カーニバル ブラジル (anjodivino0によるPixabayからの画像) |
第3期の運用報告書(2020年4月27日決算)が公表された『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』の実質コストや運用実績を競合と比較してみました。
比較の対象は『<購入・換金手数料なし>ニッセイ新興国株式インデックスファンド』と『たわらノーロード 新興国株式』です。
すべて、つみたてNISA対象商品です。つみたてNISAは少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度(金融庁)です。
eMAXIS Slimほか新興国株式インデックスファンドの特徴
『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』(三菱UFJ国際投信)、『<購入・換金手数料なし>ニッセイ新興国株式インデックスファンド』(ニッセイAM)、『たわらノーロード 新興国株式』(アセマネOne)は、新興国の株式市場を対象にした「MSCIエマージング・マーケット・インデックス」(配当込み、円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。ベンチマークの指数はアジア、中南米、中東・アフリカ、欧州の26ヵ国の大型株と中型株1,403銘柄で構成されています(2020年5月末現在)。
MSCIエマージング・マーケット・インデックス 資産別構成比と国・地域別構成比 2020年5月末現在 |
今回、取り上げたファンドは、原則として為替ヘッジは行いません。信託期間はすべて無期限です。
新興国株式インデックスファンドの実質コスト
少数第3位未満は四捨五入しています |
上記の数字は最新の信託報酬率を適用した推計による概算値であることに注意してください。運用管理費用(信託報酬)以外に売買委託手数料や有価証券取引税、その他費用(保管費用、監査費用等)を含めたものが実質コストになります。
新興国株式インデックスファンドは先進国株式に比べると信託報酬以外の諸経費がかさみがち傾向にあります。『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』は第2期より売買委託手数料や有価証券取引税がかさみ実質コストが高くなっています(+0.040%)。
『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』の実質コスト(年率 0.425%)は、第3期(2019年4月26日~2020年4月27日)の運用報告書(PDF)の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年(365日)相当に改めて、現時点の信託報酬率を当てはめています。
信託報酬以外の諸経費 0.219%×(365日 ÷ 第3期の日数 368日)+ 信託報酬 0.2079% = 0.425%(少数第3位未満は四捨五入)
『<購入・換金手数料なし>ニッセイ新興国株式インデックスファンド』の実質コスト(年率 0.690%)は、第2期(2018年11月21日~2019年11月20日)の運用報告書(PDF)の1万口当たりの費用明細に現時点の信託報酬率を当てはめています。
信託報酬以外の諸経費 0.482% + 信託報酬 0.2079% = 0.690%※(少数第3位未満は四捨五入)
※上記には含めていませんが2020年5月末の月報を見ると組入上位10銘柄に海外ETFが2銘柄入っているので、その報酬も含めると実質コストはもう少し上振れします(+0.026%程度)。
『たわらノーロード 新興国株式』の実質コスト(年率 0.818%)は、第4期(2018年10月13日~2019年10月15日)の運用報告書(PDF)の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年相当に改めて、現時点の信託報酬率を当てはめています。
信託報酬以外の諸経費 0.448% × (365日 ÷ 第4期の日数 368日)+ 信託報酬 0.374% = 0.818%(少数第3位未満は四捨五入)
新興国株式インデックスファンドの運用実績
下のチャートは後発の『<購入・換金手数料なし>ニッセイ新興国株式インデックスファンド』設定来2年9ヵ月弱の期間(2017年10月13日~2020年7月2日)で基準価額の推移を比べたものです。起点の基準価額を1万円に統一しています。
基準価額の推移 2017年10月13日~2020年7月2日 過去の実績は将来を保証するものではありません位 |
騰落率の比較は下の表の通りです(2020年7月2日現在)。
調整局面の上昇率は2020年3月24日~同年7月2日の数字、下落率は2020年2月20日~同年3月24日の数字、設定来騰落率は2年9ヵ月弱の数字です。
2020年7月2日現在 過去の実績は将来を保証するものではありません |
『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』に比べ実質コストがやや高めな印象の『<購入・換金手数料なし>ニッセイ新興国株式インデックスファンド』ですが、過去1年の騰落率は遜色のない成績になっています。
ただ、純資産総額の小ささは気になるところでしょうか。
・ アフターコロナで注目される中国の「新インフラ」~米中問題がデジタルインフラの進展を加速させる可能性も~(日興アセマネ)
・コロナ後に訪れる革新 国際分散投資で享受(日本経済新聞)
コロナショックでは資金流出による通貨安に見舞われるなど悲観されがちな新興国ですが、5Gやデジタル技術の活用では先進国に先んじる国も出てきていて投資や収益のチャンスも眠っているかもしれないですね。
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