低ボラティリティ高配当戦略は机上の空論?株式インデックス投信どころかバランス投信にも負ける

2017年7月21日金曜日

スマートベータ バランス 先進国株式

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低ボラティリティ高配当戦略の価値は?

※ 記事のデータを更新しました(2017年11月25日)。

たわらノーロードplus 先進国株式低ボラティリティ高配当戦略』はリスク調整後リターンの向上をめざすという、いわゆるスマートベータ戦略を採用したファンドです。

オーソドックスなインデックスファンドである『たわらノーロード 先進国株式』と比較してみました。参考までに債券を50%含むバランスファンドとも比べてみました。

低ボラティリティ高配当戦略ほか特徴

たわらノーロードplus 先進国株式低ボラティリティ高配当戦略』は、日本をのぞく先進国の株式が対象で、インカム水準等に着目した独自の定量モデルを活用して投資効率(リスク調整後リターン)の向上をめざします

2017年10月末現在の組入銘柄数は105銘柄です。

たわらノーロード 先進国株式』は、日本をのぞく先進国の株式を対象にしたMSCIコクサイ・インデックスに連動する投資成果をめざすインデックスファンドです。

2017年10月末現在の組入銘柄数は1,318銘柄です。

両ファンドの業種別構成比の上位は下の表のとおりです。

たわらノーロードplus 先進国株式低ボラティリティ高配当戦略、たわらノーロード 先進国株式の業種別構成比の比較表
2017年10月末月報より

<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)』は、先進国を中心に国内外の株式と債券に分散投資します。

<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)基本投資割合

今回取り上げた投資信託は為替変動リスクを回避するための為替ヘッジを原則として行いません。信託期間はすべて無期限です。

低ボラティリティ高配当戦略ほか成績比較

たわらノーロードplus 先進国株式低ボラティリティ高配当戦略、たわらノーロード 先進国株式、<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)成績比較表
2017年11月24日現在 過去の実績は将来の運用成績を保証するものではありません

設定来の騰落率を見ると、『たわらノーロードplus 先進国株式低ボラティリティ高配当戦略』の成績は、『たわらノーロード 先進国株式』に大敗しているだけでなく、債券を50%含むバランスファンドにも劣後しています。

下のグラフは英国のEU離脱騒動や米国の大統領選で相場が荒れ模様だった2016年の基準価額の値動きを示したものです。

たわらノーロードplus 先進国株式低ボラティリティ高配当戦略、たわらノーロード 先進国株式、<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)の2016年の値動き
英国EU離脱騒動や米大統領選で相場が荒れ模様だった2016年の基準価額(月末)の値動き

低ボラティリティ高配当戦略ほか実質コスト

運用報告書を見ると、『たわらノーロードplus 先進国株式低ボラティリティ高配当戦略』は、『たわらノーロード 先進国株式』に比べ、信託報酬以外にも売買委託手数料や有価証券取引税が高めです。

また資産規模が小さいからか、その他費用(保管費用など)がかさんでいるようです。

たわらノーロードplus 先進国株式低ボラティリティ高配当戦略、たわらノーロード 先進国株式、<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)の1万口当たりの費用明細
たわらノーロードplus、たわらノーロードは決算期間が1年未満であることに注意
<購入・換金手数料なし>は2017年11月21日に信託報酬の引き下げを実施

まとめ

株式市場が好調な時期は、低ボラティリティ高配当戦略は相対的に控えめな運用成績になりがちという側面はあるでしょうね。逆に株式市場が不調な際には通常の株式インデックスファンドよりは配当を武器に下落しにくいことを期待できるのかもしれません。

その一方で債券を半分含むバランスファンド以上に下落相場に耐性があるとは考えにくく、運用成績がバランスファンドに見劣りするようでは『たわらノーロードplus 先進国株式低ボラティリティ高配当戦略』の存在意義に疑問が浮かんでしまいますよね。

低ボラティリティ高配当戦略にかぎらず、過去のデータを使ったバックテストでは優秀でも、実際の運用では特定の戦略がいつまでも通用するほど市場は甘くないということでしょうか。

値動きを小さくしたいのであれば、投資信託などリスク資産への投資比率を下げて、預貯金や個人向け国債などの安全資産を厚めに持つのがシンプルかつ有効な戦略かもしれませんね。

こぼれ話
たわらノーロードplus 先進国株式低ボラティリティ高配当戦略』をNISA口座で少しだけ持っています。NISAでは一度売却してしまうと非課税投資枠の再利用ができないので、乗り換えに不便なのが困りものですね。

再利用できないのは、金融機関が手数料稼ぎに顧客に回転売買を促すのを防止するという意味合いもあるらしいのですが。同ファンドを保有しているのは少額なので、非課税期間の5年が終わるまでは様子を見ようと思います。




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