米国株式インデックスファンドと8資産均等型バランスファンドを組み合わせた場合の運用実績を確認してみました。
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』と『eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)』の組み合わせだけでなく、それより運用期間の長い『iシェアーズ 米国株式インデックス・ファンド』と『eMAXIS バランス(8資産均等型)』の組み合わせについても調べてみました。
米国株式インデックスファンドと8資産均等型バランスの特徴
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』(三菱UFJ国際投信)と『iシェアーズ 米国株式インデックス・ファンド』(ブラックロック)は、米国株式市場の時価総額のおよそ8割を占める大型株約500銘柄を対象とした「S&P500指数」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。S&P500指数 業種別構成比 2020年1月末現在 |
『eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)』(三菱UFJ国際投信)と『eMAXIS バランス(8資産均等型)』(三菱UFJ国際投信)は世界の株式、債券、REIT(不動産投資信託証券)に分散投資します。
基本投資割合 |
今回、取り上げた投資信託は外貨建資産の為替ヘッジを原則として行いません。信託期間はすべて無期限です。
米国株式インデックスファンドと8資産均等型バランスファンドを50%:50%で組み合わせた場合の資産配分は下記の通りです。
米国株式 50%:8資産均等型 50% |
米国株式インデックスファンドと8資産均等型バランスの運用実績
下のチャートは、『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』設定来過去1年7ヵ月半強の期間(2018年7月3日~2020年2月20日)で基準価額の推移を比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
基準価額の推移 2018年7月3日~2020年2月20日 過去の実績は将来を保証するものではありません |
騰落率の比較は下の表の通りです(2020年2月20日現在)。調整局面での下落率は2018年10月4日~同年12月25日の数字、設定来騰落率は1年7ヵ月半強の数字です。
2020年2月20日現在の純資産総額は『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』が613.06億円、『eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)』が479.59億円です。
2020年2月20日現在 過去の実績は将来を保証するものではありません |
下のチャートは、『iシェアーズ 米国株式インデックス・ファンド』ほか過去6年間(2014年2月21日~2020年2月20日)の基準価額の推移を比べたものです。
起点の基準価額を1万円に統一しています。
基準価額の推移 2014年2月21日~2020年2月20日 過去の実績は将来を保証するものではありません |
騰落率の比較は下の表の通りです(2020年2月20日現在)。
2020年2月20日現在 |
米国株式インデックスファンドと8資産均等型バランスの積立投資の成績
2019年1月から、毎月1日を積立日に設定しています(約定日は翌営業日)。1日が休業日の場合は後ずれします。
過去の実績は将来を保証するものではありません |
2019年1月から1年強の積立投資(毎月1万円)の評価額は、2020年2月20日現在、14万円の投資額に対して以下の通りです。
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』
167,709円(+19.79%)
『eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)』
152,801円(+9.14%)
両者に半分ずつ投資した場合
160,255円(+14.47%)
積立投資については下の記事も参考になると思います。
・資産「2000万円」づくり 手堅い投信の長期積み立て(NIKKEI STYLE)
・積立投資を学ぶ(大和投資信託)
米国株式とバランスファンド まとめ
近年は米国株式が極めて好調でした。その一方で米国株式の割高感も、たびたび指摘されています。世界最大級の運用会社であるバンガード社は、現在の米国株価は過大評価されており、今後5年から10年のリターンは控えめなものにとどまると見ているようです。
バンガード「グローバル・マクロ・マターズ」シリーズ 米国株の上昇に伴い、リスクとリターンのトレードオフが複雑に 3ページより引用(2017年11月発表) |
※ パーセンタイルとはデータを小さい順に並べた時、小さいほうから何パーセント目に入るかを示す。100個の値があったとすると25パーセンタイルは下から25個目、75パーセンタイルは下から75個目、その間には全体の半分の値が分布する。
・バンガード「グローバル・マクロ・マターズ」シリーズ『米国株の上昇に伴い、リスクとリターンのトレードオフが複雑に』(PDF)
米国株式よりグローバル株式(米国株式60%:米国外株式40%)のほうがリスクを抑えつつリターンの向上を見込める。あるいは、グローバル債券にも分散投資すること(株式60%:債券40%のグローバル・ポートフォリオ)で下振れリスクを大幅に抑制しながら米国株式と同程度のリターンを得られる、と予測しています。
・バンガード「2020年の経済および市場見通し:新たな不透明性の時代」(WEB)
2020年の経済および市場見通しは、今後10年間の市場見通しとして世界株式市場(米国を除く)のリターンを米ドルベースで概ね年率6.5%~8.5%と見積もっています(米ドルの下落を予想)。
その一方で米国株式のリターンは年率3.5%~5.5%とより厳しく見ているようです。
もちろん将来の正確な予測は大変困難で見通しが外れる可能性も大いにありますが、どちらに転んでもいいようにしておくという意味では分散投資(地域・資産・時間の分散)がやはり王道でしょうか。
米国株式の過熱感が心配なら、債券を含みグローバルに分散されたバランスファンドを組み合わせてみるのも一案かもしれませんね。
・米資産、株・債券・通貨が2020年にアンダーパフォームへ-モルガンS(ブルームバーグ)
・超長期マーケット予測(J.P.モルガン)
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』と『楽天・インデックス・バランス・ファンド』3種(株式重視型・均等型・債券重視型)の比較は下の記事を参考にしてください。
・IMFは米国経済の減速を予想 バランスファンドで弱気相場に備える? 米国株式や先進国株式インデックスファンドの一部を8資産均等型などのバランスと入れ替えるのはあり?
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8資産均等型と先進国株式を組み合わせについては下の記事を参考にしてください。
・8資産均等型バランスファンドと先進国株式を組み合わせた場合の運用実績やリターンとリスクの水準は?
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