『楽天・全米株式インデックス・ファンド』の純資産総額が900億円を超え、『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』の純資産総額も370億円を超えています(2020年2月21日現在)。
人気ファンドの実質コストや運用実績、積立投資の成績をライバルと比較してみました。
比較の対象は『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』と『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』です。
米国株式および全世界株式インデックスファンドの特徴
米国株式インデックスファンドの特徴
『楽天・全米株式インデックス・ファンド』(楽天投信投資顧問)は、米国株式市場の投資可能な銘柄のほぼ100%をカバーした「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。運用管理費用(年率)は税込0.162%程度です。
ベンチマークの指数は米国の大型株・中型株・小型株3,495銘柄を組み入れています(2020年1月末現在)。
CRSP USトータル・マーケット・インデックス 業種別構成比 2020年1月末現在 |
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』(三菱UFJ国際投信)は、米国株式市場の時価総額のおよそ8割を占める大型株約500銘柄を対象とした「S&P500指数」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
ベンチマークの指数は米国の大型株505銘柄を組み入れています(2020年1月末現在)。
運用管理費用(年率)は税込0.0968%以内です。
S&P500指数 業種別構成比 2020年1月末現在 |
全世界株式インデックスファンドの特徴
『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』(楽天投信投資顧問)は、日本を含む世界の株式市場を対象にした「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。運用管理費用(年率)は税込0.222%程度です。実質的な投資対象である、下記の経費率改定を反映するなら、税込0.212%程度になります。
2019年12月26日付で「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」(VT)などバンガード社のETFの経費率改定が発表されています(0.09% → 0.08%)。
・Expense ratio cuts on 56 Vanguard funds mean more savings for you
ベンチマークの指数は日本を含む先進国と新興国を合わせた49ヵ国の大型株・中型株・小型株8,853銘柄を組み入れています(2020年1月末現在)。全世界の投資可能な市場時価総額の98%以上をカバーしています。
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス 業種別構成比と国・地域別構成比 2020年1月末現在 |
『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』(三菱UFJ国際投信)は、日本を含む世界の株式市場を対象にした「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(年率)は税込0.1144%以内です。
ベンチマークの指数は、日本を含む先進国と新興国合せて49ヵ国の大型株と中型株3,046銘柄を組み入れています(2020年1月末現在)。全世界の投資可能な市場時価総額のおよそ85%をカバーしています。
MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス 業種別構成比と国・地域別構成比 2020年1月末現在 |
今回、取り上げた投資信託は、原則として為替リスクを回避するための為替ヘッジを行いません。信託期間は、すべて無期限です。
米国株式および全世界株式インデックスファンドの実質コスト
少数第3位未満は四捨五入しています |
運用管理費用(信託報酬)以外に売買委託手数料や有価証券取引税、その他費用(保管費用、監査費用等)を含めたものが実質コストになります。
上記の数字は推計による概算値であることに注意してください。
米国株式インデックスファンドの実質コストの計算式
『楽天・全米株式インデックス・ファンド』の実質コスト(年率 0.225%)は、第2期(2018年7月18日~2019年7月16日)の運用報告書の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年相当に改めて、現時点の投資信託の信託報酬と実質的な投資対象である投資信託証券の報酬(VTI 経費率0.03%)を加えています。信託報酬以外の諸経費 0.063% ×(365日 ÷ 第2期の日数 364日)+ 投資信託の信託報酬 0.132% + VTIの経費 0.030% = 0.225%
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』の実質コスト(年率 0.177%)は、第1期(2018年7月3日~2019年4月25日)の運用報告書の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年(365日)相当に改めて、現時点の信託報酬率を当てはめています。
信託報酬以外の諸経費 0.065% ×(365日 ÷ 第1期の日数 297日)+ 信託報酬 0.097% (※)= 0.177%
※受益者還元型の信託報酬は純資産総額618.21億円で計算(500億円未満の部分 税込0.0968%、500億円以上1,000億円未満の部分 税込0.09625%)
全世界株式インデックスファンドの実質コストの計算式
『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』の実質コスト(年率 0.291%)は、第2期(2018年7月18日~2019年7月16日)の運用報告書の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年(365日)相当に改めて、現時点の信託報酬と実質的な投資対象である投資信託証券の報酬(VT 経費率0.08%)を加えています。信託報酬以外の諸経費 0.079% ×(365日 ÷ 第2期の日数 364日)+ 信託報酬 0.132% + VTの経費 0.080% = 0.291%
『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』の実質コスト(年率 0.211%)は、第1期(2018年10月31日~2019年4月25日)の運用報告書の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年相当に改めて、現時点の信託報酬率を当てはめています。
信託報酬以外の諸経費 0.047% ×(365日 ÷ 第1期の日数 177日)+ 信託報酬 0.114% = 0.211%
米国株式および全世界株式インデックスファンドの運用実績
米国株式および全世界株式インデックスファンドの基準価額の推移(チャート)
下のチャートは最後発の『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』設定来1年4ヵ月弱の期間(2018年10月31日~2020年2月21日)で基準価額の推移を比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
基準価額の推移 2018年10月31日~2020年2月21日 過去の実績は将来を保証するものではありません |
米国株式および全世界株式インデックスファンドの騰落率
騰落率の比較は下の表の通りです(2020年2月21日現在)。調整局面の下落率は2018年12月4日~同年12月25日の数字、設定来騰落率は1年4ヵ月弱の数字です。
2020年2月21日現在 過去の実績は将来を保証するものではありません |
景気後退懸念などにより小型株がさえなかったこともあり、上記の期間では『楽天・全米株式インデックス・ファンド』と『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』はライバルに若干劣後しています。
新型肺炎の世界経済への影響が明らかになるにつれて、また株式市場が動揺する場面も出てきそうですよね。
・企業活動への影響は? 新型肺炎(日本経済新聞)
・新型コロナウイルスの感染拡大でも米国株が最高値を更新したワケ(ピクテ投信投資顧問)
米国株式および全世界株式インデックスファンドの純資産総額の推移
『楽天・全米株式インデックス・ファンド』(2017年9月29日設定)と『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』(2018年7月3日設定)の純資産総額の推移は下のグラフの通りです。純資産総額の推移 2017年9月29日~2020年2月21日 |
『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』(2017年9月29日設定)と『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』(2018年10月31日設定)の純資産総額の推移は下のグラフの通りです。
純資産総額の推移 2017年9月29日~2020年2月21日 |
運用管理費用の積極的な引き下げも功を奏してか、後発の『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』と『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』も順調に純資産総額を伸ばしています。
米国株式および全世界株式インデックスファンドの積立投資の成績
2019年1月から、毎月1日を積立日に設定しています(約定日は翌営業日)。1日が休業日の場合は後ずれします。
米国株式インデックスファンドの積立投資の成績
過去の実績は将来を保証するものではありません |
全世界株式インデックスファンドの積立投資の成績
過去の実績は将来を保証するものではありません |
2019年1月から1年強の積立投資(毎月1万円)の評価額は、2020年2月21日現在、14万円の投資額に対して以下の通りです。
『楽天・全米株式インデックス・ファンド』
167,717円(+19.80%)
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』
168,311円(+20.22%)
『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』
161,655円(+15.47%)
『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』
162,446円(+16.03%)
積立投資については下の記事も参考になると思います。
・資産「2000万円」づくり 手堅い投信の長期積み立て(NIKKEI STYLE)
・積立投資を学ぶ(大和投資信託)
おすすめ記事
米国株式を対象にしたアクティブファンドとインデックスファンドの比較は下の記事を参考にしてください。・アクティブ『農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね』『フィデリティ・米国優良株・ファンド』VS.パッシブ『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』『楽天・全米株式インデックス・ファンド』組入銘柄や運用実績を比較・評価
全世界株式インデックスファンドとバランスファンドの比較については下の記事を参考にしてください。
・『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』『同(除く日本)』『同 バランス(8資産均等型)』『世界経済インデックスファンド』運用実績とリターン・リスク水準を比較・評価 株式だけの分散で大丈夫?
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