信託報酬引き下げ『SBI・全世界株式インデックス・ファンド』楽天・全世界株式やオール・カントリーと実績比較・評価　実質コストの改善にも期待

運用管理費用（信託報酬）の引き下げ（PDF）が発表された『SBI・全世界株式インデックス・ファンド（愛称：雪だるま（全世界株式））』の特徴と運用実績をライバルと比較してみました。

2019年9月26日より年0.1500％程度（税込）から年0.1090％程度（税込）に引き下げ

比較の対象は『楽天・全世界株式インデックス・ファンド（愛称：楽天・バンガード・ファンド（全世界株式））』と『eMAXIS Slim 全世界株式（オール・カントリー）』です。

すべて、つみたてNISA対象商品です。

少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度である、つみたてNISAについては金融庁のリーフレット（PDF）や「つみたてNISA早わかりガイドブック」（WEBサイト）がわかりやすいです。

全世界株式インデックスファンドの特徴は？

『SBI・全世界株式インデックス・ファンド』（SBIアセットマネジメント）と『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』（楽天投信投資顧問）は、日本を含む世界の株式市場を対象にした「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」（円換算ベース）に連動する投資成果をめざします。

ベンチマークの指数は先進国と新興国を合わせた49ヵ国の大型株・中型株・小型株で構成されています。

投資信託を保有中の運用管理費用（年率）は『SBI・全世界株式インデックス・ファンド』が税込0.1500％程度（2019年9月26日より税込0.1090％程度）、『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』が税込0.2196％程度です。

諸経費を含めた実質コスト（年率）は『SBI・全世界株式インデックス・ファンド』が0.342％（第1期運用報告書から推計）、『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』が0.311％です（第2期途中の参考値）。

FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス 国別構成比（2019年8月末現在）

『eMAXIS Slim 全世界株式（オール・カントリー）』（三菱UFJ国際投信）は、日本を含む世界の株式市場を対象にした「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス」（円換算ベース）に連動する投資成果をめざします。

ベンチマークの指数は先進国と新興国を合わせた49ヵ国の大型株と中型株で構成されています。

運用管理費用（年率）は税込0.1296％です。諸経費を含めた実質コスト（年率）は0.230％です（第1期運用報告書から推計）。

MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス 国別構成比（2019年8月末現在）

今回、取り上げた投資信託は外貨建資産の為替ヘッジは原則として行いません。信託期間はすべて無期限です。

全世界株式インデックスファンドの運用実績

下記のチャートは、『SBI・全世界株式インデックス・ファンド』設定来1年9ヵ月の基準価額の推移（2017年12月6日～2019年9月5日）を『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』と比べたものです。

比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。

貿易摩擦や景気後退懸念により株式市場が不安定で、投資信託の基準価額の変動も大きくなっています。

基準価額の推移　2017年12月6日～2019年9月5日 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません

騰落率の比較は下の表の通りです（2019年9月5日現在）。

下落率は2018年10月2日～同年12月25日の数字、上昇率は2018年12月25日～2019年9月5日の数字です。

2019年9月5日現在 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません

下記のチャートは、『SBI・全世界株式インデックス・ファンド』と『eMAXIS Slim 全世界株式（オール・カントリー）』の基準価額の推移を後発である後者の設定来10ヵ月強（2018年10月31日～2019年9月5日）で比べたものです。

起点の基準価額を1万円に統一しています。

基準価額の推移　2018年10月31日～2019年9月5日 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません

騰落率の比較は下の表の通りです（2019年9月5日現在）。

下落率は2018年11月8日～同年12月25日の数字、上昇率は2018年12月25日～2019年9月5日の数字です。

2019年9月5日現在 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません

まとめ

『SBI・全世界株式インデックス・ファンド』の運用管理費用（信託報酬）の引き下げは、嬉しいニュースですよね。伸び悩んでいる純資産総額の増加の追い風になるでしょうか。

ただ、ライバルの『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』もそうなのですが、海外ETFを利用した投資信託はベンチマークとの連動性にやや難があり、実質コストも思ったほど低コストにはなっていない印象も受けます。

『eMAXIS Slim 全世界株式（オール・カントリー）』の運用管理費用の更なる引き下げにも期待したいです。

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