アクティブファンド『農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね』と『フィデリティ・米国優良株・ファンド』の特徴と運用実績を米国株式インデックスファンドと比較してみました。
比較の対象は『iシェアーズ 米国株式インデックス・ファンド』、『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』、『楽天・全米株式インデックス・ファンド』です。
米国株式ファンド(おおぶね、優良株、S&P500、楽天・全米株式)の特徴
米国株式アクティブファンド
『農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね(旧:農林中金<パートナーズ>米国株式長期厳選ファンド)』(農林中金全共連AM)は、付加価値の高い産業、圧倒的な競合優位性、長期的な潮流の3つの条件を満たす、持続可能なキャッシュ・フロー創出能力を有する「構造的に強靭な企業」(20~30社程度)に妥当なバリュエーションレベルで長期厳選投資を行います。・米国株式長期厳選投資戦略について(YouTube)
・「米国株式長期厳選」がじわり人気(話題の投信)(日本経済新聞)
投資信託を保有中の運用管理費用(年率)は税込0.99%です。
2020年1月末月報より |
長期厳選投資 おおぶね 業種別構成比 2020年1月末月報より |
『フィデリティ・米国優良株・ファンド』(フィデリティ投信)は、米国の上場株式を主要な投資対象とし、個別企業分析により国際的な優良企業や将来の優良企業に投資を行ないます。分散投資を基本にリスク分散を図ります。
米国の代表的な株価指数である「S&P500指数」(税引前配当金込・円換算ベース)を長期的に上回る運用成果を目標とします。
運用管理費用(年率)は税込1.639%です。企業の調査・分析を行って銘柄を厳選している分、指数連動型のインデックスファンドよりコストが高めです。
2019年12月末現在(2020年2月付月報より) |
フィデリティ・米国優良株・ファンド 業種別構成比 2019年12月末現在 |
米国株式インデックスファンド
『iシェアーズ 米国株式インデックス・ファンド』(ブラックロック)と『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』(三菱UFJ国際投信)は、米国株式市場の時価総額のおよそ8割を占める大型株約500銘柄を対象とした「S&P500指数」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。運用管理費用(年率)は前者が税込0.4125%程度、後者が税抜税込0.0968%以内です。
2020年1月末月報より |
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 業種別構成比 2020年1月末月報より |
『楽天・全米株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式))』(楽天投信投資顧問)は、米国株式市場の投資可能な銘柄のほぼ100%をカバーした「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(年率)は税込0.162%程度です。
2019年12月末現在(2020年1月末月報より) |
楽天・全米株式インデックス・ファンド 業種別構成比 2019年12月末現在 |
今回、取り上げた投資信託は、原則として為替ヘッジは行いません。信託期間は、すべて無期限です。
米国株式ファンド(おおぶね、優良株、S&P500、楽天・全米株式)の運用実績
米国株式ファンドの基準価額の推移(チャート)
下のチャートは『農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね』設定来2年7ヵ月半強の基準価額の推移(2017年7月5日~2020年2月21日)を『フィデリティ・米国優良株・ファンド』や『iシェアーズ 米国株式インデックス・ファンド』と比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
基準価額の推移 2017年7月5日~2020年2月21日 過去の実績は将来を保証するものではありません |
下のチャートは『農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね』、『フィデリティ・米国優良株・ファンド』、『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』、『楽天・全米株式インデックス・ファンド』の過去1年間の基準価額の推移(2019年2月22日~2020年2月21日)を比べたものです。
起点の基準価額を1万円に統一しています。
基準価額の推移 2019年2月22日~2020年2月21日 過去の実績は将来を保証するものではありません |
米国株式ファンドの騰落率
騰落率の比較は下の表の通りです(2020年2月21日現在)。調整局面の下落率は2018年10月4日~同年12月25日の数字、設定来騰落率は2年7ヵ月半強の数字です。
2020年2月21日現在 過去の実績は将来を保証するものではありません |
米国株式アクティブファンドとインデックスファンド まとめ
銘柄を厳選したアクティブファンドといえども、指数連動型のインデックスファンドに常勝とは行かないようです。『農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね』が直近やや出遅れているのは、先行きの不透明感を反映してか生活必需品の割合が高めの保守的なポートフォリオにしていることも一因かもしれませんね。
インデックスファンドの低コスト化が進んでいるだけに、アクティブファンドの運用管理費用の割高さが長期運用ではハンデにならないかが気になりますよね。
・「アクティブファンドがインデックスに勝てない」根拠とは?(東証マネ部!)
上記の記事によれば、米国株式を含む外国株式ではアクティブファンドのインデックスに対する勝率は高くないどころか、ほとんど勝てていないそうです。
引用した下の図表は、インデックスのパフォーマンスを下回っている日本のアクティブファンドの割合(2017年6月末時点)を示しています。
出典:東証マネ部! 「アクティブファンドがインデックスに勝てない」 根拠とは? |
3年、5年、10年では9割前後の外国株式アクティブファンドがインデックスに負けています。また過去10年の生存率も6割前後にとどまります。
・アクティブVSパッシブ、投資家の“実際の儲け”は?(モーニングスター)
アクティブファンドの場合、投資家の実際のもうけであるインベスターリターンが、ファンドを継続保有した場合のトータルリターンに見劣りしがちというデータもあります。
積立投資に利用されることの多いインデックスファンドに比べ、アクティブファンドは相場のタイミングを見て投資しようとする人が少なくないことも原因の一つのようです。
選りすぐりの銘柄を組み入れたアクティブファンドもスパイスとしてなら魅力的ですが、長期投資で負けにくい運用をめざすなら低コストで多くの銘柄に分散可能なインデックスファンドを中核に据えるのがやはり手堅いでしょうか。
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米国株式ファンドの積立投資の成績は下の記事を参考にしてください。・楽天・全米株式、S&P500連動型、米国優良株(アクティブ)つみたてNISAで毎月1万円ずつ積み立てたら今いくら? 先進国株式とも比較
米国株式インデックスファンドとバランスファンドの組み合わせは下の記事を参考にしてください。
・米国株式の過熱感が気になるなら?『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』と『同 バランス(8資産均等型)』に半分ずつ投資した場合の運用実績や積立投資の評価額も確認
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