純資産総額が急成長中の人気ファンド『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』と『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』の運用実績を全世界株式インデックスファンドと比較してみました。
比較の対象は、投資信託1本で世界の株式に分散投資が可能な『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』です。
SBI・バンガード・S&P500、スリム米国株式/全世界株式の特徴
『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』(SBIアセットマネジメント)と『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』(三菱UFJ国際投信)は、米国株式市場の時価総額のおよそ8割を占める大型株約500銘柄を対象とした「S&P500指数」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。投資信託を保有中の運用管理費用(年率)は『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』が税込0.0938%程度、『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』が税込0.0968%以内です。
2020年7月末月報より |
『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』(三菱UFJ国際投信)は、日本を含む世界の株式を対象にした「MSCI ACWI(オール・カントリー・ワールド・インデックス)」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
投資信託を保有中の運用管理費用(年率)は税込0.1144%以内です。
2020年7月末月報より |
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 国・地域別構成比 2020年7月末月報より |
今回、取り上げた投資信託は原則として為替ヘッジを行いません。信託期間は無期限です。
SBI・バンガード、スリム米国株式/全世界株式の運用実績
下のチャートは後発の『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』設定来11ヵ月弱の期間で基準価額の推移(2019年9月26日~2020年8月19日)を比べたものです。起点の基準価額を1万円に統一しています。『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』は『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』の陰に隠れています。
基準価額の推移 2019年9月26日~2020年8月19日 過去の実績は将来を保証するものではありません |
下のチャートは『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』と『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』の基準価額のひらき具合(差額)を示しています。
コロナ・ショックによる急落があったためかブレが大きくなっている場面も見受けられます。
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』は2019年11月12日に信託報酬率の引き下げ(税込0.1650%以内 → 税込0.0968%以内)を行いました。
基準価額の差額 2019年9月26日~2020年8月19日 過去の実績は将来を保証するものではありません |
騰落率の比較は下の表の通りです(2020年8月19日現在)。
調整局面の上昇率は2020年3月24日~同年8月19日の数字、下落率は2020年2月21日~同年3月24日の数字、設定来騰落率は11ヵ月弱の数字です。
2020年8月19日現在 過去の実績は将来を保証するものではありません |
『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』の販売会社に初期のSBI証券のほかにauカブコム証券、SMBC日興証券、岡三オンライン証券、佐賀銀行、マネックス証券が追加されています。
近年は米国株式が好調ですが、長期での経済情勢の変化に対応しようとするなら王道の国際分散投資も魅力的かもしれませんね。
・米国株か?世界株か?(ピクテ投信)
長期投資を実践するのであれば、経済情勢の変化にも目を配る必要がある。しかし、10年を超える予測というものはほとんど当てにならないうえ、さらにバブルの「形成」と「崩壊」を見分けるのも至難の業だ。このため、はじめから決め打ちせず、先進国株と新興国株を含めた「世界株」に分散投資を行い、いずれ遭遇するであろうバブルの「形成」と「崩壊」に備えることが長期投資にとって重要ではなかろうか?
出典:米国株か?世界株か?(ピクテ投信) |
・米国株か?世界株か? PART 2(ピクテ投信)
バリュエーションや相関係数といった定量的な分析から、世界株の投資意義について検証する。結論から言えば、長期的な視点に立った世界株への分散投資は、定量的な観点からも正当化されるのではないかと考える。
資産運用には好不調の波がつきものですから、米国株式であれ世界株式であれマーケットが動揺しているときでも投資先を信じて運用を続けられるかという観点も大事でしょうね。
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