成長企業に選別投資をする『ひふみプラス』の特徴と運用実績を国内株式および米国株式インデックスファンドと比較してみました。
人気アクティブファンドの実績は?
ひふみプラスと国内株式/米国株式インデックスファンドの特徴
『ひふみプラス』(レオス・キャピタルワークス)は、長期的な将来価値に対して、市場価値が割安と考えられる成長企業に投資します。直販のひふみ投信と同じマザーファンドを通じて運用されています。国内だけでなく海外の企業にも投資先を広げています。2022年6月末時点の海外株の比率は3.08%です。
・国内最大級のアクティブファンド「ひふみ投信」、海外株投資で飛躍するレオス・キャピタルワークス(モーニングスター)
運用管理費用(年率)は純資産総額500億円までは税込1.078%(税抜0.98%)、500億円を超える部分は税込0.968%(税抜0.88%)、1,000億円を超える部分は税込0.858%(税抜0.78%)です。
『eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)』(三菱UFJ国際投信)は、東証第1部上場のうち代表的な225銘柄を対象にした「日経平均株価(日経225)」に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(年率)は税込0.154%(税抜0.14%)以内です。
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』(三菱UFJ国際投信)は、米国株式市場の時価総額のおよそ8割を占める大型株約500銘柄を対象にした「S&P500指数」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(年率)は税込0.0968%(税抜0.088%)以内です。
今回、取り上げた投資信託は原則として外貨建資産の為替ヘッジは行いません。信託期間はすべて無期限です。
ひふみプラスと国内株式/米国株式の実績(チャートと騰落率)
下のチャートは後発の『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』設定来4年強の期間(2018年7月3日~2022年7月20日)で基準価額の推移を比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
騰落率の比較は下の表の通りです(2022年7月20日現在)。
コロナショック時の下落率は『ひふみプラス』は2020年1月14日~3月16日、『eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)』は同年1月20日~3月19日、『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』は同年2月21日~3月24日の数字、設定来の騰落率は4年強の数字です。
過去3年のリスク(リターンのばらつき)は『ひふみプラス』より『eMAXIS Slim 国内株式(日経平均』や『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』のほうが大きめでした。
ひふみプラス < eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)≦ eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
過去3年のシャープレシオ(リスク調整後のリターン)は『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』が優秀でした。
ひふみプラス < eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)< eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
コロナショックでは『ひふみプラス』のほうがインデックスファンドよりは下落率が控えめでした。日本経済新聞の記事によれば2020年2月下旬には「ひふみ投信マザーファンド」の現金比率を約30%に高めていたそうです。
・ウィズ・コロナ時代の投資戦略 藤野英人氏に聞く(日本経済新聞)
直近の2022年6月末時点でマザーファンドの現金等の比率は11.79%と比較的ディフェンシブに構えているようです。
ひふみアカデミーの動画(2022年6月度)では日銀の将来の政策転換も見据えつつインバウンドに対応すべく内需・バリューを増やす一方、海外の景気腰折れを懸念して外需・グロースの配分を減らしたと語っていました。
・割安さと成長持続性で銘柄選別(ひふみ投信・佐々木氏)(日本経済新聞)
国内の景気が回復しないとリターンを獲得するチャンスにも恵まれないという面もあるのかもしれませんが、最近の『ひふみプラス』の実績を見ると企業から直接ヒアリングしているプロが銘柄を選別しても結果を出すのは容易なことではないのだなと実感させられますね。
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