『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』『同(除く日本)』日本の有無で運用実績に差はある?

2020年11月19日木曜日

実質コスト 全世界株式

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『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』同(除く日本)と比較・評価・解説

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eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』と『eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)』の特徴と運用実績を比較してみました。

投資対象に日本が含まれるか否かで運用実績に目立った差はあるでしょうか?

ちなみに『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』は「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2019」で1位に選出されています。

同ファンドは2020年1月10日よりマネックス証券の個人型確定拠出年金(iDeCo)でも投資できるようになりました。


オール・カントリーと除く日本の特徴

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』(三菱UFJ国際投信)は、日本を含む世界の株式市場を対象にした「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。

ベンチマークの指数は日本を含む先進国と新興国合せて49ヵ国2,995銘柄を組み入れています(2020年10月末現在)。

投資信託を保有中の運用管理費用(信託報酬)は年率で税抜0.104%(税込0.1144%)以内です。

MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス 業種別構成比と国別構成比

eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)』(三菱UFJ国際投信)は、日本を除く世界の株式市場を対象にした「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本)」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。

ベンチマークの指数は日本を除く先進国と新興国合せて48ヵ国2,675銘柄を組み入れています(2020年10月末現在)。

運用管理費用(信託報酬)は年率で税抜0.104%(税込0.1144%)以内です。

MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本) 業種別構成比と国別構成比

今回、取り上げた投資信託は、原則として為替リスクを軽減するための為替ヘッジを行いません。信託期間は、どちらも無期限です。


オール・カントリーと除く日本の実質コスト

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)と同(除く日本)の実質コスト
少数第3位未満は四捨五入しています

上記の数字は最新の信託報酬率を適用した推計による概算値であることに注意してください。

運用管理費用(信託報酬)以外に売買委託手数料や有価証券取引税、その他費用(保管費用、監査費用等)を含めたものが実質コストになります。

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』の実質コスト(年率 0.204%)は、第2期(2019年4月26日~2020年4月27日)の運用報告書(PDF)の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年(365日)相当に改めて、現時点の信託報酬を加えています。

信託報酬以外の諸経費 0.090% ×(365日 ÷ 第2期の日数 368日)+ 信託報酬 0.11429%(※) = 0.204%(少数第3位未満 四捨五入)

※受益者還元型の信託報酬は純資産総額624.14億円で計算(500億円未満の部分 税込0.1144%、500億円以上1,000億円未満の部分 税込0.11385%、1,000億円以上の部分 税込0.1133%)

eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)』の実質コスト(年率 0.208%)は、第2期(2019年4月26日~2020年4月27日)の運用報告書(PDF)の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年相当に改めて、現時点の信託報酬率を当てはめています。

信託報酬以外の諸経費 0.094% × (365日 ÷ 第2期の日数 368日)+ 信託報酬 0.1144% = 0.208%(少数第3位未満 四捨五入)


オール・カントリーと除く日本の運用実績

基準価額の推移(チャート)

下のチャートは過去2年の基準価額の推移(2018年11月19日~2020年11月18日)を比べたものです。

比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)と同(除く日本)の基準価額の推移(チャート)

騰落率の比較

騰落率の比較は下の表の通りです(2020年11月18日現在)。

コロナ・ショック時の下落率は2020年2月21日~同年3月24日の数字です。

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)と同(除く日本)の騰落率

世界の株式市場の時価総額のうち日本の占める割合は1割未満ということもあってか、上記の期間では『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』と『eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)』の運用実績は僅差にとどまっています。

ちなみに2020年11月18日現在の純資産総額は『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』624.14億円(2018年10月31日設定)、『eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)』320.59億円(2018年3月19日設定)と、後発の『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』が逆転しています。


オール・カントリーと除く日本の積立投資の成績

下の表は、2019年1月~2020年11月の積立投資の成績をまとめたものです。

毎月1日を積立日に設定しています(約定日は翌営業日)。

通算成績を計算する2020年11月18日現在の基準価額をもとに、各年月の損益と評価額を算出しています。

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)と同(除く日本)の積立投資の成績

毎月1万円ずつ積み立てた場合、2020年11月18日現在、23万円の投資額に対して評価額は『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』が265,838円(+15.58%)、『eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)』が266,358万円(+15.81%)です。

積立投資の成績も、ほぼ同水準でした。


金融危機を含む期間の年間リターンとリターン・リスク水準

年間リターン

下の図表は全世界株式(国内株式1:先進国株式8:新興国株式1)と全世界株式(除く日本)(先進国株式8.5:新興国株式1.5)に準拠したポートフォリオ、それぞれの年間リターン(最大上昇時・平均値・最大下落時)を示しています(野村AM「投信アシスト」より)。

全世界株式と全世界株式(除く日本)に準拠したポートフォリの年間リターン

世界的な金融危機であるリーマン・ショックを含む2003年3月31日から2020年10月30日までの任意の連続1年間で騰落率のうち最大の騰落率を「最大上昇時」、同じく最小の騰落率を「最大下落時」としています。○は年間リターンの平均値です。

リターン・リスク水準

全世界株式と全世界株式(除く日本)に準拠したポートフォリのリターン・リスク水準

リターン・リスク水準を比べた場合、日本を含まないほうがわずかにリターン(投資収益率)もリスク(投資収益率のぶれ)も大きいです。

運用効率を示すシャープレシオは数字が大きいほうが優秀ですが、上記の期間では僅差にとどまっています。


まとめ 実績に顕著な差なし 取りこぼしを少なくしたいなら…

少子高齢化社会の日本になかなか期待を持ちにくいのも確かかもしれませんが、日本に暮らし日本円を使って生活をしている以上、国内株式もそこそこの比率で持っておくべきだという意見もあります。

出生数86万人に急減、初の90万人割れ 19年推計(日本経済新聞)

資産運用で「日本株を40%も持っていい」と考える逆説的な2つの理由(ダイヤモンド)

国内株式を4割も持つのは抵抗があるかもしれませんが、将来は未知数なのだから取りこぼしがないよう『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』のように世界の株式市場の時価総額比分だけでも持っておくという考え方もあるでしょうね。

国内株式の必要性については下の記事も参考にしてください。

国内株式はいる? いらない? 国内株式と先進国株式および両者の組み合わせによるリターン・リスク水準や年間リターンを比較・評価



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