おおむね時価総額比にならったポートフォリオ(日本株10%:外国株90%)と単純に国内外半分ずつのポートフォリオ(日本株50%:外国株50%)、両者の運用実績を比較してみました。
またそれぞれのリターンとリスクの特性も比べてみました。
日本株と外国株を対象にしたインデックスファンドの特徴は?
『eMAXIS TOPIXインデックス』(三菱UFJ国際投信)は、東京証券取引所第一部に上場されている全銘柄を対象にした「TOPIX(東証株価指数)」に連動する投資成果をめざします。ベンチマークの指数は2,152銘柄を組み入れています(2019年10月末現在)。
TOPIX(東証株価指数) 業種別構成比 2019年10月末現在 |
『eMAXIS 先進国株式インデックス』(三菱UFJ国際投信)は、日本を除く先進国の株式市場を対象にした「MSCIコクサイ インデックス」(円換算ベース・為替ヘッジなし)に連動する投資成果をめざします。
ベンチマークの指数は北米、欧州、アジア・オセアニア、中東の22ヵ国の大型株と中型株1,328銘柄を組み入れています(2019年10月末現在)。
MSCIコクサイ・インデックス 業種別構成比 2019年10月末現在 |
今回、取り上げた投資信託の信託期間は無期限です。
日本株と外国株の組み合わせによる運用実績は?
下のチャートは過去10年間の基準価額の推移(2009年10月末~2019年10月末)です。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
基準価額の推移(月末ベース) 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
2019年10月31日時点の騰落率の比較(月末ベース)は下の表の通りです。
2019年10月31日現在 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
先進国株式の7割近くをアメリカが占めるなど近年は米国株式が好調だったので、上記の期間では外国株の比率の高いポートフォリオ(日本株10%:外国株90%)のほうが優勢です。
・ピクテ投信投資顧問「barometer 2009年11月号」(PDF)
もっとも、ピクテの資産運用戦略レポートのように米国株式の割高感を懸念する声も根強いです。
日本株と外国株の組み合わせによるリターンとリスクの水準は?
下の表はリーマン・ショックを含む過去(2003年3月31日~2019年10月31日)の指数データを使ってリターン(投資収益率)とリスク(投資収益率のぶれ)の水準を試算したものです。リターンとリスクは年率 野村AM「投信アシスト」より 過去のデータは将来の成績を保証するものではありません |
時価総額比にならったポートフォリオ(日本株10%:外国株90%)よりも、単純に国内外半分ずつのポートフォリオ(日本株50%:外国株50%)のほうがリターンが控えめな代わりにリスクも若干小さくなっています。
下の図表は、各ポートフォリオの年間リターンを示しています。
○は年間リターンの平均値 野村AM「投信アシスト」より 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
2003年3月31日から2019年10月31日までの任意の連続1年間で騰落率のうち最大の騰落率を「最大上昇時」、同じく最小の騰落率を「最大下落時」としています。○は年間リターンの平均値です。
売買手数料、税金等の費用は考慮していません。過去のデータは将来の運用成績を保証するものではありません。
まとめ
少子高齢化の影響で日本株は悲観されがちということもあって、国内外のバランスには悩まされますよね。時価総額比にならったポートフォリオ(日本株10%:外国株90%)のほうが、国内外半分ずつの保守的なポートフォリオ(日本株50%:外国株50%)よりもリターンが高い可能性はありますが、その反面、リスクも高めなようです。
もし、外国株を中心にしたポートフォリオを組むのであれば、国内債券を厚めに持つなどの工夫が必要でしょうね。
・リターン・リスク比較「先進国株式80%:国内債券20%」「先進国株式50%:国内債券50%」「先進国株式20%:国内債券80%」
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