後発ながら純資産総額が順調に成長中の『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』の運用実績をライバルの『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』と比較してみました。
どちらも低コストなインデックスファンドですが、運用実績に差はあるのでしょうか?
米国株式(S&P500)インデックスファンドの特徴
『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』(SBIアセットマネジメント)と『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』(三菱UFJ国際投信)は、米国株式市場の時価総額のおよそ8割を占める大型株約500銘柄を対象とした「S&P500指数」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。投資信託を保有中の運用管理費用(年率)は前者が税込0.0938%程度、後者が税込0.0968%以内です。
S&P500指数 業種別構成比 2020年2月末現在 |
今回、取り上げた投資信託は、原則として為替ヘッジを行いません。信託期間は、どちらも無期限です。
米国株式(S&P500)インデックスファンドの運用実績
基準価額の推移
下記のチャートは『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』設定来5ヵ月強(2019年9月26日~2020年3月5日)の基準価額の推移をライバルと比べたものです。起点の基準価額を1万円に統一しています。ほぼ重なっています。
基準価額の推移 2019年9月26日~2020年3月5日 過去の実績は将来を保証するものではありません |
基準価額の差
『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』と『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』の基準価額のひらき具合(差額)を示したのが下記のチャートになります。基準価額の差額 2019年9月26日~2020年3月5日 過去の実績は将来を保証するものではありません |
直近は株式市場や為替相場が荒れ模様な影響もあるのか大きく変動していますが、全体を通してみると僅差ではあるものの『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』はライバルに徐々に劣後しているように見えます。
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』は2019年11月12日に信託報酬率の引き下げ(税込0.1650%以内 → 税込0.0968%以内)を実施しています。
騰落率
騰落率の比較は下の表の通りです(2020年3月5日現在)。調整局面の下落率は2020年2月21日~同年3月2日の数字、設定来騰落率は5ヵ月強の数字です。
2020年3月5日現在 過去の実績は将来を保証するものではありません |
コロナ・ショックにより、直近の株価も投資信託の基準価額も急落しています。
・日米欧、時価総額1割減 コロナ・ショック市場揺らす(日本経済新聞)
米国株式市場の大幅な下落は、新型肺炎だけでなく、民主党大統領候補者レースの影響も指摘されています。
大きな政府を志向し、市場規制型の政策を唱えるサンダース氏が大統領になった場合、マーケットに逆風が吹くと考えられているようです。
・「サンダース大統領」に金融業界が恐れる最悪の可能性(Newsweek)
・スーパーチューズデーの結果と米大統領選の行方(三井住友DSアセットマネジメント)
SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド まとめ
『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』は『バンガード・S&P500 ETF(VOO)』を実質的な投資対象にしています。『バンガード・S&P500 ETF(VOO)』のETF純資産総額は15兆円弱(2020年3月4日現在)と国内の投資信託よりはるかに規模が大きいです。
ただし、『楽天・バンガード・ファンド』も設定当初は運用が不安定だったように、投資対象のETFが巨大でも設定から日が浅い投資信託は運用が安定するまで多少時間がかかるようです。第1期は諸経費がかさみがちです。
ベンチマークとの連動性では、現物株式に直接投資する『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』のほうが有利な面もあります。
『バンガード・S&P500 ETF(VOO)』との比較では、『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』のほうが小額から手軽に投資できるのはメリットでしょうね。
2020年3月4日現在 |
『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』は、今のところ販売会社がSBI証券のみなのが惜しいですね。
こぼれ話(VOO、VTI、VTIの年間平均リターン)
ちなみに『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』の投資対象である『バンガード・S&P500 ETF(VOO)』の年間平均リターン(米ドルベース)は下記の通りです(2020年2月29日現在)。参考までに『楽天・全米株式インデックス・ファンド』の投資対象『バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)』や『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』の投資対象『バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)』と比較しています。
2020年2月29日現在 過去の実績は将来を保証するものではありません |
先行きが不透明だと中小型株や新興国を含む海外(米国以外)にまでは投資資金は回らないのかもしれませんね。
『楽天・全米株式インデックス・ファンド』も含めた比較は下の記事を参考にしてください。
・純資産230億円超!『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)や楽天・全米株式と設定から半年の実績を比較・評価 VOOとVTIの年間平均リターンも確認
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米国株式などの積立投資の成績(2018年1月~)は下の記事を参考にしてください。・【つみたてNISA】株価急落で積立投資の成績は? 先進国株式、米国株式(S&P500)、バランス(8資産均等型)の評価額の推移を確認 元本と口数は着実に増加中
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・アクティブ『農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね』『フィデリティ・米国優良株・ファンド』VS.パッシブ『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』『楽天・全米株式インデックス・ファンド』組入銘柄や運用実績を比較・評価
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