第2期の運用報告書(2020年4月27日決算)が公表された『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』の実質コストや運用実績を『楽天・全米株式インデックス・ファンド』と比較してみました。
どちらも、つみたてNISA対象商品です。つみたてNISAは少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度(金融庁)です。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)と楽天・全米株式の特徴
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』(三菱UFJ国際投信)は、米国株式市場の時価総額のおよそ8割を占める大型株約500銘柄を対象にした「S&P500指数」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。投資信託を保有中の運用管理費用(年率)は税込0.0968%以内です。
2020年5月末月報より |
『楽天・全米株式インデックス・ファンド』(楽天投信投資顧問)は、米国株式市場の投資可能な銘柄のほぼ100%をカバーした「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(年率)は税込0.162%程度です。
2020年4月末現在(同年5月末月報より) |
今回、取り上げた投資信託は原則として為替ヘッジを行いません。信託期間は、すべて無期限です。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)と楽天・全米株式の実質コスト
少数第3位未満は四捨五入しています |
上記の数字は推計による概算値であることに注意してください。
運用管理費用(信託報酬)以外に売買委託手数料や有価証券取引税、その他費用(保管費用、監査費用等)を含めたものが実質コストになります。
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』の実質コスト(年率 0.140%)は、第2期(2019年4月26日~2020年4月27日)の運用報告書(PDF)の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年(365日)相当に改めて、現時点の信託報酬を加えています。
信託報酬以外の諸経費 0.044% ×(365日 ÷ 第2期の日数 368日)+ 信託報酬 0.096% (※)= 0.140%
※受益者還元型の信託報酬は純資産総額1,098.86億円で計算(500億円未満の部分 税込0.0968%、500億円以上1,000億円未満の部分 税込0.09625%、1,000億円以上の部分 税込0.0957%)
『楽天・全米株式インデックス・ファンド』の実質コスト(年率 0.225%)は、第2期(2018年7月18日~2019年7月16日)の運用報告書(PDF)の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年相当に改めて、現時点の投資信託の信託報酬と実質的な投資対象である投資信託証券の報酬(VTI 経費率0.03%)を加えています。
信託報酬以外の諸経費 0.063% ×(365日 ÷ 第2期の日数 364日)+ 投資信託の信託報酬 0.132% + VTIの経費 0.030% = 0.225%
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)と楽天・全米株式の運用実績
下のチャートは後発の『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』設定来2年弱の基準価額の推移(2018年7月3日~2020年6月29日)を『楽天・全米株式インデックス・ファンド』と比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
基準価額の推移 2018年7月3日~2020年6月29日 過去の実績は将来を保証するものではありません |
騰落率の比較は下の表の通りです(2020年6月29日現在)。
調整局面の上昇率は2020年3月24日~同年6月29日の数字、調整局面の下落率は2020年2月21日~同年3月24日の数字、設定来騰落率は2年弱の数字です。
2020年6月29日現在 過去の実績は将来を保証するものではありません |
中小型株まで幅広くカバーした『楽天・全米株式インデックス・ファンド』のほうが良くも悪くも値動きが若干大きめのようです。
先行きは不透明ですが世界経済の回復がV字型になるにせよ、W字型になるにせよ、いずれはコロナショックも乗り越えられると信じるなら、粘り強くマーケットに居続けるのも選択肢の一つかもしれませんね。
・ポートフォリオを変更して現金化を急がないほうが良い理由(バンガード)
例えば、2000年から2019年までの20年間、株式に10万ドルを投資したとしましょう。この期間の年平均リターンは6%を少し上回る程度でした。
もし、同じ20年間の途中で投資を中断し、パフォーマンスが最高だった25日間を逃していたなら、2019年末のポートフォリオは9万1,000ドルになっていたでしょう。*これは投資元本を9,000ドル下回る金額です。
しかしこの20年間、市場の上昇や下落に左右されることなく、資産構成を維持していれば、ポートフォリオは2019年には32万ドルになっていました。*これは投資元本を22万ドル上回る金額です。
*S&P500指数の年平均リターンに基づく
・米国株式市場は2番底を付けに行くのか(三井住友DSアセマネ)
・世界経済回復はW型?(ピクテ投信)
出典:世界経済回復はW型?(ピクテ投信) |
後発で運用管理費用のより低廉な『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』については下の記事を参考にしてください。
VOOとVTIの年間平均リターンも確認しています。
・400億円超!『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』スリム米国株式や楽天・全米株式と比較・評価 投資対象のVOOとVTIの年間平均リターンも確認
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『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』とアクティブ運用の『ひふみプラス』の組み合わせについては下の記事を参考にしてください。・『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』『ひふみプラス』半分ずつ投資した運用実績を評価 インデックスファンドとアクティブファンドの実質コストも比較
『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』ほか先進国株式インデックスファンド3種の実質コストは下の記事を参考にしてください。
・『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』第3期の実質コストをニッセイやたわらと比較 コロナ禍の運用実績も評価
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