『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』第3期の実質コスト(第2期より上昇)をニッセイ、たわらと比較 コロナ禍の運用実績も評価

2020年7月2日木曜日

実質コスト 新興国株式

t f B! P L
『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』の実質コストや運用実績を競合と比較・評価・解説
カーニバル ブラジル
anjodivino0によるPixabayからの画像)

にほんブログ村 株ブログ 投資信託へにほんブログ村 株ブログ インデックス投資へ

第3期の運用報告書(2020年4月27日決算)が公表された『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』の実質コストや運用実績を競合と比較してみました。

比較の対象は『<購入・換金手数料なし>ニッセイ新興国株式インデックスファンド』と『たわらノーロード 新興国株式』です。

すべて、つみたてNISA対象商品です。つみたてNISAは少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度(金融庁)です。


eMAXIS Slimほか新興国株式インデックスファンドの特徴

eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』(三菱UFJ国際投信)、『<購入・換金手数料なし>ニッセイ新興国株式インデックスファンド』(ニッセイAM)、『たわらノーロード 新興国株式』(アセマネOne)は、新興国の株式市場を対象にした「MSCIエマージング・マーケット・インデックス」(配当込み、円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。

ベンチマークの指数はアジア、中南米、中東・アフリカ、欧州の26ヵ国の大型株と中型株1,403銘柄で構成されています(2020年5月末現在)。

MSCI エマージング・マーケット・インデックス 業種別構成比(金融、情報技術、一般消費財・サービスほか)と国・地域別構成比(中国、台湾、韓国ほか)
MSCIエマージング・マーケット・インデックス
資産別構成比と国・地域別構成比 2020年5月末現在

今回、取り上げたファンドは、原則として為替ヘッジは行いません。信託期間はすべて無期限です。

新興国株式インデックスファンドの実質コスト

eMAXIS Slim 新興国株式インデックス、<購入・換金手数料なし>ニッセイ新興国株式インデックスファンド、たわらノーロード 新興国株式の実質コスト
少数第3位未満は四捨五入しています

上記の数字は最新の信託報酬率を適用した推計による概算値であることに注意してください。運用管理費用(信託報酬)以外に売買委託手数料や有価証券取引税、その他費用(保管費用、監査費用等)を含めたものが実質コストになります。

新興国株式インデックスファンドは先進国株式に比べると信託報酬以外の諸経費がかさみがち傾向にあります。『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』は第2期より売買委託手数料や有価証券取引税がかさみ実質コストが高くなっています(+0.040%)。

eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』の実質コスト(年率 0.425%)は、第3期(2019年4月26日~2020年4月27日)の運用報告書(PDF)の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年(365日)相当に改めて、現時点の信託報酬率を当てはめています。

信託報酬以外の諸経費 0.219%×(365日 ÷ 第3期の日数 368日)+ 信託報酬 0.2079% = 0.425%(少数第3位未満は四捨五入)

<購入・換金手数料なし>ニッセイ新興国株式インデックスファンド』の実質コスト(年率 0.690%)は、第2期(2018年11月21日~2019年11月20日)の運用報告書(PDF)の1万口当たりの費用明細に現時点の信託報酬率を当てはめています。

信託報酬以外の諸経費 0.482% + 信託報酬 0.2079% = 0.690%※(少数第3位未満は四捨五入)

※上記には含めていませんが2020年5月末の月報を見ると組入上位10銘柄に海外ETFが2銘柄入っているので、その報酬も含めると実質コストはもう少し上振れします(+0.026%程度)。

たわらノーロード 新興国株式』の実質コスト(年率 0.818%)は、第4期(2018年10月13日~2019年10月15日)の運用報告書(PDF)の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年相当に改めて、現時点の信託報酬率を当てはめています。

信託報酬以外の諸経費 0.448% × (365日 ÷ 第4期の日数 368日)+ 信託報酬 0.374% = 0.818%(少数第3位未満は四捨五入)


新興国株式インデックスファンドの運用実績

下のチャートは後発の『<購入・換金手数料なし>ニッセイ新興国株式インデックスファンド』設定来2年9ヵ月弱の期間(2017年10月13日~2020年7月2日)で基準価額の推移を比べたものです。

起点の基準価額を1万円に統一しています。

eMAXIS Slim 新興国株式インデックス、<購入・換金手数料なし>ニッセイ新興国株式インデックスファンド、たわらノーロード 新興国株式の基準価額の推移(チャート)
基準価額の推移 2017年10月13日~2020年7月2日
過去の実績は将来を保証するものではありません位

騰落率の比較は下の表の通りです(2020年7月2日現在)。

調整局面の上昇率は2020年3月24日~同年7月2日の数字、下落率は2020年2月20日~同年3月24日の数字、設定来騰落率は2年9ヵ月弱の数字です。

eMAXIS Slim 新興国株式インデックス、<購入・換金手数料なし>ニッセイ新興国株式インデックスファンド、たわらノーロード 新興国株式の騰落率
2020年7月2日現在
過去の実績は将来を保証するものではありません

『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』に比べ実質コストがやや高めな印象の『<購入・換金手数料なし>ニッセイ新興国株式インデックスファンド』ですが、過去1年の騰落率は遜色のない成績になっています。

ただ、純資産総額の小ささは気になるところでしょうか。

アフターコロナで注目される中国の「新インフラ」~米中問題がデジタルインフラの進展を加速させる可能性も~(日興アセマネ)

コロナ後に訪れる革新 国際分散投資で享受(日本経済新聞)

コロナショックでは資金流出による通貨安に見舞われるなど悲観されがちな新興国ですが、5Gやデジタル技術の活用では先進国に先んじる国も出てきていて投資や収益のチャンスも眠っているかもしれないですね。




おすすめ記事

eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』ほか先進国株式インデックスファンド3種の実質コストは下の記事を参考にしてください。

『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』第3期の実質コストをニッセイやたわらと比較 コロナ禍の運用実績も評価

eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)』ほか国内株式インデックスファンド2種と『ひふみプラス』の実質コストは下の記事を参考にしてください。

『eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)』第3期の実質コストをニッセイ、ひふみプラスと比較 コロナショック下の運用実績も評価

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』や『eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)』などの実質コストは下の記事を参考にしてください。

『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』第2期の実質コストを楽天・全世界株式、8資産均等型バランスと比較 コロナショック下の運用実績も評価




Home

Amazon忙しいビジネスマンでも続けられる 毎月5万円で7000万円つくる積立て投資術【電子書籍】[ カン・チュンド ]

楽天Kobo中国新興企業の正体【電子書籍】[ 沈 才彬 ]

ブログ村 投資信託
投資信託が話題のブログ
ブログ村 インデックス投資
インデックス投資が話題のブログ
ブログ村 米国株
米国株が話題のブログ

注目の記事

auカブコム証券 投信クレカ積立1%還元(月10万まで)SBI証券と比べた場合のメリット・デメリット/全世界株(オルカン)、先進国株、国内株、米国株(S&P500)、新興国株 各インデックスファンドの成績

3月8日に「金融商品取引業等に関する内閣府令」が一部改正されて、クレジットカード決済で投資信託を積み立てる際の上限金額が月5万円から10万円に拡大されることになりました。 新NISA口座を開設したauカブコム証券と旧NISAで投信の保有を続けているSBI証券の一般ク...

よく読まれている人気記事

QooQ