『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』など「S&P500指数」連動型米国株式インデックスファンドの特徴と運用実績を先進国株式インデックスファンドと比較してみました。
比較の対象は『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』、『iシェアーズ 米国株式インデックス・ファンド』、『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』、『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』です。
『iシェアーズ 米国株式インデックス・ファンド』を除き、つみたてNISA対象商品です。つみたてNISAは少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度(金融庁)です。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)、同 先進国株式ほか特徴
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』(三菱UFJ国際投信)と『iシェアーズ 米国株式インデックス・ファンド』(ブラックロック)は、米国株式市場の時価総額のおよそ8割を占める大型株約500銘柄を対象にした「S&P500指数」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。投資信託を保有中の運用管理費用(年率)は前者が税抜0.088%以内、後者が税抜0.375%程度です。
2020年3月末月報より |
『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』(三菱UFJ国際投信)と『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』(ニッセイAM)は、日本を除く主要先進国の株式市場を対象にした「MSCI コクサイ・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(年率)は税抜0.093%以内です。
2020年3月末月報より |
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス 2020年3月末月報より |
今回、取り上げた投資信託は原則として為替ヘッジを行いません。信託期間は、すべて無期限です。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)、同 先進国株式ほか成績
下のチャートは『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』設定来1年10ヵ月弱の基準価額の推移(2018年7月3日~2020年4月23日)を『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』と比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
基準価額の推移 2018年7月3日~2020年4月23日 過去の実績は将来を保証するものではありません |
騰落率の比較は下の表の通りです(2020年4月23日現在)。
調整局面の下落率は2020年2月21日~同年3月24日の数字と2018年10月4日~同年12月25日の数字、設定来騰落率は1年10ヵ月弱の数字です。
2020年4月23日現在 過去の実績は将来を保証するものではありません |
下のチャートは『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』とベンチマークの指数が同じ『iシェアーズ 米国株式インデックス・ファンド』設定来6年4ヵ月半弱の基準価額の推移(2013年12月10日~2020年4月23日)を『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』と比べたものです。
起点の基準価額を1万円に統一しています。
基準価額の推移 2013年12月10日~2020年4月23日 過去の実績は将来を保証するものではありません |
騰落率の比較は下の表の通りです(2020年4月23日現在)。
設定来騰落率は6年4ヵ月半弱の数字です。
2020年4月23日現在 過去の実績は将来を保証するものではありません |
近年は米国株式が好調だったこともあり、先進国株式インデックスファンドでも米国がおよそ7割を占めています。
・アングル:米株市場で存在感際立つ大手ハイテク株(ロイター)
米国株式(S&P500)もマイクロソフト、アップル、アマゾン、アルファベット(グーグル)、フェイスブックのわずか5銘柄が時価総額の2割以上を占めているそうです。
2000年のドットコムバブル時代よりもハイテク大手への集中化が進んでいるのは、危うさも感じるでしょうか。
まとめ マーケットに居続けるべき理由
直近は反発も見られるものの、コロナショックで米国株式インデックスファンドも先進国株式インデックスファンドも基準価額が大幅に下落しています。資産運用には好不調の波がつきものですから、預貯金等の安全資産や生活防衛資金の備えも欠かせませんよね。
・市場急落局面にみる「株式のチカラ」~これまでの米国株式を例に考える~(日興AM)
出典:市場急落局面にみる「株式のチカラ」 (日興AM) |
過去のチャートを見ると弱気相場を避けられないものかとつい考えてしまいますが、インデックス投資で「マーケットに居続けるべき」と言われる理由の一つはタイミング投資がとても難しいからですよね。
世界最大級の運用会社バンガードによると、米国株式の代表的な株価指数である「S&P500指数」の過去40年の日次リターンでベスト20の取引日のうち13日は年間リターンがマイナスの年に出現したそうです。
またワースト20の取引日のうち9日は年間リターンがプラスの年に出現したそうです(バンガード「市場の下落期に避けるべき3つの過ち」より)。
出典:市場の下落期に避けるべき3つの過ち (バンガード) |
ランダムに動く株価の先読みは大変困難で、株価がさえないからといってマーケットから退出してしまうと大きなプラスを取り逃してしまう可能性もあるということですね。
バンガードは市場のノイズに反応してポートフォリオを入れ替えても成功する見込みは薄く、長期的な運用実績が低下しかねないと注意を促しています(バンガード「終わりのない弱気相場はない」より)。
2000年から2018年にかけて、S&P 500インデックスは、複利ベースで年率4.86%のリターンを実現しました。しかし同期間中で最もリターンの高かった10日間を除くと、S&P 500インデックスの年複利リターンはわずか1.10%です。最もリターンの高かった25日間を除けば、年複利リターンは-2.43%になります。投資を継続することは重要です。
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