低廉な運用管理費用(信託報酬)が魅力的な『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』(愛称:SBI・バンガード・S&P500)と『SBI・全世界株式インデックス・ファンド』(愛称:雪だるま(全世界株式))の運用実績をライバルと比較してみました。
比較の対象は『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』と『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全世界株式))です。
すべて、つみたてNISA対象商品です。
つみたてNISAは少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です。詳細については金融庁のWEBサイトで解説されています。
米国株式および全世界株式インデックスファンドの特徴
『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』(SBIアセットマネジメント)と『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』(三菱UFJ国際投信)は、米国株式市場の時価総額のおよそ8割を占める大型株約500銘柄を対象とした「S&P500指数」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。投資信託を保有中の運用管理費用(年率)は『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』が税込0.0938%程度、『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』が税込0.0968%以内です。
S&P500指数 業種別構成比 2019年12月末現在 |
『SBI・全世界株式インデックス・ファンド』(SBIアセットマネジメント)と『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』(楽天投信投資顧問)は、日本を含む世界の株式市場を対象にした「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
ベンチマークの指数は先進国と新興国を合わせた49ヵ国の大型株・中型株・小型株で構成されています。
投資信託を保有中の運用管理費用(年率)は『SBI・全世界株式インデックス・ファンド』が税込0.1102%程度、『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』が税込0.2120%程度(※)です。
※2019年12月26日付で投資対象ファンド「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」(VT)の経費率改定が発表されています(0.09% → 0.08%)。
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス 業種別構成比と国・地域別構成比 2019年12月末現在 |
今回、取り上げた投資信託は為替変動リスクを回避するための為替ヘッジは原則として行いません。信託期間はすべて無期限です。
米国株式および全世界株式インデックスファンドの運用実績
米国株式インデックスファンドの成績
下のチャートは、『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』設定来3ヵ月強の基準価額の推移(2019年9月26日~2020年1月6日)を『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』と比べたものです。起点の基準価額を1万円に統一しています。両者の基準価額の推移は、ほぼ重なっています。
基準価額の推移 2019年9月26日~2020年1月6日 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
両者の基準価額の差額を示したのが下のチャートになります。
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』は2019年11月12日に信託報酬率の引き下げ(PDF)を実施しています。『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』はライバルに徐々に差をつけられているように見えます。
基準価額の推移 2019年9月26日~2020年1月6日 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
騰落率の比較は下の表の通りです(2020年1月6日現在)。
設定来騰落率は3ヵ月強の数字です。
2020年1月6日現在 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
全世界株式インデックスファンドの成績
下のチャートは、『SBI・全世界株式インデックス・ファンド』設定来およそ2年1ヵ月の基準価額の推移(2017年12月6日~2020年1月6日)を『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』と比べたものです。起点の基準価額を1万円に統一しています。
基準価額の推移 2017年12月6日~2020年1月6日 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
両者の基準価額の差額を示したのが下のチャートになります。
『SBI・全世界株式インデックス・ファンド』は2019年9月26日に信託報酬率の引き下げ(PDF)を実施していますが、右肩下がり(楽天に徐々に差をつけられている)傾向にあまり変わりはないようです。
基準価額の差額 2017年12月6日~2020年1月6日 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
騰落率の比較は下の表の通りです(2020年1月6日現在)。
下落率は2018年10月4日~同年12月25日の数字、設定来騰落率はおよそ2年1ヵ月の数字です。
2020年1月6日現在 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
SBI・バンガード・S&P500/SBI・全世界株式 まとめ
『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』も『SBI・全世界株式インデックス・ファンド』もインデックスファンドのより一層の低コスト化に貢献しています。・モーニングスター「インデックス型コスト最安は?―主要資産0.15%以下に、米国株は0.1%下回る」(WEB)
・NIKKEI STYLE マネー研究所「止まらない投信安売り競争 投資家に思わぬしわ寄せも」(WEB)
ただ、インデックスファンドの低コスト競争もそろそろ限界に近づきつつあり、ベンチマークとの連動性や資産規模など運用の安定性が重視されるようになるかもしれませんね。
『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』は海外ETFを介して株式に投資しているので、現物株式に投資する『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』に比べるとベンチマークとの連動性では若干不利な面もありそうです。
純資産総額の伸びをさらに加速させるには、今のところSBI証券1社に限られている販売会社を増やすことが課題でしょうか。
・純資産500億円超!『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』SBI・バンガード・S&P500 120億円超、楽天・全米株式 800億円超 ライバルと実績比較・評価
『SBI・全世界株式インデックス・ファンド』の場合は、海外ETFを利用している点は『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』も同様ですが、組入本数が3本と多くベンチマークと連動させる難易度は高そうです(厳密に言うと目標とするベンチマークとETFの指数プロバイダが一致していません)。
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・『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(3地域均等型)(除く日本)等と実績比較・評価
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