信託報酬率の引き下げが行われた『たわらノーロード 先進国株式』と『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』の運用実績をライバルと比較してみました。
『たわらノーロード 先進国株式』は2019年10月1日より税込0.22%から税込0.10989%へと引き下げられました(PDF)。
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』は2019年11月12日より税込0.165%以内から税込0.0968%以内へと引き下げられました(PDF)。
引き下げ後の運用実績は低廉なライバルに追いつくことができたでしょうか。
先進国株式および米国株式インデックスファンドの特徴
先進国株式インデックスファンド
『たわらノーロード 先進国株式』(アセマネOne)と『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』(三菱UFJ国際投信)は、日本を除く先進国の株式市場を対象にした「MSCIコクサイ・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。運用管理費用(年率)は前者が税込0.10989%、後者が税込0.10615%以内です。
ベンチマークの指数は北米、欧州、アジア・オセアニア、中東の22ヵ国の大型株と中型株1,321銘柄で構成されています(2020年1月末現在)。
MSCIコクサイ・インデックス 業種別構成比と国・地域別構成比 2020年1月末現在 |
米国株式インデックスファンド
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』(三菱UFJ国際投信)と『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』(SBIアセットマネジメント)は、米国株式市場の時価総額のおよそ8割を占める大型株約500銘柄を対象とした「S&P500指数」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。運用管理費用(年率)は前者が税込0.0968%以内、後者が税込0.0938%程度です。
S&P500指数 業種別構成比 2020年1月末現在 |
今回、取り上げた投資信託は、原則として為替変動リスクを回避するための為替ヘッジは行いません。信託期間は、すべて無期限です。
先進国株式および米国株式インデックスファンドの運用実績
先進国株式インデックスファンド
下のチャートは、『たわらノーロード 先進国株式』と『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』の過去1年間の基準価額の推移(2019年2月15日~2020年2月14日)を比べたものです。起点の基準価額を1万円に統一しています。ほぼ重なっています。
基準価額の推移 2019年2月15日~2020年2月14日 過去の実績は将来を保証するものではありません |
両者の基準価額のひらき具合(差額)を示したのが下のチャートになります。
基準価額の差額 2019年2月15日~2020年2月14日 過去の実績は将来を保証するものではありません |
『たわらノーロード 先進国株式』は『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』に劣後し徐々に差をつけられていたのが、2019年10月1日の信託報酬率変更後(税込0.22% → 税込0.10989%)は一旦下げ止まったように見えます。
ただ、最近、また若干右肩下がりになっているのがやや気になりますね。
『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』は2019年7月から純資産500億円以上の部分に受益者還元型のより低廉な信託報酬率が適用されています。
また2019年12月27日に信託報酬率の変更が実施されています(税込0.10989%%以内 → 税込0.10615%以内)。
騰落率の比較は下の表の通りです。
引下後騰落率は4ヵ月半弱(2019年10月1日~2020年2月14日)の数字です。
2020年2月14日現在 過去の実績は将来を保証するものではありません |
2020年2月14日現在の運用管理費用(年率)は『たわらノーロード 先進国株式』が税込0.10989%に対し、『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』は税込0.10464%(受益者還元型信託報酬率を適用)です。
『たわらノーロード 先進国株式』の引き下げ後は運用実績も僅差にとどまり、どちらも優秀なインデックスファンドですね。
米国株式インデックスファンド
下のチャートは『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』と『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』の基準価額の推移を後者の設定来4ヵ月半強(2019年9月26日~2020年2月14日)で比べたものです。起点の基準価額を1万円に統一しています。ほぼ重なっています。
基準価額の推移 2019年9月26日~2020年2月14日 過去の実績は将来を保証するものではありません |
両者の基準価額のひらき具合(差額)を示したのが下のチャートになります。
基準価額の推移 2019年9月26日~2020年2月14日 過去の実績は将来を保証するものではありません |
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』は2019年11月12日に信託報酬率を『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』とほぼ同水準に引き下げました(税込0.165%以内 → 税込0.0968%以内)。
また『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』は2020年1月下旬から受益者還元型の信託報酬率の適用が始まりました。ただし、引き下げ幅は極めて限定的です。
騰落率の比較は下の表の通りです。
引下後騰落率は3ヵ月強(2019年11月12日~2020年2月14日)の数字、設定来騰落率は4ヵ月半強の数字です。
2020年2月14日現在 過去の実績は将来を保証するものではありません |
信託報酬率の引き下げもあり、運用実績の比較では『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』が健闘しています。
2020年2月14日現在の運用管理費用(年率)は『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』は税込0.0967%(受益者還元型信託報酬率を適用)に対し、『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』が税込0.0938%程度です。
実質コストは規模の大きな海外ETFを活用する『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』が本来有利なはずですが、設定直後はやはり運用が安定しにくいのか、もう少し長い目で見守る必要がありそうです。
海外ETFを投資対象にした『楽天・全米株式インデックス・ファンド』も、第1期の実質コストは高めでした。
信託報酬率の引き下げは投資家にとってはありがたいことですが、競争の行き過ぎを懸念する声も聞かれます。
・止まらない投信安売り競争 投資家に思わぬしわ寄せも(NIKKEI STYLE マネー研究所WEB)
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