長期の利益成長が期待できる銘柄に厳選投資する『GS 米国成長株集中投資ファンド 年2回決算コース』の特徴と運用実績を米国株式および先進国株式インデックスファンドと比較してみました。
米国株式を対象にしたアクティブファンドの実力は?
GS 米国成長株集中投資ファンドとインデックスファンドの特徴
『GS 米国成長株集中投資ファンド 年2回決算コース』(ゴールドマン・サックスAM)は、長期にわたり優れた利益成長が期待できる、本来の企業価値に対して現在の株価が割安な米国を中心とした企業の株式に投資します。個別企業の分析を重視したボトムアップ手法により銘柄選択を行い、15~20銘柄程度に厳選してポートフォリオを構築します。
投資信託を保有中の運用管理費用(年率)は税抜1.825%です。
2019年10月末月報より |
『iシェアーズ 米国株式インデックス・ファンド』(ブラックロック)と『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』(三菱UFJ国際投信)は、米国株式市場の時価総額のおよそ8割を占める大型株約500銘柄を対象とした「S&P500指数」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(年率)は『iシェアーズ 米国株式インデックス・ファンド』が税抜0.375%程度、『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』が税抜0.088%以内です。
2019年10月末月報より |
『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』(ニッセイAM)は、日本を除く先進国の株式市場を対象にした「MSCIコクサイ・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(年率)は税抜0.0999%です。
2019年10月末月報より |
国・地域別構成比 2019年10月末月報より |
今回、取り上げた投資信託は、原則として為替ヘッジを行いません。信託期間は、すべて無期限です。
GS 米国成長株集中投資ファンドとインデックスファンドの運用実績
下のチャートは『GS 米国成長株集中投資ファンド 年2回決算コース』設定来3年9ヵ月弱の基準価額の推移(2016年3月15日~2019年12月10日)を運用期間の短い『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』を除く競合と比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
基準価額の推移 2016年3月15日~2019年12月10日 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』も含めた騰落率の比較は下の表の通りです(2019年12月10日現在)。
下落率は2018年10月4日~同年12月25日の数字、設定来騰落率は3年9ヵ月弱の数字です。
2019年12月10日現在 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
『GS 米国成長株集中投資ファンド』には毎月決算コースと年4回決算コースもあり、純資産総額はそれぞれ194.22億円と71.18億円です。
『GS 米国成長株集中投資ファンド 年2回決算コース』の設定来騰落率は『iシェアーズ 米国株式インデックス・ファンド』に若干劣後しているものの、過去1年および過去3年の騰落率では競合を上回っています。
とはいえ、米国株式や先進国株式を対象にしたインデックスファンドの運用管理費用(年率)が0.1%を切る水準になっている昨今、『GS 米国成長株集中投資ファンド 年2回決算コース』(税抜1.825%)の割高感は否めないですよね。
銘柄を厳選したアクティブファンドでも弱気相場を回避することはできませんから、運用成績が好調な間は高コストに目をつぶれても不調の際には悩みの種になりそうです。
・アクティブVSパッシブ、投資家の“実際の儲け”は?(モーニングスター)
アクティブファンドでは、投資家の実際の儲けであるインベスターリターンがファンドのトータルリターンに見劣りするというデータもあります。
長期でファンドを保有し運用を続けるためには、ファンドの運用成績だけでなく運用方針やコストに納得できるか、自分のポートフォリオ全体のバランスは取れているかなど総合的に判断することが大事なのでしょうね。
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