純資産900億円『セゾン資産形成の達人ファンド』世界の株に厳選投資する老舗アクティブファンドの実力は? オール・カントリーなど低コストなインデックスファンドと比較・評価

2020年1月8日水曜日

セゾン投信 実質コスト 全世界株式

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『セゾン資産形成の達人ファンド』インデックスファンドと比較・評価・解説

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適格機関投資家限定のファンドも組み入れた『セゾン資産形成の達人ファンド』の特徴や運用実績を低コストな全世界株式インデックスファンドと比較してみました。

『セゾン資産形成の達人ファンド』はセゾン投信の直販のほか、ゆうちょ銀行のつみたてNISASBI証券楽天証券の個人型確定拠出年金(iDeCo)にも採用されています。


セゾン資産形成の達人ファンドと全世界株式インデックスファンドの特徴

アクティブファンドの『セゾン資産形成の達人ファンド』(セゾン投信)は、投資対象ファンドを通じて海外および日本の株式に幅広く分散投資します。株式市場の過熱により有望な投資先がないと判断した場合は、債券にも投資する場合があります。

投資先ファンドの選定は企業分析をしっかり行っていること、長期的な視点で運用されていること、手数料が適正なことを条件としています。適格機関投資家限定のファンドにも投資しています。

2019年11月度運用レポート(PDF)によると、9つのファンドを通じて498銘柄(一部重複あり)を組み入れています。

投資信託を保有中の運用管理費用(信託報酬)は年率で税込1.35%±0.2%(概算)です。購入時手数料はありません。解約時の信託財産留保額は0.1%です。

セゾン資産形成の達人ファンド 国別構成比(アメリカ、日本、スイスほか)
セゾン資産形成の達人ファンド
2019年10月末現在(11月度運用レポートより)

eMAXIS 全世界株式インデックス』(三菱UFJ国際投信)と『eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)』(三菱UFJ国際投信)は、日本を除く世界の株式市場を対象にした「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本)」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。

2019年12月末現在、ベンチマークの指数は日本を除く先進国と新興国合せて48ヵ国2,726銘柄を組み入れています。

運用管理費用(信託報酬)は前者が年率で税込0.6%以内、後者が年率で税込0.1144%以内です。購入時手数料はありません。解約時の信託財産留保額は前者が0.05%、後者はありません。

MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス (除く日本) 国別構成比(アメリカ、イギリス、中国ほか)
MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス
(除く日本)
2019年12月末現在

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』(三菱UFJ国際投信)は、日本を含む世界の株式市場を対象にした「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。

2019年12月末現在、ベンチマークの指数は日本を含む先進国と新興国合せて49ヵ国3,050銘柄を組み入れています。

運用管理費用(信託報酬)は年率で税込0.1144%以内です。購入時手数料や解約時の信託財産留保額はありません。

MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス 国別構成比(アメリカ、日本、イギリスほか)
MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス
2019年12月末現在

今回、取り上げた投資信託は為替変動リスクを回避するための為替ヘッジは原則として行いません。信託期間はすべて無期限です。


セゾン資産形成の達人ファンドと全世界株式インデックスファンドの実質コスト

セゾン資産形成の達人ファンドと全世界株式インデックスファンドの実質コスト(年率)
少数第3位未満は四捨五入しています

運用管理費用(信託報酬)以外に売買委託手数料や有価証券取引税、その他費用(保管費用、監査費用等)を含めたものが実質コストになります。上記の数字は最新の信託報酬率を適用した推計による概算値であることに注意してください。

アクティブ運用の『セゾン資産形成の達人ファンド』は組入銘柄を厳選している分、指数連動型のインデックスファンドに比べるとコストは高めです。

ファンド・オブ・ファンズの『セゾン資産形成の達人ファンド』の実質コスト(年率 1.352%±0.200%程度)は第12期(2017年12月12日~2018年12月10日)の運用報告書の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年相当(365日)に改めて、現時点のファンドと投資対象ファンドの信託報酬の合計(概算)を加えています。

信託報酬以外の諸経費 0.002% × (365日 ÷ 第12期の日数 364日)+ 信託報酬の合計(概算)1.350%±0.200% = 1.352%±0.200%程度

eMAXIS 全世界株式インデックス』の実質コスト(年率 0.746%)は、第9期(2018年1月27日~2019年1月28日)の運用報告書の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年相当に改めて、現時点の信託報酬率を当てはめています。

信託報酬以外の諸経費 0.086% × (365日 ÷ 第9期の日数 367日)+ 信託報酬 0.660% = 0.746%

eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)』の実質コスト(年率 0.207%)は、第1期(2018年3月19日~2019年4月25日)の運用報告書の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年相当に改めて、現時点の信託報酬率を当てはめています。

信託報酬以外の諸経費 0.102% × (365日 ÷ 第1期の日数 403日)+ 信託報酬 0.1144% = 0.207%

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』の実質コスト(年率 0.211%)は、第1期(2018年10月31日~2019年4月25日)の運用報告書の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年相当に改めて、現時点の信託報酬率を当てはめています。

信託報酬以外の諸経費 0.047% × (365日 ÷ 第1期の日数 177日)+ 信託報酬 0.1144% = 0.211%


セゾン資産形成の達人ファンドと全世界株式インデックスファンドの運用実績

下のチャートは『セゾン資産形成の達人ファンド』の設定された2007年3月から2019年12月現在までの12年9ヵ月の基準価額の推移(月末ベース)です。

リーマン・ショックのあった2008年には大きく下落していますが、その後の踊り場を経て、基準価額は力強く回復し上昇しています。

セゾン資産形成の達人ファンドの基準価額の推移(チャート)
基準価額の推移 2007年3月末~2019年12月末
過去の実績は将来の成績を保証するものではありません

全世界株式(除く日本)と比較

下のチャートは後発の『eMAXIS 全世界株式インデックス』の設定された2010年7月から2019年12月現在までの9年5ヵ月の基準価額の推移(月末ベース)です。

比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。

セゾン資産形成の達人ファンドと全世界(除く日本)インデックスファンドの基準価額の推移(チャート)
基準価額の推移 2010年7月末~2019年12月末
過去の実績は将来の成績を保証するものではありません

『eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)』も含めた騰落率の比較は下の表の通りです(2020年1月8日現在)。

下落率は2018年10月2日から同年12月26日までの数字、設定来騰落率は後発の『eMAXIS 全世界株式インデックス』設定来9年5ヵ月強の数字です。

セゾン資産形成の達人ファンドと全世界(除く日本)インデックスファンドの騰落率(チャート)
2020年1月8日現在
過去の実績は将来の成績を保証するものではありません

リーマン・ショック後の世界的な金融緩和の恩恵もあり、設定来騰落率(後発の『eMAXIS 全世界株式インデックス』設定来9年5ヵ月強)は驚くほど好調です。

ただ、今後しばらくは世界経済の成長鈍化によるボラティリティの上昇やリスク資産の期待リターンの低下が懸念されています。

・バンガード「2020年の経済および市場見通し:新たな不透明性の時代」(WEB)

全世界株式(含む日本)と比較

下のチャートは最後発の『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』の設定された2018年10月31日から2020年1月8日現在までの1年2ヵ月強の基準価額の推移(日次ベース)です。

比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。

セゾン資産形成の達人ファンドと全世界株式(含む日本)インデックスファンドの基準価額の推移(チャート)
基準価額の推移 2018年10月31日~2020年1月8日
過去の実績は将来の成績を保証するものではありません

騰落率の比較は下の表の通りです(2020年1月8日現在)。

下落率は2018年11月9日から同年12月26日までの数字、設定来騰落率は後発の『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』設定来1年2ヵ月強の数字です。

セゾン資産形成の達人ファンドと全世界株式(含む日本)インデックスファンドの騰落率
2020年1月8日現在
過去の実績は将来の成績を保証するものではありません

『セゾン資産形成の達人ファンド』の直近の成績はインデックスファンド(『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』)と拮抗しています。

アクティブ運用の投資信託でも調整局面で基準価額の下落を避けるのは、やはり難しいようです。

積立投信の成績(2018年1月~2019年12月)

下の表は、つみたてNISAがスタートした2018年1月から2019年12月現在までの2年間の積立投資の成績をまとめたものです。

毎月1日を積立日に設定しています。約定日は『セゾン資産形成の達人ファンド』が翌々営業日、『eMAXIS 全世界株式インデックス』が翌営業日です。1日が休日の場合は後ずれします。

過去の実績は将来の成績を保証するものではありません

毎月1万円ずつ積み立てた場合、2019年12月30日現在、24万円の投資額に対して評価額は『セゾン資産形成の達人ファンド』が267,764円(+11.57%)、『eMAXIS 全世界株式インデックス』が270,916万円(+12.88%)です。


セゾン資産形成の達人ファンド まとめ

セゾン資産形成の達人ファンド』は指数連動型のインデックスファンドと比較した場合、コストの高さは否めませんが、実力派の投資信託として純資産総額を伸ばしてきました。2020年1月8日時点の純資産総額は900億円を超えています。

長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度であるつみたてNISAの対象商品にもなっています。

ただし、アクティブ運用の投資信託といっても相場が荒れ模様になれば基準価額が大きく下落することはありえますから、預貯金等の安全資産の備えも忘れないようにしたいです。

セゾン投信自身が提案しているように、リスク許容度に応じて『セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド』などのバランス型の投資信託と組み合わせてみても面白いかもしれませんね。



・日本経済新聞「運用損益プラスの顧客割合 直販販売する独立系 上位」(WEB)

・NIKKEI STYLE マネー研究所「「107歳まで生きる時代」に必要な投資の心得」(WEB)




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