米国株式インデックスファンドのうち、「S&P500指数」に連動する投資成果をめざすファンドと、「NYダウ(ダウ・ジョーンズ工業株価平均)」に連動する投資成果をめざすファンドの特徴と運用成績を比べてみました。
今回、取り上げたファンドの中で「S&P500指数」に連動するのは『iシェアーズ 米国株式インデックス・ファンド』と『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』です。
「NYダウ」に連動するのは『eMAXIS NYダウインデックス』と『iFree NYダウ・インデックス』です。
参考までに先進国株式インデックスファンドである『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』も比較の対象に加えてみました。
米国株式インデックスファンド(S&P500・NYダウ)ほか特徴
『iシェアーズ 米国株式インデックス・ファンド』(ブラックロック)と『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』(三菱UFJ国際投信)は、米国株式市場の時価総額のうち約8割を占める大型株約500銘柄を対象とした「S&P500指数」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。投資信託を保有中の運用管理費用(年率)は『iシェアーズ 米国株式インデックス・ファンド』が税抜0.375%程度、『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』が税抜0.150%です。
2019年8月末月報より |
『eMAXIS NYダウインデックス』(三菱UFJ国際投信)と『iFree NYダウ・インデックス』(大和投資信託)は、米国を代表する優良30銘柄を対象とした「NYダウ(ダウ・ジョーンズ工業株価平均)」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(年率)は『eMAXIS NYダウインデックス』が税抜0.600%、『iFree NYダウ・インデックス』が税抜0.225%です。
2019年9月末月報より |
『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』(ニッセイAM)は、日本を除く先進国の株式市場を対象にした「MSCIコクサイ・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(年率)は税抜0.0999%です。
2019年8月末月報より |
2019年8月末月報より |
今回、取り上げた投資信託は原則として為替ヘッジを行いません。信託期間はすべて無期限です。
米国株式インデックスファンド(S&P500・NYダウ)ほか運用実績
下のチャートは「S&P500指数」連動型、「NYダウ」連動型、先進国株式それぞれのインデックスファンドの過去5年間(2014年10月14日~2019年10月10日)の基準価額の推移を比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
基準価額の推移 2014年10月14日~2019年10月10日 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
騰落率の比較は下の表の通りです(2019年10月10日現在)。
調整局面での下落率は2018年10月4日~同年12月25日の数字です。
2019年10月10日現在 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
指数の算出方法の違いにより「S&P500指数」連動型は時価総額の大きな銘柄の影響を受けやすく、「NYダウ」連動型は株価の高い値がさ株の影響を受けやすいと言われています。
また「NYダウ」連動型は組入銘柄数が30銘柄と少ないので特定の銘柄の値動きに左右されがちという面もあるようです。
「S&P500指数」連動型の『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』が2019年9月26日に設定されました。運用管理費用の実質的な負担は税抜0.058%+0.03%程度です。
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』の対抗引き下げにも期待しています。運用管理費用の低廉さでは「S&P500指数」連動型が一歩リードしています。
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』や『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』はつみたてNISA対象商品ですが、「NYダウ」連動型でつみたてNISAに対応しているのは、今のところ、若干割高な『eMAXIS NYダウインデックス』のみとなっています。
・NYダウ、S&P500指数…米国株式に投資するならどれを選ぶ?(幻冬舎)
より長期での比較(米ドルベース)は上の記事を参考にしてください。
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