NISAで海外の株式に投資するなら人気の米国株式? 定番の先進国株式? 新興国も含む全世界株式? 特徴と運用実績を比較・評価

2019年10月31日木曜日

全世界株式 米国株式

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つみたてNISAで海外の株式に投資するなら? 米国株式、先進国株式、全世界株式? 特徴と運用実績を比較・評価・解説

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資産運用の定石は国内外の株式と債券などへの分散投資ですが、投資資金に余裕があるなら預貯金等の安全資産をしっかり確保した上でNISA等の非課税口座には期待リターンの高い株式を割り当てるのが合理的とも言われます。

海外の株式を対象にした指数連動型のインデックスファンドの特徴と運用実績を比べてみました。比較の対象は『楽天・全米株式インデックス・ファンド』、『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』、『eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)』です。

少額投資非課税制度であるNISAについては、金融庁のNISA特設ウェブサイトを参考にしてください。




米国株式・先進国株式・全世界株式の特徴は?

楽天・全米株式インデックス・ファンド』(楽天投信投資顧問)は、米国株式市場の投資可能な銘柄のほぼ100%をカバーした「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。

運用管理費用(年率)は税込0.162%程度です。

ベンチマークの指数は米国の大型株・中型株・小型株3,528銘柄で構成されています(2019年9月末現在)。

CRSP USトータル・マーケット・インデックス 業種別構成比(テクノロジー、金融、消費者サービス、資本財、ヘルスケアほか)
CRSP USトータル・マーケット・インデックス
業種別構成比 2019年9月末現在

eMAXIS 先進国株式インデックス』(三菱UFJ国際投信)は、先進国の株式市場を対象にした「MSCIコクサイ インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。

運用管理費用(年率)は税込0.10989%です。

ベンチマークの指数は北米、欧州、アジア・オセアニア、中東の22ヵ国の大型株と中型株1,327銘柄で構成されています(2019年9月末現在)。

MSCIコクサイ・インデックス 業種別構成比(情報技術、金融、ヘルスケア、資本財・サービス、一般消費財・サービスほか)と国・地域別構成比(アメリカ、イギリス、フランス、カナダ、スイスほか)
MSCIコクサイ・インデックス
業種別構成比と国・地域別構成比 2019年9月末現在

eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)』(三菱UFJ国際投信)は、日本を除く世界の株式市場を対象にした「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本)」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。

運用管理費用(年率)は税込0.132%です(2019年11月12日より税込0.1144%に引き下げ予定)。

ベンチマークの指数は日本を除く先進国と新興国合せて46ヵ国の大型株と中型株2,529銘柄で構成されています(2019年9月末現在)。

MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス
(除く日本)
業種別構成比と国・地域別構成比 2019年9月末現在

今回、取り上げた投資信託は原則として為替ヘッジは行いません。信託期間はすべて無期限です。


米国株式・先進国株式・全世界株式の運用実績は?

下のチャートは、後発の『eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)』設定来1年7ヵ月強の期間(2018年3月19日~2019年10月31日)で基準価額の推移を比べたものです。

比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。貿易摩擦や景気後退懸念などにより株価の変動が激しくなっていて、投資信託の基準価額の変動幅も大きくなっています。

楽天・全米株式インデックス・ファンド、eMAXIS Slim 先進国株式インデックス、eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)の基準価額の推移(チャート)
基準価額の推移 2018年3月19日~2019年10月31日
過去の実績は将来の成績を保証するものではありません

騰落率の比較は下の表の通りです(2019年10月31日現在)。

下落率は2018年10月4日~同年12月25日の数字、上昇率は2018年12月25日~2019年10月31日の数字です。

楽天・全米株式インデックス・ファンド、eMAXIS Slim 先進国株式インデックス、eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)の騰落率
2019年10月31日現在
過去の実績は将来の成績を保証するものではありません

近年は米国株式が好調で先進国株式インデックスファンドでは7割近く、全世界株式(除く日本)インデックスファンドでは6割をアメリカが占めています。

その反面、米国株式の割高感も指摘されていて、「J.P.モルガンの超長期マーケット予測」などアメリカ以外の地域の方が投資妙味があるのでは、という見方もあります。

つみたてNISAでは投資可能期間の最終年である2037年に購入した投資信託は2056年まで保有することができます。

イギリスのコンサルティング会社PwCの2050年にかけての主要国のGDP予測では、1位中国、2位インド、3位アメリカ、4位インドネシア、5位ブラジル、6位ロシア、7位メキシコ、8位日本、9位ドイツ、10位イギリスと新興国の更なる躍進を予測しています。

下のグラフはG7(カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、イギリス、アメリカ)とE7(ブラジル、中国、インド、インドネシア、メキシコ、ロシア、トルコ)のGDPシェアの予測(2016年から2050年まで)を示しています。

オレンジのE7の存在感の高まりが顕著ですね。

世界経済に対するG7とE7の予測 GDPシェア(2016年から2050年まで)

出典:PwC「2050年の世界 長期的な経済展望:世界の経済秩序は2050年までにどう変化するのか?」(PDF)6ページより引用

グローバルに活躍する米国企業の成長性の高さや株主重視の経営は魅力的ですが、定石に則って国際分散投資を重視するなら世界経済の変化に対応できる全世界株式も手堅い選択肢かもしれませんね。




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