ニンジンは美味しそうだけど? |
分配金をもらったほうが儲かる?
「分配金のないインデックスファンドより分配金をいっぱい配ってる毎月分配型ファンドのほうが儲かりそうに見えるけど?」。確かに毎月分配金を出してるファンドのほうが分配金をほとんど出していないインデックスファンドより景気が良さそうに見えますね。
投資信託の売り上げの上位に入っているアメリカの不動産に投資するファンドだと基準価額が5,000円くらいで毎月100円の分配金を出しているようです。
もし、1年後も基準価額が変わらないとしたら分配金の配当利回りは年率24%(!)にもなります。すごい数字ですよね。
月次レポートを見ると
でも、月次レポートを見てみると、このファンドのお金を運用しているUSリート・マザーファンドの配当利回りは3%強しかなかったりします。アメリカの金融緩和を受けて2014年まで不動産は非常に好調で値上がりを続けていたので分配金をたくさん出すことができたのでしょうね。
でも、2014年に金融緩和が終了すると翌2015年からこのファンドの基準価額は大きく下落し続けていて、利益以上に分配金を配る、いわゆるタコ足配当になっているようです。
指数に連動するインデックスファンドも市況が不調な時は一緒に下落しますから毎月分配型ばかり責められないのですが、見かけ上の分配金の配当利回りが高くても必ずしも「儲かっている」と言えないことがわかると思います。
毎月分配型は購入時の手数料や毎年かかる信託報酬が高かったり、分配金を受け取ってそのままにしてしまうと運用に回されないなど難点もあります。
購買力の維持が目的なら
金融庁の「平成29年度税制改正要望項目」(PDF)の6ページ「積立NISA創設」に「国内外の株式・債券に分散投資した場合の収益率の分布」が載っています。20年の保有期間で投資収益率2~8%(年率)だそうです。100万円が20年後に185万円~321万円になるイメージですね。
今は低金利だけど昔は預貯金でそれぐらいの利率はあったとか、インフレを考慮するとトントンぐらいになりそうとかそんな感想を持たれた方もいらっしゃると思います。20年間、好景気と不景気の山と谷を乗り越えてもそれくらいなのかと。
でも大儲けはできないにせよ、今働いて稼いだお金の価値をそのまま未来に持ち越せると考えるなら、どうでしょうか。
将来にわたって購買力の維持を目的とするなら、内外の資産に低コストで少額から分散投資のできるインデックスファンドは、資産防衛の有力な手段として選択肢の一つにならないでしょうか。
追記
2014年12月にトータルリターン通知制度が導入され、最終的な利益がわかりやすくなりました。
トータルリターン=現在の評価金額+累計分配金額+累計換金額ー累計買付金額
投資信託の紹介で騰落率より分配金の金額の大きさや分配金の利回りの高さを強調しているところも、まだあるようです。
目先の数字だけでなく総合的な収益をちゃんと考えて判断したいですよね。
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2 件のコメント:
分配金ファンドって『インデックス投資をして勝手に売却をしてボッタくり手数料を取る』簡単なお仕事だと思っていましたw
そんな簡単なお仕事なら私もやりたいです、なんて冗談はともかく。例に挙げた毎月分配型ファンドもベンチマーク以上の利回りを目指すアクティブファンドですね。人のいい年配の方だと若い銀行員さんに勧められるまま購入していて分配金は気にしていても投資信託の投資先を把握していなかったり、話を聞くとびっくりします。いくら銀行とお付き合いがあるといっても、わからないものにお金を出したらダメだと思います。
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