新興国も含めた世界各国の株式にまとめて投資できる『eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)』と『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』の特徴と実績を比較してみました。
どちらも、つみたてNISA対象商品です。つみたてNISAについては金融庁のリーフレット(PDF)や「つみたてNISA早わかりガイドブック」(PDF)がわかりやすいです。
全世界株式の特徴
『eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)』は、日本を除く世界の株式市場を対象にした「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本)」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。ベンチマークの指数は、日本を除く先進国と新興国合せて48ヵ国の大型株と中型株で構成されています。
2019年6月末月報より |
『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全世界株式))は、日本を含む世界の株式市場を対象にした「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
ベンチマークの指数は、日本を含む先進国と新興国合せて49ヵ国の大型株、中型株、小型株で構成されています。
2019年5月末現在(同年6月末月報より) |
今回、取り上げた投資信託は、原則として為替リスクを軽減するための為替ヘッジを行いません。信託期間はすべて無期限です。
全世界株式の費用
投資信託を保有中の運用管理費用(信託報酬)は下記の通りです。どちらも年率(税込)です。『eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)』
0.15336%(2019年8月9日より0.1296%に引き下げ予定)
『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』
0.2196%
どちらも購入時手数料や解約時の信託財産留保額はありません。
『eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)』の諸経費を含めた実質コスト(年率)は、第1期運用報告書から推計すると0.223%程度です(引き下げ後の信託報酬率を適用)。
『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』の諸経費を含めた実質コスト(年率)は、第2期途中(9カ月経過時点)での推計値では0.311%程度です。
投資信託を100万円分保有していたとすると、単純計算で『eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)』は毎年およそ2,200円強の負担、『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』は毎年およそ3,100円強の負担です。
全世界株式の実績
下記のチャートは後発の『eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)』設定来1年4ヵ月強の期間(2018年3月19日~2019年7月26日)で基準価額の推移を比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
基準価額の推移 2018年3月19日~2019年7月26日 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
騰落率の比較は下の表の通りです(2019年7月26日現在)。
2019年7月26日現在 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
運用目標のベンチマークが異なるとはいえ、『eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)』も『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』も信託報酬は比較的低廉で投資先も分散されています。
運用成績に極端な差はつきにくいのではとも思いますが、日本株や小型株(※)の有無によって好調な時期、不調な時期が多少はあるかもしれませんね。直近は日本株が振るわないこともあり、『eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)』のほうが若干優勢です。
※ 理論に基づかない経験則の一種として、株式の時価総額が小さい小型株のほうが収益率が高くなりやすいという「小型株効果」が知られているものの、肯定する見解も否定する見解も諸説あり過剰な期待は禁物でしょうか。
まとめ
『eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)』も『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』も、投資信託1本で新興国も含めた世界各国の株式に手軽に投資することができます。『eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)』は日本株が含まれていませんが、少子高齢化による人口減少の影響が懸念される日本を投資対象から外したいという人も少なくないかもしれませんね。
あるいは個別株や銘柄を選別した国内株式のアクティブファンドと組み合わせてみたいというニーズもあるでしょうか。
『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』は日本を含む全世界の大型株から小型株までまとめて投資できます。
どちらの投資信託も株式を投資対象にしていますから、債券を含むバランスファンドに比べれば値動きは大きめです。預貯金等の安全資産の確保も忘れないようにしたいですね。
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