つみたてNISA対象の『野村つみたて外国株投信』、『eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)』、『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』の実質コストや運用実績を競合する全世界株式インデックスファンドと比較してみました。
また、それぞれに準拠したポートフォリオのリターン・リスク水準や年間リターンについても比べてみました。
つみたてNISAは少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です。制度の詳細は金融庁のWEBサイトで解説されています。
全世界株式インデックスファンドの特徴
『野村つみたて外国株投信』と『eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)』は、日本を除く先進国と新興国の株式市場を対象にした「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本、配当込み、円換算ベース)」の値動きに連動した投資成果をめざします。運用管理費用(年率)は『野村つみたて外国株投信』が税抜0.190%(税込0.2090%)、『eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)』が税抜0.104%(税込0.1144%)以内です。
MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス (除く日本) 業種別構成比と国・地域別構成比(2020年1月末現在) |
『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』は、日本を含む先進国と新興国の株式市場を対象にした「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)」の値動きに連動した投資成果をめざします。
運用管理費用(年率)は税抜0.104%(税込0.1144%)以内です。
MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス 業種別構成比と国・地域別構成比 2020年1月末現在 |
今回、取り上げた投資信託は原則として外貨建資産の為替ヘッジは行いません。信託期間はすべて無期限です。
全世界株式インデックスファンドの実質コスト(年率)
少数第3位未満は四捨五入しています |
運用管理費用(信託報酬)以外に売買委託手数料や有価証券取引税、その他費用(保管費用、監査費用等)を含めたものが実質コストになります。
上記の数字は最新の信託報酬率を適用した推計による概算値であることに注意してください。
『野村つみたて外国株投信』の実質コスト(年率 0.249%)は、第2期(2018年5月15日~2019年5月13日)の運用報告書(PDF)の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年相当に改めて、現時点の信託報酬率を当てはめています。
信託報酬以外の諸経費 0.040% × (365日 ÷ 第2期の日数 368日)+ 信託報酬 0.209% = 0.249%
『eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)』の実質コスト(年率 0.207%)は、第1期(2018年3月19日~2019年4月25日)の運用報告書(PDF)の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年相当に改めて、現時点の信託報酬率を当てはめています。
信託報酬以外の諸経費 0.102% × (365日 ÷ 第1期の日数 403日)+ 信託報酬 0.1144% = 0.207%
『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』の実質コスト(年率 0.211%)は、第1期(2018年10月31日~2019年4月25日)の運用報告書(PDF)の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年相当に改めて、現時点の信託報酬率を当てはめています。
信託報酬以外の諸経費 0.047% × (365日 ÷ 第1期の日数 177日)+ 信託報酬 0.1144% = 0.211%
全世界株式インデックスファンドの運用実績
基準価額の推移(チャート)
下のチャートは、最後発の『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』設定来1年4ヵ月弱(2018年10月31日~2020年2月19日)の期間で基準価額の推移を比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
『野村つみたて外国株投信』は『eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)』の陰に隠れています。
基準価額の推移 2018年10月31日~2020年2月19日 過去の実績は将来を保証するものではありません |
基準価額の騰落率
騰落率の比較は下の表の通りです(2020年2月19日現在)。調整局面の下落率は2018年12月4日~同年12月25日の数字、設定来騰落率は1年4ヵ月弱の数字です。
2020年2月19日現在 過去の実績は将来を保証するものではありません |
直近は反発していますが、貿易摩擦や景気後退などに対する警戒感から株価が不安定になっていて、投資信託の基準価額の変動も大きくなっていました。
新型肺炎の世界経済への影響が明らかになるにつれて、また株式市場が動揺する場面もあるかもしれないですね。
・新型コロナウイルスの経済コスト(ピクテ投信WEB)
全世界株式インデックスファンドの積立投資の成績
2019年1月から、毎月1日を積立日に設定しています(約定日は翌営業日)。1日が休業日の場合は後ずれします。
過去の実績は将来を保証するものではありません |
2019年1月から1年強の積立投資(毎月1万円)の評価額は、2020年2月19日現在、14万円の投資額に対して以下の通りです。
『野村つみたて外国株投信』
160,104円(+14.36%)
『eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)』
160,182円(+14.42%)
『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』
159,380円(+13.84%)
積立投資については下の記事も参考になると思います。
・資産「2000万円」づくり 手堅い投信の長期積み立て(NIKKEI STYLE)
・積立投資を学ぶ(大和投資信託)
日本の有無によるリターン・リスク水準は?
全世界株式(除く日本)に準拠したポートフォリオ(先進国株式 87%:新興国株式 13%)と、全世界株式(含む日本)に準拠したポートフォリオ(国内株式 7%:先進国株式 81%:新興国株式 12%)のリターン・リスク水準は下記の通りです。過去のデータは将来を保証するものではありません 野村AM「投信アシスト」より |
世界的な金融危機であるリーマン・ショックを含む上記の期間(2003年3月31日~2020年1月31日)では、全世界株式(除く日本)のほうが全世界株式(含む日本)よりリターン(投資収益率)もリスク(投資収益率のぶれ)もわずかに大きかったようです。
運用効率の高さを示すシャープレシオは同水準です。
年間リターンの比較は下の図表の通りです。
○は年間リターンの平均値 過去のデータは将来を保証するものではありません 野村AM「投信アシスト」より |
金融危機を含む2003年3月31日から2020年1月31日までの任意の連続1年間で騰落率のうち最大の騰落率を「最大上昇時」、同じく最小の騰落率を「最大下落時」としています。○は年間リターンの平均値です。
以上の試算は売買手数料、税金等の費用は考慮していません。過去の指数データによるシミュレーションは将来の運用成績を保証するものではありません。
おすすめ記事
全世界株式とバランスファンドの比較については下の記事を参考にしてください。・『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』『同(除く日本)』『同 バランス(8資産均等型)』『世界経済インデックスファンド』運用実績とリターン・リスク水準を比較・評価 株式だけの分散で大丈夫?
全世界株式と米国株式の比較は下の記事を参考にしてください。
・S&P500連動型や楽天・全米株式と比較『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』積立投資の評価額も確認
【Amazon】半値になっても儲かる「つみたて投資」【電子書籍】[ 星野泰平 ]
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