『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』と『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』に半分ずつ投資した場合の運用実績を確認してみました。
どちらも、つみたてNISA対象商品です。つみたてNISAについては金融庁のリーフレット(PDF)や「つみたてNISA早わかりガイドブック」(WEB)がわかりやすいです。
先進国株式および新興国株式インデックスファンドの特徴
『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』(三菱UFJ国際投信)は、日本を除く先進国の株式市場を対象にした「MSCI コクサイ・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。2020年1月末月報より |
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス 国・地域別構成比 2020年1月末月報より |
『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』(三菱UFJ国際投信)は、新興国の株式市場を対象にした「MSCI エマージング・マーケット・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
2020年1月末月報より |
eMAXIS Slim 新興国株式インデックス 国・地域別構成比 2020年1月末月報より |
今回、取り上げた投資信託は原則として為替ヘッジを行いません。信託期間は、どちらも無期限です。
先進国株式および新興国株式インデックスファンドの運用実績
下のチャートは、後発の『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』設定来およそ2年7ヵ月弱の期間(2017年7月31日~2020年2月21日)で基準価額の推移を比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
「先進国株式 50%:新興国株式 50%」は『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』と『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』に半分ずつ投資した場合の成績です。
基準価額の推移 2017年7月31日~2020年2月21日 過去の実績は将来を保証するものではありません |
騰落率の比較は下の表の通りです(2020年2月21日現在)。
設定来騰落率は2年7ヵ月弱の数字です。
2020年2月21日現在 過去の実績は将来を保証するものではありません |
米中貿易摩擦や新型肺炎の影響もあり、直近は先進国株式に対し新興国株式の出遅れが目立っています。
国際通貨基金(IMF)は新型肺炎の感染拡大により2020年の中国の国内総生産(GDP)成長率予測を下方修正しています(6.0% → 5.6%)。
・IMF、中国成長5.6%予測 新型肺炎で下方修正(日本経済新聞)
世界経済の成長率は新興国を牽引役に2019年の2.9%から2020年は3.3%へと回復を見込んでいましたが(IMF世界経済見通し 2020年1月改訂)、2020年の予測を0.1ポイント下方修正しています(3.3% → 3.2%)。
ピクテ投信投資顧問は新型肺炎が中国経済に打撃を与えているのは間違いないものの、貿易摩擦の緩和や当局の政策などが中国の経済成長を下支えするのではないかと見ているようです。
・中国、10のポイント(ピクテ投信投資顧問)
市場の調整は中長期に投資のチャンスとの見方も。
・新型肺炎の感染拡大、新興国の中でもアジア(除く日本)株式への影響は?(ピクテ投信投資顧問)
『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』は信託報酬率のさらなる引き下げが行われました(2020年2月26日追記)。
・信託報酬引き下げ!『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』ニッセイやたわらと実質コスト、運用実績、積立投資の成績を比較・評価 野村から信託報酬ゼロの投信も!
先進国株式および新興国株式インデックスファンドの積立投資の成績
つみたてNISAのスタートした2018年1月から、毎月1日を積立日に設定しています(約定日は翌営業日)。1日が休業日の場合は後ずれします。
過去の実績は将来を保証するものではありません |
つみたてNISAの始まった2018年1月から2年強の積立投資(毎月1万円)の評価額は、2020年2月21日現在、26万円の投資額に対して以下の通りです。
『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』
311,163円(+19.68%)
『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』
277,944円(+6.90%)
両者に半分ずつ投資した場合
294,553円(+13.29%)
積立投資については下の記事も参考になると思います。
・資産「2000万円」づくり 手堅い投信の長期積み立て(NIKKEI STYLE)
・積立投資を学ぶ(大和投資信託)
先進国株式と新興国株式 まとめ
新興国の比率は2018年のGDP総額比では世界全体の4割ほどですが、株式市場の時価総額比だと1割前後にとどまります。新興国株式市場の成長を先取りしたいなら、先進国株式と新興国株式半分ずつという大胆な資産配分も面白いかもしれませんね。
ただし、新興国資産は投資資金の流出入にともなって値動きが激しくなりがちですから、新興国の比重を高めにするなら預貯金等の安全資産を厚めに持っておきたいです。
○は年間リターンの平均値 過去のデータは将来を保証するものではありません 野村AM「投信アシスト」より |
世界的な金融危機であるリーマン・ショックを含む2003年3月31日から2020年1月31日までの任意の連続1年間で騰落率のうち最大の騰落率を「最大上昇時」、同じく最小の騰落率を「最大下落時」としています。○は年間リターンの平均値です。
売買手数料、税金等の費用は考慮していません。過去の指数データは将来の運用成績を保証するものではありません。
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先進国の株式と債券に半分ずつ投資した場合の運用実績は下の記事を参考にしてください。・債券で値動きをマイルドに『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』『同 先進国債券インデックス』半分ずつ投資した実績を評価
米国株式と全世界株式に半分ずつ投資した場合の運用実績は下の記事を参考にしてください。
・半分ずつ投資した実績は?『楽天・全米株式インデックス・ファンド』『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』
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