『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』(三菱UFJ国際投信)と『iFreeNEXT NASDAQ100インデックス』(大和投資信託)の実質コストと運用実績をレバレッジ型投信と比較してみました。
比較の対象の『iFreeレバレッジ S&P500』(大和投資信託)と『iFreeレバレッジ NASDAQ100』(大和投資信託)は、日々の基準価額の値動きが指数(米ドルベース)の値動きの2倍程度になることをめざします。
レバレッジ型のみ為替ヘッジありです。
S&P500指数とNASDAQ100指数
業種別構成比 2019年11月末現在 |
米国株式インデックスファンドとレバレッジ型の実質コスト
少数第3位未満は四捨五入しています |
運用管理費用(信託報酬)以外に売買委託手数料や有価証券取引税、その他費用(保管費用、監査費用等)を含めたものが実質コストになります。上記の数字は最新の信託報酬率を適用した推計による概算値であることに注意してください。
『iFreeレバレッジ S&P500』と『iFreeレバレッジ NASDAQ100』には上記以外に為替ヘッジコストのほか、レバレッジにともなう金利コストや先物のロールオーバーコストなどがあり、実質コストは更に上振れする可能性が高いです。
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』の実質コスト(年率 0.177%)は、第1期(2018年7月3日~2019年4月25日)の運用報告書の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年相当に改めて、現時点の信託報酬率を当てはめています。
信託報酬以外の諸経費 0.065% ×(365日 ÷ 第1期の日数 297日)+ 信託報酬 0.0968% = 0.177%
『iFreeレバレッジ S&P500』の実質コスト(年率 1.054%)は、第1期(2018年8月31日~2019年8月30日)の運用報告書の1万口当たりの費用明細に現時点の信託報酬率を当てはめています。
信託報酬以外の諸経費 0.064% + 信託報酬 0.990% = 1.054%
『iFreeNEXT NASDAQ100インデックス』の実質コスト(年率 0.764%)は、第1期(2018年8月31日~2019年8月30日)の運用報告書の1万口当たりの費用明細に現時点の信託報酬率を当てはめ、実質的な投資対象である海外ETFの報酬(QQQ 経費率0.2%)を加えています。
信託報酬以外の諸経費 0.069% + 信託報酬 0.495% + 海外ETFの報酬 0.200% = 0.764%
『iFreeレバレッジ NASDAQ100』の実質コスト(年率 1.052%)は、第1期(2018年10月19日~2019年10月18日)の運用報告書の1万口当たりの費用明細に現時点の信託報酬率を当てはめています。
信託報酬以外の諸経費 0.062% + 信託報酬 0.990% = 1.052%
米国株式インデックスファンドとレバレッジ型の運用実績
下のチャートは、最後発の『iFreeレバレッジ NASDAQ100』設定来1年2ヵ月強の期間(2018年10月19日~2019年12月26日)で基準価額の推移を比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
基準価額の推移 2018年10月19日~2019年12月26日 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
騰落率の比較は下の表の通りです(2019年12月26日現在)。
下落率は2018年12月4日~同年12月25日の数字、設定来騰落率は1年2ヵ月強の数字です。
2019年12月26日現在 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
過去の実績を見ると、レバレッジ型のような値動きの大きな投信を底値で買えていればとつい考えてしまいますね。もし実際に購入したとしたら、激しい値動きに怖くなって底値で投げ売りしてしまうのがオチでしょうか。
レバレッジ型でも、積立投資やバランス型なら、あるいは……とも思いますが、せっかく定番インデックスファンドの低コスト化が進んでいるのに余計な手間やコストを掛けて火傷を負ったりしたら、かえって遠回りになりそうな予感もしますね(苦笑)。
・米国株式(S&P500/NASDAQ100)インデックスファンドの積立投資の成績をレバレッジ型と比較・評価
・5,200億円超!『グローバル3倍3分法ファンド』レバレッジ型ファンドと実績比較・評価(レバレッジ S&P500/NASDAQ100、ウルトラバランス 全世界株式)
レバレッジ型投信の注意点
『iFreeレバレッジ S&P500』と『iFreeレバレッジ NASDAQ100』は日々の基準価額の値動きがベンチマークの指数(米ドルベース)の2倍程度になることをめざしたファンドです。株式の組入総額と株価指数先物取引の買建玉の時価総額の合計額が、原則として信託財産の純資産総額の2倍程度になるように調整しています。
ファンドの保有期間が2日以上の場合の投資成果は、通常「2倍程度」にはなりません。
iFreeレバレッジ S&P500 2019年5月22日付交付目論見書10ページより引用 |
レバレッジ型は、一般的には時間の経過とともに指数とのかい離が拡大し減価する傾向にあるため長期保有には向かないと言われています。
指数が上昇・下落をしながら動いた場合には、次第に基準価額が押し下げられることになります。
iFreeレバレッジ S&P500 2019年5月22日付交付目論見書10ページより引用 |
日経スタイルのマネー研究所の記事では、レバレッジ型は「短期売買が主体のセミプロ向け」としています。
・指数横ばいでも損? レバレッジ型投信の値動きに迫る(マネー研究所)
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