信託報酬率の引き下げ(PDF)が発表された『eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)』の実質コストと運用実績を競合と比較してみました。
比較の対象は『<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド』と『ひふみプラス』です。
『eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)』の信託報酬率は2019年5月14日より税抜0.155%(税込0.1674%)以内から税抜0.140%(税込1512%)以内へ変更されます。
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)ほか特徴
『eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)』と『<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド』は、東京証券取引所の第一部に上場されている全銘柄を対象にした「東証株価指数(TOPIX)」に連動する投資成果をめざします。2019年3月末月報より |
『ひふみプラス』は、長期的な将来価値に対して市場価値が割安と考えられる成長企業に選別投資します。直販の『ひふみ投信』と同じマザーファンドを通じて運用されています。
2019年3月末月報より |
今回、取り上げた投資信託の信託期間は無期限です。
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)ほか実質コスト
項目ごとに小数第3位未満は四捨五入 |
上記は運用報告書から1万口当たりの費用明細を抜粋したものです。
『eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)』は、第1期(2017年2月27日~2018年4月25日)の1万口当たりの費用明細を1年相当に改めて、2019年5月14日変更予定の信託報酬率を当てはめています。
『<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド』は、第4期(2018年2月21日~2019年2月20日)の1万口当たりの費用明細に2019年2月21日変更後の監査費用を当てはめています。
『ひふみプラス』は、第7期(2017年10月3日~2018年10月1日)の1万口当たりの費用明細を1年相当に改めています。
『ひふみプラス』の1万口当たりの費用明細には純資産総額に応じた信託報酬の逓減(下限0.8424%)が反映されていないので実際にはもう少し実質コストは下がるはずですが、インデックスファンドに比べれば割高なのは否めないでしょうか。
・ひふみプラス 運用報告書に純資産総額に応じた信託報酬の逓減が反映されていない件について問い合わせてみました
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)ほか運用実績
下のグラフは、『eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)』設定来(2017年2月27日~2019年4月19日)で基準価額の推移を比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。『<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド』は『eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)』の陰に隠れています。
基準価額の推移 2017年2月27日~2019年4月19日 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
騰落率の比較は下の表の通りです(2019年4月19日現在)。特定期間の下落率は2018年10月2日~2018年12月25日の数字、上昇率は2018年12月25日~2019年4月19日の数字です。
2019年4月19日現在 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
『eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)』と『<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド』の騰落率が僅差な一方で、中小型株が過半数を占める『ひふみプラス』は良くも悪くも値動きが大きいですね。
まとめ
『eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)』の信託報酬(運用管理費用)は2019年5月14日より税抜0.140%以内(年率)へ引き下げられます。純資産総額に応じて500億円未満の部分は税抜0.140%、500億円以上1,000億円未満の部分は税抜0.135%、1,000億円以上の部分は0.130%となります。
『<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド』の信託報酬も税抜0.159%と低廉ですが、三菱UFJ国際投信の『eMAXIS Slim』シリーズのほうがより機動的にライバルに対抗している印象を受けます。
アクティブファンドの『ひふみプラス』はコストは高めですが、厳選された銘柄に投資したいというニーズもあるかもしれないですね。成長期待が大きい反面、値動きの激しさには注意が必要でしょうか。
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