第3期運用報告書(PDF)の公表された『iFree NYダウ・インデックス』の実質コストや運用実績を米国株式インデックスファンドのライバルと比較してみました。
比較の対象は『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』と『楽天・全米株式インデックス・ファンド』です。
iFree NYダウほか米国株式インデックスファンドの特徴
『iFree NYダウ・インデックス』(大和投資信託)は、米国を代表する優良30銘柄を対象とした「ダウ・ジョーンズ工業株価平均(NYダウ)」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。投資信託を保有中の運用管理費用(信託報酬)は税込0.2475%です。
ダウ・ジョーンズ工業株価平均(NYダウ) 業種別構成比 2019年10月末現在 |
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』(三菱UFJ国際投信)は、米国株式市場の時価総額のおよそ8割を占める大型株約500銘柄を対象とした「S&P500指数」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(信託報酬)は2019年11月12日より税込0.165%から税込0.0968%に引き下げられる予定です(PDF)。
S&P500指数 業種別構成比 2019年10月末現在 |
『楽天・全米株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式))』(楽天投信投資顧問)は、米国株式市場の投資可能な銘柄のほぼ100%をカバーした「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(信託報酬)は税込0.162%程度(投資信託の信託報酬 税込0.132% + 実質的な投資対象の投資信託証券の報酬 0.03%程度)です。
CRSP USトータル・マーケット・インデックス 業種別構成比 2019年9月末現在 |
今回、取り上げる投資信託は原則として為替ヘッジは行いません。信託期間は無期限です。
iFree NYダウほか米国株式インデックスファンドの実質コスト
少数第3位未満は四捨五入しています |
運用管理費用(信託報酬)以外に売買委託手数料や有価証券取引税、その他費用(保管費用、監査費用等)を含めたものが実質コストになります。上記の数字は推計による概算値であることに注意してください。
『iFree NYダウ・インデックス』の実質コスト(年率 0.278%)は、第3期(2018年9月8日~2019年9月9日)の運用報告書の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年(365日)相当に改めて、現時点の信託報酬率を当てはめています。
1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費 0.031% × (365日 ÷ 第3期の日数 367日)+ 信託報酬 0.2475% = 0.278%
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』の実質コスト(年率 0.177%)は、第1期(2018年7月3日~2019年4月25日)の運用報告書の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年(365日)相当に改めて、2019年11月12日引き下げ後の信託報酬率を当てはめています。
1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費 0.065% × (365日 ÷ 第1期の日数 297日)+ 信託報酬 0.0968% = 0.177%
『楽天・全米株式インデックス・ファンド』の実質コスト(年率 0.225%)は、第2期(2018年7月18日~2019年7月16日)の運用報告書の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年相当に改めて、現時点での投資信託の信託報酬と実質的な投資対象である投資信託証券の報酬(VTI 経費率0.03%)を加えています。
1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費 0.063% ×(365日 ÷ 第2期の日数 364日)+ 投資信託の信託報酬 0.132% + VTIの経費 0.03% = 0.225%
iFree NYダウほか米国株式インデックスファンドの運用実績
下のチャートは、過去1年間の基準価額の推移(2018年11月2日~2019年11月1日)を比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。米中貿易摩擦や景気減速懸念などにより株価の変動が激しくなっていて、投資信託の基準価額の変動幅も大きくなっています。
基準価額の推移 2018年11月2日~2019年11月1日 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
騰落率の比較は下の表の通りです(2019年11月1日現在)。下落率は2018年11月9日~同年12月25日の数字、上昇率は2018年12月25日~2019年11月1日の数字です。
2019年11月1日現在 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
組入比率1位(9.5%※)のボーイングの株価が事故の影響でさえないこともあってか、上記の期間では『iFree NYダウ・インデックス』は米国株式インデックスファンドのライバルに劣後しています。※2019年9月末月報より
米国を代表する30社を投資対象にした『iFree NYダウ・インデックス』は銘柄数が絞り込まれている分、『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』(約500銘柄)や『楽天・全米株式インデックス・ファンド』(約3,500銘柄)に比べ、個別銘柄の影響を受けやすい点には注意が必要かもしれませんね。
もう少し長期でのNYダウ連動型とS&P500指数連動型の比較は、下の記事を参考にしてください。
・【インデックス投資】米国株式のS&P500指数連動型とNYダウ連動型の運用実績を比較・評価
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より幅広い米国株式インデックスファンドの運用実績の比較は下の記事を参考にしてください。・『楽天・全米株式インデックス・ファンド』楽天・米国高配当株式、iFree S&P500/NYダウ、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)、iFreeNEXT NASDAQ100/FANG+、SMT 米国株配当貴族と実績比較
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