IMFは米国経済の減速を予想　バランスファンドで弱気相場に備える？　米国株式や先進国株式インデックスファンドの一部を8資産均等型などのバランスと入れ替えるのはあり？

先日、公表されたIMF（国際通貨基金）の「世界経済見通し（2020年1月改訂）」ではアメリカの成長率が2019年の2.3%から2020年には2%に、2021年にはさらに1.7%へと低下すると見込まれています。

成長ペースが鈍化する背景として、財政政策や金融緩和策の効果の限界をあげています。

・IMF世界経済見通し、数字の改善にも慎重姿勢（ピクテ投信投資顧問）

地政学リスクや貿易摩擦の再燃など下振れリスクも依然として高い中、米国株式インデックスファンドや米国が約7割を占める先進国株式インデックスファンドの運用実績をバランスファンドと比較してみました。

バランスファンドは弱気相場の備えとなるでしょうか？

今回、取り上げた投資信託は、つみたてNISA対象商品です。つみたてNISAは少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です。

詳細については金融庁のWEBサイトで解説されています。

米国株式・先進国株式・バランスの特徴

『eMAXIS Slim 米国株式（S＆P500）』（三菱UFJ国際投信）は、米国株式市場の時価総額のおよそ8割を占める大型株約500銘柄を対象とした「S＆P500指数」（円換算ベース・為替ヘッジなし）に連動する投資成果をめざします。

投資信託を保有中の運用管理費用（年率）は税込0.0968％以内です。

S＆P500指数 業種別構成比　2019年12月末現在

『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』（三菱UFJ国際投信）は、日本を除く先進国の株式市場を対象にした「MSCIコクサイ・インデックス」（円換算ベース・為替ヘッジなし）に連動する投資成果をめざします。

運用管理費用（年率）は税込0.10615％以内です。

ベンチマークの指数は日本を除く先進国22ヵ国の大型株と中型株1,322銘柄を組み入れています（2019年12月末現在）。

MSCIコクサイ インデックス 業種別構成比と国・地域別構成比　2019年12月末現在

『eMAXIS Slim バランス（8資産均等型）』（三菱UFJ国際投信）は世界の株式、債券、REIT（不動産投資信託証券）に分散投資します。外貨建資産の為替ヘッジは行いません。

運用管理費用（年率）は税込0.154％以内です。

基本投資割合

楽天投信投資顧問の『楽天・インデックス・バランス・ファンド（株式重視型）』『同（均等型）』『同（債券重視型）』（愛称：楽天・バンガード・ファンド（バランス株式重視型）（バランス均等型）（バランス債券重視型））は世界の株式と債券に分散投資します。

債券への投資は為替ヘッジを行い、為替リスクの低減をめざします。

運用管理費用（年率）は株式重視型が税込0.240％程度、均等型が税込0.252％程度、債券重視型が税込0.264％程度です。

基本配分

今回、取り上げた投資信託の信託期間は無期限です。

米国株式・先進国株式・バランスの運用実績

下記のチャートは『楽天・インデックス・バランス』設定来1年半強の期間（2018年7月20日～2020年1月22日）で基準価額の推移を比べたものです。

比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。

基準価額の推移　2018年7月20日～2020年1月22日 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません

騰落率の比較は下の表の通りです（2020年1月22日現在）。

調整局面の下落率は2018年10月4日～同年12月25日の数字、設定来騰落率は1年半強の数字です。

2020年1月22日現在 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません

米国株式および先進国株式インデックスファンドより債券を含むバランスファンドのほうが基準価額の変動幅がやはり小さいです。

『楽天・インデックス・バランス・ファンド』3種では債券比率が高いほど値動きが穏やかです。純資産総額がまだ小さいのは惜しいですね。

まとめ

ニュースに一喜一憂してポートフォリオを変えるのは市場の後追いになって弊害も大きいかもしれませんね。

ただ、米国株式市場が最高値を更新するなど好調でリスク資産の割合が過大になっていたり、運用している資産がある程度まとまった金額になったていたりするのであれば、そろそろアクセルを緩めてもいいのかなと悩んでいます。

資産全体の変動幅を小さくするにはリスク資産への投資割合を小さくして預貯金等の安全資産の割合を増やすという方法もありますが、リスク資産自体の値動きを穏やかにしたいならバランスファンドに徐々に切り替えていくのもありかなと。

米国株式インデックスファンドとバランスファンドの組み合わせは下の記事を参考にしてください。

・米国株式の過熱感が気になるなら？『eMAXIS Slim 米国株式（S＆P500）』と『同 バランス（8資産均等型）』に半分ずつ投資した場合の運用実績を確認





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