苦戦中の『ひふみプラス』を国内中小型株投信と比べてみると?ジェイリバイブやeMAXIS JPX日経中小型インデックスと比較

2018年11月12日月曜日

ひふみ 国内株式

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『ひふみプラス』を中小型株投信と比較

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目下、苦戦中といわれる『ひふみプラス』の特徴と実績を中小型株を対象にした国内株式ファンドと比較してみました。

比較の対象は『SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ』と『eMAXIS JPX日経中小型インデックス』です。




ひふみプラスほか特徴

ひふみプラス』は財務指標や株価指標など目に見える定量面だけでなく、企業訪問等を通じ経営方針や戦略など目に見えない定性面にも徹底した調査・分析を行うことをうたっています。

直販のひふみ投信と同じマザーファンドを通じて運用されています。状況に応じて株式を売却して現金比率を高める場合があります(最大で50%未満)。

国内だけでなく海外の企業にも投資先を広げています。原則として外貨建資産の為替ヘッジは行いません。

ひふみプラス 組入上位10銘柄
2018年10月末月報より

ひふみプラス 組入上位10業種
2018年10月末月報より

SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ』は、株価が下落した銘柄から財務安定性に優れ、業績も安定しており、わが国の経済社会に貢献すると考えられる企業の株式に厳選して投資します。

SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ 組入上位10銘柄
20018年11月9日付週報より

SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ 業種別組入比率
2018年11月9日付週報より

eMAXIS JPX日経中小型インデックス』は、「JPX日経中小型株指数」の値動きに連動する投資成果をめざします。

同指数は東京証券取引所の第1部、第2部、マザーズ、JASDAQから時価総額、売買代金、ROE(※)等を基に原則200銘柄を選定し算出されます。時価総額上位20%の大型株を除外しています。

※ ROEとは自己資本利益率のことで企業の収益力を示します。

eMAXIS JPX日経中小型インデックス 組入上位10銘柄
2018年10月末月報より

eMAXIS JPX日経中小型インデックス 組入上位10業種
2018年10月末月報より

今回取り上げた投資信託の信託期間は無期限です。


ひふみプラスほか費用

ひふみプラス、SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ、eMAXIS JPX日経中小型インデックスの費用

購入時手数料は上限の数字で販売会社によって異なり、SBI証券楽天証券などのネット証券(インターネットコース)では無料の場合もあります。


『ひふみプラス』の運用管理費用は純資産総額500億円を超える部分は0.880%、同1,000億円を超える部分は0.780%に下がります。

ひふみプラス』の第6期(2016年10月1日~2017年10月2日)の運用報告書から推測した実質コスト(年率)の概算値は1.350%です。

SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ』の第12期(2017年7月25日~2018年7月23日)の運用報告書から推測した実質コスト(年率)の概算値は2.013%です。

eMAXIS JPX日経中小型インデックス』の第1期(2017年6月12日~2018年1月26日)の運用報告書から推測した実質コスト(年率)の概算値は0.448%です。


ひふみプラスほか運用実績

下のグラフは、後発の『eMAXIS JPX日経中小型インデックス』が設定された2017年6月の月末から2018年10月末までの各投信の基準価額の推移を比べたものです。

比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。

ひふみプラス、SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ、eMAXIS JPX日経中小型インデックスの基準価額の推移
基準価額の推移(月末ベース)
過去の実績は将来の成績を保証するものではありません

騰落率の比較は下の表の通りです(2018年11月12日現在)。

ひふみプラス、SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ、eMAXIS JPX日経中小型インデックスの騰落率
2018年11月12日現在
過去の実績は将来の成績を保証するものではありません

米国の長期金利上昇や貿易摩擦への警戒感もあり、世界的に株価の調整を余儀なくされています。


まとめ

好調な運用成績を誇っていた『ひふみプラス』ですが、直近の騰落率では苦戦が続いているようです。過半数を占める中小型株の不振も一因でしょうか。

時価総額別比率
2018年10月末現在
マザーファンドを共有するひふみ投信の月報より

過去1年の騰落率では『SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ』や『eMAXIS JPX日経中小型インデックス』といった競合投信に対してマイナス幅は控えめでした。

ところが過去3ヵ月、過去6ヵ月では『eMAXIS JPX日経中小型インデックス』より、むしろマイナス幅が大きくなっています。

2018年11月の『ひふみアカデミー』(YouTube)によると、2018年10月は1ヵ月間としては過去10年間で最大の下落(-12.17%)であり、グロース(成長重視)株の下げが大きかったことを要因としてあげています

バリュー(割安)株の見直しが続くのか注視はしていくが、これまで通り、大型株、バリュー株でも魅力的な株があれば投資するものの、中小型、グロース株を中心にしていく方針に変わりはないと話していました。

最近の保有銘柄の入れ替えに関しては暴落前にアマゾンやビザ、マイクロソフトを半分売却し、アメリカの眼鏡や靴の会社、中国の教育産業、5G関連の銘柄に投資したそうです。


こぼれ話
ちなみに『ひふみプラス』の過去1年間の基準価額の推移をTOPIX連動型インデックスファンドや全世界株式インデックスファンドと比較すると下のグラフのようになります(起点の基準価額を1万円に統一)。

ひふみプラス、<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド、全世界株式インデックス・ファンドの基準価額の推移
基準価額の推移(月末ベース)
過去の実績は将来の成績を保証するものではありません

直近の急落は残念ですし、しばらく厳しい局面が続くかもしれませんが、株価が下落している時こそ徹底した企業調査をうたう『ひふみ』の銘柄の発掘力に期待したいですね。




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