※ 記事を更新しました(2018年6月5日)。
最低水準の運用コストをうたう『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』(2017年2月27日設定)の実際の運用成績をライバルと比較してみました。
比較の対象は『eMAXIS 先進国株式インデックス』、『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』、『たわらノーロード 先進国株式』、『iFree 外国株式インデックス(為替ヘッジなし)』、『EXE-i 先進国株式ファンド』です。
先進国株式インデックスファンドの特徴
『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』ほか一般的な先進国株式インデックスファンドのベンチマークは、「MSCI コクサイ・インデックス」(円換算ベース)です。同指数は北米、欧州、アジア・オセアニア、中東の22か国1,327銘柄で構成されています(2018年4月末現在)。
2018年4月末月報より |
『EXE-i 先進国株式ファンド』は、「FTSE カイガイ・インデックス」(円換算ベース)を参考指標にしています。
米国、欧州、アジア・太平洋(除く日本・含む韓国)、それぞれの地域を対象にした3つのETFに投資しています。ETFを通じて3,634銘柄に投資しています(2017年3月末及び4月末現在)。
2018年4月末月報より |
今回取り上げたファンドは、為替変動リスクを回避するための為替ヘッジは原則として行いません。信託期間はすべて無期限です。
先進国株式インデックスファンドの費用
上記の投資信託は、購入時手数料や換金時の信託財産留保額はありません。
信託報酬(運用管理費用)以外の諸費用を含めた実質コストは下の表の通りです。
項目ごとに小数第3位未満は四捨五入 |
『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』、『たわらノーロード 先進国株式』、『iFree 外国株式インデックス(為替ヘッジなし)』は信託報酬率の引き下げが行われているので、実質コストがもう少し下がる余地があります。
『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』の運用報告書はまだ発行されていません。『eMAXIS 先進国株式インデックス』の運用報告書から推測するなら、『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』の実質コストは0.18726%程度だと思われます。
ただし、第1期は信託報酬率引き下げ前の期間も含むため、実際には、これより高めに出るはずです。
先進国株式インデックスファンドの成績
2018年6月4日現在 過去の実績は将来の運用成績を保証するものではありません |
『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』は、既存の『eMAXIS 先進国株式インデックス』より運用実績が向上しています。
上記の期間では、ベンチマークが共通する先進国株式インデックスファンドに対してはライバルを上回る成績になっています。
過去6ヵ月の騰落率では、『EXE-i 先進国株式ファンド』が『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』を上回っていますが、参考にしている指標が他のファンドと異なる点に注意してください。
まとめ
後発の『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』は、『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』や『たわらノーロード 先進国株式』に比べると純資産総額にはまだ少なからぬ差があるものの、運用実績は見劣りしていません。とはいえ、ライバルも十分低コストで成績に大差はつきにくいと思われます。新規購入の分はともかく、含み益のある既存の分は、余計な手間や課税コストをかけて乗り換えるより、保有し続けたほうがいいという考え方もあるでしょうね。
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