信託報酬率の引き下げが発表された(PDF)『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』の実質コストや運用実績、積立投資の成績をライバルの『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』や『たわらノーロード 先進国株式』と比較してみました。
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス |
インデックスファンドの低コスト競争が進む中、野村アセットマネジメントは当初10年間に限り信託報酬が0%という『野村スリーゼロ先進国株式投信』を2020年3月に設定する予定だそうです(2031年以降は税抜0.1%以内)。
・野村アセット執行役員、信託報酬ゼロ投信「証券人口を増やすプロジェクト」(日本経済新聞)
・国内初の信託報酬ゼロ投信 野村、つみたてNISA向け 当初10年間(日本経済新聞)
先進国株式インデックスファンドの特徴
『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』(三菱UFJ国際投信)、『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』(ニッセイAM)、『たわらノーロード 先進国株式』(アセマネOne)は、日本を除く先進国の株式市場を対象にした「MSCIコクサイ・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。ベンチマークの指数は北米、欧州、アジア・オセアニア、中東の22ヵ国の大型株と中型株1,321銘柄で構成されています(2020年1月末現在)。
2020年1月末現在 |
先進国株式(MSCIコクサイ・インデックス) 業種別構成比と国・地域別構成比 2020年1月末現在 |
今回、取り上げた投資信託は、原則として為替変動リスクを回避するための為替ヘッジは行いません。信託期間は、すべて無期限です。
先進国株式インデックスファンドの実質コスト
少数第3位未満は四捨五入しています |
運用管理費用(信託報酬)以外に売買委託手数料や有価証券取引税、その他費用(保管費用、監査費用等)を含めたものが実質コストになります。
上記の数字は推計による概算値であることに注意してください。
『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』の実質コスト(年率 0.178%)は第2期(2018年4月26日~2019年4月25日)の運用報告書(PDF)の1万口当たりの費用明細に2020年3月17日引き下げ後の信託報酬率を当てはめています。
信託報酬以外の諸経費 0.076% + 信託報酬 0.10161%(※)= 0.178%(少数第3位未満 四捨五入)
※受益者還元型の信託報酬は純資産総額840.49億円で計算(500億円未満の部分 税込0.10230%、500億円以上1,000億円未満の部分 税込0.100595%)
『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』の実質コスト(年率 0.162%)は、第6期(2018年11月21日~2019年11月20日)の運用報告書(PDF)の1万口当たりの費用明細に現時点の信託報酬率を当てはめています。
信託報酬以外の諸経費 0.060% + 信託報酬 0.10230% = 0.162%(少数第3位未満 四捨五入)
『たわらノーロード 先進国株式』の実質コスト(年率 0.157%)は、第4期(2018年10月13日~2019年10月15日)の運用報告書(PDF)の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年(365日)相当に改めて、現時点の信託報酬率を当てはめています。
信託報酬以外の諸経費 0.048% ×(365日 ÷ 第4期の日数 368日) + 信託報酬 0.10989% = 0.157%(少数第3位未満 四捨五入)
先進国株式インデックスファンドの運用実績
下のチャートは、『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』設定来3年弱の基準価額の推移(2017年2月27日~2020年2月25日)をライバルと比べたものです。起点の基準価額を1万円に統一しています。ほぼ重なっています。
基準価額の推移 2017年2月27日~2020年2月25日 過去の実績は将来を保証するものではありません |
騰落率の比較は下の表の通りです(2020年2月25日)。
調整局面の下落率は2018年10月4日~同年12月25日の数字、設定来騰落率は3年弱の数字です。
2020年2月25日現在 過去の実績は将来を保証するものではありません |
おおむね、信託報酬率の引き下げに積極的だったファンドほど成績が上向いています。
ただ、野村のような期間限定の例外的なケースを別にすれば、さすがにもうそろそろ限界が近いのか『eMAXIS Slim』シリーズの追随値下げのスピードも鈍ってきていますね。
・止まらない投信安売り競争 投資家に思わぬしわ寄せも(NIKKEI STYLE)
先進国株式インデックスファンドの積立投資の成績
つみたてNISAのスタートした2018年1月から毎月1日を積立日に設定しています(約定日は翌営業日)。1日が休日の場合は後ずれします。eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
過去の実績は将来を保証するものではありません |
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
過去の実績は将来を保証するものではありません |
たわらノーロード 先進国株式
過去の実績は将来を保証するものではありません |
つみたてNISAの始まった2018年1月から2年強の積立投資(毎月1万円)の評価額は、2020年2月25日現在、26万円の投資額に対して下記の通りです。
『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』
295,281円(+13.57%)
『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』
295,123円(+13.51%)
『たわらノーロード 先進国株式』
294,993円(+13.46%)
直近の株式市場は荒れ模様ですが、長期運用のインデックス投資なら、あわてて売らない(ゴールは数十年先)、あわてて買わない(低迷が意外と長引く可能性も?)のも大事でしょうね。
無理に追加投資をしなくても、定額の積立投資なら基準価額が下がっているときには買える口数が増えます。
出典:金融庁「つみたてNISA早わかりガイドブック」 4ページより |
・波乱相場こそ 長期積み立て投資が強みを発揮(NIKKEI STYLE)
・積立投資を学ぶ(大和投資信託)
『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』と米国株式および全世界株式インデックスファンドやバランスファンド(8資産均等型)の比較は下の記事を参考にしてください。
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