米国の大型株から小型株まで幅広くカバーする『楽天・全米株式インデックス・ファンド』(楽天投信投資顧問)の特徴と運用実績を先進国株式インデックスファンドと比較してみました。
比較の対象は『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』(三菱UFJ国際投信)です。
両者とも、つみたてNISA対象商品です。つみたてNISAについては金融庁のリーフレット(PDF)や「つみたてNISA早わかりガイドブック」(PDF)がわかりやすいです。
楽天・全米株式とeMAXIS Slim 先進国株式の特徴
『楽天・全米株式インデックス・ファンド』(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式))は、米国株式市場の投資可能な銘柄のほぼ100%をカバーした「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。2019年11月末現在(同年12月末月報より) |
『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』は、日本を除く主要先進国の株式市場を対象にした「MSCI コクサイ・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
ベンチマークの指数は北米、欧州、アジア・オセアニア、中東の22か国の大型株と中型株で構成されています。
2019年12月末月報より |
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス 2019年12月末月報より |
今回、取り上げた投資信託は、原則として為替リスクを軽減するための為替ヘッジを行いません。信託期間は、どちらも無期限です。
楽天・全米株式とeMAXIS Slim 先進国株式の実質コスト
少数第3位未満は四捨五入しています |
運用管理費用(信託報酬)以外に売買委託手数料や有価証券取引税、その他費用(保管費用、監査費用等)を含めたものが実質コストになります。
上記の数字は最新の信託報酬率を適用した推計による概算値であることに注意してください。
『楽天・全米株式インデックス・ファンド』の実質コスト(年率 0.225%)は、第2期(2018年7月18日~2019年7月16日)の運用報告書の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年相当に改めて、現時点の投資信託の信託報酬と実質的な投資対象である投資信託証券の報酬(0.03%)を加えています。
信託報酬以外の諸経費 0.063% ×(365日 ÷ 第2期の日数 364日)+ 投資信託の信託報酬 0.132% + 投資信託証券の報酬 0.030% = 0.225%
『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』の実質コスト(年率 0.181%)は、第2期(2018年4月26日~2019年4月25日)の運用報告書の1万口当たりの費用明細に2019年12月27日引き下げ後の信託報酬率を当てはめています。
信託報酬以外の諸経費 0.076% + 信託報酬 0.105%(※)= 0.181%
※受益者還元型の信託報酬は純資産総額812.63億円で計算(500億円未満の部分 税込0.10615%、500億円以上1,000億円未満の部分 税込0.10252%)
投資信託を100万円分保有していたとすると、単純計算で『楽天・全米株式インデックス・ファンド』は毎年およそ2,200円強の負担、『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』は毎年およそ1,800円強の負担です。
別途支払うものではなく、基準価額に反映されています。
楽天・全米株式とeMAXIS Slim 先進国株式の運用実績
下記のチャートは、『楽天・全米株式インデックス・ファンド』設定来2年4ヵ月弱の期間(2017年9月29日~2020年1月24日)で基準価額の推移を比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
基準価額の推移 2017年9月29日~2020年1月24日 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
騰落率の比較は下の表の通りです(2020年1月24日現在)。
調整局面の下落率は2018年10月4日~同年12月25日の数字、設定来騰落率は2年4ヵ月弱の数字です。
2020年1月24日現在 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
近年、米国の一人勝ちもささやかれるほど米国株式は好調でしたが、割高感や過熱感もたびたび指摘されています。
・2020年の投資環境見通し(ピクテ投信投資顧問)
・2020年の経済および市場見通し:新たな不透明性の時代(バンガード)
もっとも、将来の正確な予測は困難ですから、積立投資を始めたばかりであれば、一喜一憂せずにコツコツと積立を継続していくのが賢明でしょうか。
運用している資産がある程度まとまった金額になっていて、リスク資産が過大になっているのであれば、ポートフォリオの見直しも必要かもしれませんね。
積立投資の成績は下の記事をご覧ください。
・楽天・全米株式の純資産総額がスリム先進国株式を再び追い抜く 純資産800億円超の人気インデックスファンドの積立投資の成績は?
米国株式および先進国株式インデックスファンド まとめ
米国の株式市場を対象にした『楽天・全米株式インデックス・ファンド』に対し、『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』は主要先進国22ヵ国の株式市場をカバーしています。その一方で『楽天・全米株式インデックス・ファンド』は大型株から小型株まで網羅しており、銘柄数は『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』の約2.7倍にもなります。
国際的な競争力を持つ米国企業への期待感は大きいのか、後発の『楽天・全米株式インデックス・ファンド』の純資産総額も800億円を超え、『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』を再び追い抜いています(2020年1月24日現在)。
好調な成績を背景に近年は米国株式が人気ですが、地域分散や通貨分散の観点からは先進国株式インデックスファンドも手堅い選択肢でしょうね。
より幅広い資産に分散するなら、バランスファンドという選択肢もあります。
・IMFは米国経済の減速を予想 バランスファンドで弱気相場に備える? 米国株式や先進国株式インデックスファンドの一部を8資産均等型などのバランスと入れ替えるのはあり?
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米国株式と全世界株式の比較は下の記事を参考にしてください。・米国に投資する? 世界に分散する? 米国株式『VTI』と全世界株式『VT』の過去3年・5年・10年の年間平均リターンと将来見通し
先進国株式と全世界株式の比較は下の記事を参考にしてください。
・『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』つみたてNISA対象ファンド比較・評価
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