つみたてNISAの積立期間が延長されるとの報道
少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度である（配当金や売却益にかかる20.315％の税金がゼロに！）、つみたてNISAは今のところ2037年までの時限措置になっています。そのため、つみたてNISAを始めるのが遅れると、その分、積み立てられる期間が短くなり、非課税で投資できる金額が減る欠点がありました。
日経新聞の報道によると、この点が改善される可能性があるようです。年末にまとめられる20年度与党税制改正大綱に、つみたてNISAの延長が盛り込まれる見込みだそうです。
いつから始めても最大800万円が非課税で運用可能になる？
金融庁の「つみたてNISA概要」から図表を引用します。 |
| 2037年まで毎年40万円×20年間の非課税投資枠が設定 出典：金融庁 https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/tsumitate/overview/index.html |
上の図の縦軸に注目してください。これまではつみたてNISAの投資可能期間は2018年から2037年まででした。毎年、40万円の非課税投資枠が設定されます。
この投資可能期間が延長され、2037年までは、いつから積立を始めても20年間継続して積立ができるようになるかもしれないとのこと（38年以降も積立が可能に。ただし積立開始の期限は2037年まで）。
合計で最大800万円が非課税で運用できます。
毎年、設定される40万円の非課税投資枠の非課税期間も最長20年※（横軸）、投資可能期間も20年（縦軸）なので、ちょっとややこしいでしょうか。
※途中で売却も可能ですが、投資信託などを一度売却すると非課税投資枠の再利用はできません（売った金額の分だけ買い直すことはできません）。
毎年、設定される40万円の非課税投資枠を使い切らずに余ったとしても、翌年以降に未使用分の繰り越しはできません。
追記
金融庁の説明会では、つみたてNISAをすでに利用している人にも投資可能期間の延長が適用されるという話があったようで、実現すると嬉しいですね。・金融庁の新NISA説明会に参加してきました（Sayasayanのぼちぼち投資日記）
非課税期間が終了したら？
非課税期間の20年間が終了したら、NISA口座以外の課税口座（一般口座や特定口座）に払い出されます（移管されます）。つみたてNISAでは、一般NISAのように非課税期間終了後に金融商品を翌年の非課税投資枠に移すこと（ロールオーバー）はできません。
また一般NISAからつみたてNISAに金融商品を移したり、その逆もできません。
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| ※ ロールオーバーで延長可能 |
使いづらい部分は、徐々に改善されていくといいですね。
・つみたてNISAの非課税期間は20年間 20年以内に売らないと非課税ではなくなるの？正解は…
参考資料
つみたてNISAの仕組みについては金融庁のリーフレット（PDF）や「つみたてNISA早わかりガイドブック」（PDF）がわかりやすいです。制度が導入された背景も含めて詳しく知りたい場合は「導入直前！「つみたてNISA」の制度説明」（PDF）を参照してください。
つみたてNISA対象商品は下の記事を参考にしてください。
・金融庁が「つみたてNISA対象商品届出一覧」公表 各指数で信託報酬が最安値の投資信託は？
おすすめ記事
・Q＆A「NISAで金融機関の変更は可能？つみたてNISAで金融機関を変えたら今まで投資していた分はどうなるの？」・Q＆A「もし証券会社が倒産したら預けている株式や投資信託はどうなるの？」
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