信託報酬率の引き下げが発表された(PDF)『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』の実質コストや運用実績を人気インデックスファンドと比較してみました。
比較の対象は『楽天・全米株式インデックス・ファンド』と『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』です。
先進国株式・米国株式・全世界株式の特徴
『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』(ニッセイAM)は、日本を除く先進国の株式市場を対象にした「MSCIコクサイ・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。運用管理費用(信託報酬)は年率で税抜0.0999%(税込0.10989%)です。前述の通り2020年2月21日より税抜0.0930%(税込0.10230%)に引き下げられる予定です。
ベンチマークの指数は日本を除く先進国22ヵ国の大型株と中型株1,322銘柄を組み入れています(2019年12月末現在)。
先進国株式(MSCIコクサイ インデックス) 業種別構成比と国・地域別構成比 2019年12月末現在 |
『楽天・全米株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式))』(楽天投信投資顧問)は、米国株式市場の投資可能な銘柄のほぼ100%をカバーした「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
ベンチマークの指数は米国の大型株から小型株まで3,513銘柄を組み入れています(2019年12月末現在)。
「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)」を実質的な投資対象にしています。
運用管理費用は年率で税込0.162%程度(税込0.132% + 0.03%程度)です。
CRSP USトータル・マーケット・インデックス 2019年12月末現在 |
『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』(楽天投信投資顧問)は、日本を含む世界の株式市場を対象にした「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
ベンチマークの指数は先進国と新興国合わせて49ヵ国の大型株から小型株まで8,872銘柄を組み入れています(2019年12月末現在)。
運用管理費用は年率で税込0.222%程度(税込0.132% + 0.09%程度)です。
2019年12月26日付で「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)」などバンガード社のETFの経費率改定が発表されています(0.09% → 0.08%)。
・Expense ratio cuts on 56 Vanguard funds mean more savings for you
上記ETFを実質的な投資対象にしている『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』の運用管理費用にも反映されるはずです(税込0.222%程度 → 税込0.212%程度)。
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス 業種別構成比と国・地域別構成比 2019年12月末現在 |
今回、取り上げた投資信託は、原則として為替変動リスクを回避するための為替ヘッジは行いません。信託期間は、すべて無期限です。
先進国株式・米国株式・全世界株式の実質コスト
少数第3位未満は四捨五入しています |
運用管理費用(信託報酬)以外に売買委託手数料や有価証券取引税、その他費用(保管費用、監査費用等)を含めたものが実質コストになります。
上記の数字は最新の信託報酬率を適用した推計による概算値であることに注意してください。
『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』の実質コスト(年率 0.162%)は、第6期(2018年11月21日~2019年11月20日)の運用報告書の1万口当たりの費用明細に2020年2月21日引き下げ後の信託報酬率を当てはめています。
信託報酬以外の諸経費 0.060% + 信託報酬 0.102% = 0.162%
『楽天・全米株式インデックス・ファンド』の実質コスト(年率 0.225%)は、第2期(2018年7月18日~2019年7月16日)の運用報告書の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年相当に改めて、現時点の投資信託の信託報酬と実質的な投資対象である投資信託証券の報酬(0.03%)を加えています。
信託報酬以外の諸経費 0.063% ×(365日 ÷ 第2期の日数 364日)+ 投資信託の信託報酬 0.132% + 投資信託証券の報酬 0.030% = 0.225%
『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』の実質コスト(年率 0.291%)は、第2期(2018年7月18日~2019年7月16日)の運用報告書の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年相当に改めて、現時点の信託報酬と実質的な投資対象である投資信託証券の報酬(0.08%)を加えています。
信託報酬以外の諸経費 0.079% ×(365日 ÷ 第2期の日数 364日)+ 信託報酬 0.132% + 投資信託証券の報酬 0.080% = 0.291%
先進国株式・米国株式・全世界株式の運用実績
下記のチャートは、後発の『楽天・バンガード・ファンド』設定来2年4ヵ月弱の期間(2017年9月29日~2020年1月22日)で基準価額の推移を比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
基準価額の推移 2017年9月29日~2020年1月22日 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
騰落率の比較は下の表の通りです(2020年1月22日現在)。
調整局面の下落率は2018年10月4日~同年12月25日の数字、設定来騰落率は2年4ヵ月弱の数字です。
2020年1月22日現在 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
先日、公表されたIMF(国際通貨基金)の「世界経済見通し(2020年1月改訂)」では2019年10月の見通しから下方修正があったものの、世界経済成長率は2019年の推計2.9%から2020年の3.3%、2021年の3.4%へと上昇すると予測されています。
・IMF世界経済見通し、数字の改善にも慎重姿勢(ピクテ投信投資顧問)
ただ、地政学リスクや貿易摩擦の再燃など下振れリスクも依然として高く、先行きに慎重な姿勢をにじませています。気候変動による大規模災害も懸念材料の一つに数えられています。
アメリカの成長率が2019年の2.3%から2020年には2%に、2021年にはさらに1.7%へと低下すると見込まれているのは気になるところかもしれませんね。
先進国株式・米国株式・全世界株式の積立投資の成績
つみたてNISAのスタートした2018年1月から毎月1日を積立日に設定しています(約定日は翌営業日)。1日が休日の場合は後ずれします。先進国株式インデックスファンド
過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
米国株式インデックスファンド
過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
全世界株式インデックスファンド
過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
つみたてNISAのスタートした2018年1月から2年強の積立投資(毎月1万円)の評価額は、2020年1月22日現在、25万円の投資額に対して下記の通りです。
『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』
291,457円(+16.58%)
『楽天・全米株式インデックス・ファンド』
296,566円(+18.63%)
『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』
284,856円(+13.94%)
直近は好調な株式市場ですが、世界最大級の運用会社バンガードは貿易摩擦や地政学リスクなどの不透明感は今後も続くと見ており、周期的なボラティリティの上昇を予想しています。
・2020年の経済および市場見通し:新たな不透明性の時代(バンガード)
預貯金等の安全資産をきちんと確保して堅実な運用を心がけたいですね。
・資産「2000万円」づくり 手堅い投信の長期積み立て(NIKKEI STYLE マネー研究所)
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