジをかけることで、より高いリターンの獲得をめざすことがうたわれています。一時期、債券にレバレッジをかけたバランスファンドの設定が相次いで、ちょっとしたブームのようになっていました。
株式とほぼ同等のリスクでより高いリターンの獲得が期待できると運用効率の良さをどれもアピールしていますが、過去の指数データを使ったシミュレーションは将来の運用成績を保証するものではありません。
株安と同時に債券価格の急落が続いたり想定外の事態が起きると、レバレッジにより深刻な損失を被ることも考えられます。ポートフォリオのスパイスとしてなら興味深い選択肢でも、やはり過信は禁物でしょうか。
『楽天・米国レバレッジバランス・ファンド』は米国債券への投資に際し米国国債先物取引を活用していますが、交付目論見書には先物取引に関するリスクとして次のような記載もあります(同4ページより引用)。
需給や当該先物取引に対する期待等により、理論上期待される水準とは大きく異なる価格となる場合があり、これらの影響を受けて基準価額が下落する場合があります。
金融市場の混乱で先物取引の需給が著しく崩れた場合など、本来の資産価値から算出される水準とは大きく乖離した基準価額になる可能性も否定できない、ということですね。
レバレッジ型の注意点については下の記事も参考にしてください。
・天国から地獄? 米国株式(S&P500/NASDAQ100)インデックスファンドをレバレッジ型と比較・評価 株価急落時の値動きは?
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『楽天・米国レバレッジバランス・ファンド(USA360)』と米国株式インデックスファンドの実績比較は下の記事を参考にしてください。・『楽天・米国レバレッジバランス・ファンド』米国株式(S&P500/NASDAQ100/FANG+)インデックスファンドとコロナ禍の運用実績を比較・評価
『楽天・米国レバレッジバランス・ファンド(USA360)』と米国株式および全世界債券の組み合わせとの比較は下の記事を参考にしてください。
・『楽天・米国レバレッジバランス・ファンド(USA360)』楽天・全米株式および楽天・全世界債券の組み合わせ(70%:30% & 50%: 50%)と実績比較・評価
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