楽天投信投資顧問の『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』、『楽天・インデックス・バランス・ファンド』3種、『楽天・全世界債券インデックス(為替ヘッジ)ファンド』の特徴と運用実績を比較してみました。
株式と債券の比率により、値動きや運用実績にどれくらいの差がある?
楽天・全世界株式、バランス、全世界債券の特徴
『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』(楽天投信)は、日本を含む全世界の株式市場を対象にした「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」(円換算ベース・為替ヘッジなし)に連動する投資成果をめざします。ベンチマークの指数は先進国や新興国市場を含む48ヵ国の大型株から小型株まで幅広くカバーしています。
投資信託を保有中の運用管理費用(年率)は税込0.202%程度です。
下記のポートフォリオは実質的な投資対象であるVT、VTI、VXUSのうち代表的な「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」(VT)のものです。
『楽天・インデックス・バランス・ファンド(株式重視型)』(楽天投信)、『同(均等型)』(楽天投信)、『同(債券重視型)』(楽天投信)は世界の株式と債券に分散投資します。
運用管理費用(年率)は株式重視型が税込0.211%程度、均等型が税込0.217%程度、債券重視型が税込0.223%程度です。
株式部分は大型株から小型株までカバーした「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」を実質的な投資対象にしています。
債券部分は国債に加え政府関連債、社債、資産担保証券で構成された「バンガード・グローバル・ボンド・インデックス・ファンド」を実質的な投資対象にしています。
債券への投資は為替ヘッジを行い為替リスクの低減をめざします。
『楽天・全世界債券インデックス(為替ヘッジ)ファンド』(楽天投信)は、日本を含む世界の債券市場を対象にした「ブルームバーグ・バークレイズ・グローバル総合浮動調整インデックス」(円ヘッジベース)に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(年率)は税込0.232%程度です。
前述の『楽天・インデックス・バランス・ファンド』の債券部分と同じく「バンガード・グローバル・ボンド・インデックス・ファンド」を実質的な投資対象にしています。
今回、取り上げた投資信託の信託期間は無期限です。購入時手数料や解約時の信託財産留保額はありません。
楽天・全世界株式、バランス、全世界債券の実績(チャートと騰落率)
下のチャートは後発の『楽天・全世界債券インデックス(為替ヘッジ)ファンド』設定来3年6ヵ月強の期間(2019年2月15日~2022年8月17日)で基準価額の推移を比べたものです。起点を1万円に統一しています。やはり株式比率が高いほど良くも悪くも値動きが大きめですね。
騰落率の比較は下の表の通りです(2022年8月17日現在)。
コロナショックの下落率は2020年2月21日~同年3月24日の数字、設定来の騰落率は3年6ヵ月強の数字です。
最近の株式市場はスタグフレーション(景気停滞とインフレの同時進行)が警戒されています。
金融政策の正常化で債券価格は下落していますが、将来的にはインカムゲイン(利子収入)の改善が期待できます。
・債券はマイルドな資産だが、金利上昇が弱点と覚えておく(日興AM)
債券を為替ヘッジしている『楽天・インデックス・バランス・ファンド』や『楽天・全世界債券インデックス(為替ヘッジ)ファンド』にとって、円安傾向やヘッジコストの増加も少なからず向かい風になっていそうです。
・為替ヘッジコストについて(2022年8月)(PDF/大和アセットマネジメント)
為替ヘッジコストは金融引き締め観測により足元では上昇傾向です。
2020年のコロナショック時の下落率を具体的な金額にすると下記のようになります。どのくらいまでなら耐えられそうでしょうか。
コロナショック時の損失(含み損)は1,000万円を運用していた場合、株式100%なら346万円弱、株式50%:債券50%なら192万円弱になります。
これらの数字は過去の一例に過ぎず、将来の値動きを示唆・保証するものではない点に注意してください。
まとめ
世界最大級の運用会社バンガードは依然として債券がポートフォリオの分散化のための重要な手段であると主張しています。株式と債券を組み合わせることでリスク(リターンのばらつき)を抑えることが期待できます。またバンガードは市場を長期的視点で見ると「世界的な強気相場によるリターンは弱気相場の損失を補って余りある」と述べています(「終わりのない弱気相場はない」より)。
コロナショックは短期間のうちに株価が急反発しましたが、過去を振り返ると1年あるいは2年以上も弱気相場が続いたこともありました。
長期で運用を続けるために資産全体の値動きを穏やかにしたいなら、債券を含むバランスファンドを利用するほかに、リスク資産への投資額を小さくして個人向け国債や預貯金等の安全資産を厚めに持つという方法もありますね。
積立投資で時間分散を心がけ、少額から積み立てることでリスク資産の値動きに徐々に慣れていくのも有効かもしれません。
・資産「2000万円」づくり 手堅い投信の長期積み立て(NIKKEI STYLE)
『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』と『eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)』などバランスファンドの積立投資の成績は下の記事を参考にしてください。
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