信託報酬を引き下げ!『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』実質コストや運用実績をSBI・新興国株式やスリム先進国株式と比較・評価

2020年9月2日水曜日

実質コスト 新興国株式

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『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』ライバルと比較・評価・解説
台北 台湾
(撮影youncocoPixabayより)

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信託報酬率の引き下げ(※)の発表された『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』の特徴、実質コスト、運用実績をライバルと比較してみました。

比較の対象は『SBI・新興国株式インデックス・ファンド』(愛称:雪だるま(新興国株式))です。参考までに『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』とも比べてみました。

2020年9月25日より信託報酬率を税抜0.189%以内から税抜0.170%以内に引き下げ

業界最低水準の運用コストをめざす『eMAXIS Slim(イーマクシス スリム)』信託報酬率の引き下げを実施(PDF/三菱UFJ国際投信)


eMAXIS Slim 新興国株式インデックスほか特徴

eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』(三菱UFJ国際投信)は、新興国の株式市場を対象にした「MSCIエマージング・マーケット・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。

投資信託を保有中の運用管理費用(年率)は、2020年9月25日より税込0.2079%(税抜0.189%)以内から税込0.187%(税抜0.170%)以内へ引き下げられる予定です。

ベンチマークの指数は1,385銘柄を組み入れています(2020年7月末現在)。

MSCI エマージング・マーケット・インデックス 業種別構成比(情報技術、金融、一般消費財・サービスほか)と国・地域別構成比(中国、台湾、韓国ほか)
MSCIエマージング・マーケット・インデックス
業種別構成比と国・地域別構成比 2020年7月末現在

SBI・新興国株式インデックス・ファンド』(SBIアセットマネジメント)は新興国の株式市場を対象にした「FTSE エマージング・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。

一般的な新興国株式インデックスファンドに採用されているMSCIのエマージング指数と違い、FTSEでは韓国とポーランドは新興国ではなく先進国に区分されています

運用管理費用(年率)は税込0.176%程度です。

「シュワブ エマージング・マーケッツ エクイティ ETF」(SCHE)を実質的な投資対象としています。同ETFは1,540銘柄を組み入れています(2020年9月1日現在)。

SBI・新興国株式インデックス・ファンド 業種別構成比(金融、一般消費財・サービス、情報技術ほか)と国・地域別構成比(中国、台湾、インドほか)
SBI・新興国株式インデックス・ファンド
2020年7月末月報より

eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』(三菱UFJ国際投信)は、日本を除く先進国の株式市場を対象にした「MSCIコクサイ・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。

運用管理費用(年率)は税込0.1023%以内です。

ベンチマークの指数は1,281銘柄で構成されています(2020年7月末現在)。

MSCIコクサイ・インデックス 業種別構成比(情報技術、ヘルスケア、金融ほか)と国別構成比(アメリカ、イギリス、フランスほか)
MSCIコクサイ・インデックス
業種別構成比と国別構成比 2020年7月末現在

今回、取り上げた投資信託は、為替変動リスクを回避するための為替ヘッジは原則として行いません。信託期間は、どちらも無期限です。


新興国株式/先進国株式インデックスファンドの実質コスト

eMAXIS Slim 新興国株式インデックス、SBI・新興国株式インデックス・ファンド、eMAXIS Slim 先進国株式インデックスの実質コスト
少数第3位未満を四捨五入

上記の数字は推計による概算値であることに注意してください。

運用管理費用(信託報酬)以外に売買委託手数料や有価証券取引税、その他費用(保管費用、監査費用等)を含めたものが実質コストになります。

eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』の実質コスト(年率 0.404%)は、第3期(2019年4月26日~2020年4月27日)の運用報告書(PDF)の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年(365日)相当に改めて、2020年9月25日引き下げ後の信託報酬を加えています。

信託報酬以外の諸経費 0.219% ×(365日 ÷ 第3期の日数 368日)+ 信託報酬 0.187% = 0.404%(少数第3位未満は四捨五入)

※受益者還元型の信託報酬は純資産総額353.63億円で計算(2020年9月25日より500億円未満の部分 税込0.187%、500億円以上1,000億円未満の部分 税込0.18645%、1,000億円以上の部分 税込0.1859%)

SBI・新興国株式インデックス・ファンド』の実質コスト(年率 0.246%)は、第2期(2018年11月13日~2019年11月12日)の運用報告書(PDF)の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費に現時点の信託報酬と投資対象ファンドの報酬(0.13%程度から0.11%程度に変更)を加えています。

信託報酬以外の諸経費 0.070 + 信託報酬 0.066% + 投資対象ファンドの報酬 0.110% = 0.246%

eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』の実質コスト(年率 0.172%)は第3期(2019年4月26日~2020年4月27日)の運用報告書(PDF)の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年相当に改めて、現時点の信託報酬を加えています。

信託報酬以外の諸経費 0.072% ×(365日 ÷ 第3期の日数 368日)+ 信託報酬 0.1009%(※)= 0.172%(少数第3位未満 四捨五入)

※受益者還元型の信託報酬は純資産総額1,259.56億円で計算(500億円未満の部分 税込0.1023%、500億円以上1,000億円未満の部分 税込0.100595%、1,000億円以上の部分 税込0.09889%)


新興国株式/先進国株式インデックスファンドの運用実績

下のチャートは後発の『SBI・新興国株式インデックス・ファンド』設定来2年9ヵ月弱の期間(2017年12月6日~2020年9月2日)で基準価額の推移を比べたものです。

比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。

eMAXIS Slim 新興国株式インデックス、SBI・新興国株式インデックス・ファンド、eMAXIS Slim 先進国株式インデックスの基準価額の推移(チャート)
基準価額の推移 2017年12月6日~2020年9月2日
過去の実績は将来を保証するものではありません

騰落率の比較は下記の通りです(2020年9月2日現在)。

設定来騰落率は後発の『SBI・新興国株式インデックス・ファンド』設定来2年9ヵ月弱の数字です。

eMAXIS Slim 新興国株式インデックス、SBI・新興国株式インデックス・ファンド、eMAXIS Slim 先進国株式インデックスの騰落率
2020年9月2日現在
過去の実績は将来を保証するものではありません

『SBI・新興国株式インデックス・ファンド』とは同じ新興国株式でもベンチマークが異なる点には注意が必要ですが、最近は『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』も健闘しているようです。

コロナショック下の騰落率は下の表の通りです。

調整局面の上昇率は2020年3月24日(SBIのみ同19日)~同年9月2日の数字、下落率は2020年2月20日(先進国株式のみ同21日)~同年3月24日(SBIのみ同19日)の数字です。

eMAXIS Slim 新興国株式インデックス、SBI・新興国株式インデックス・ファンド、eMAXIS Slim 先進国株式インデックスの騰落率2
過去の実績は将来を保証するものではありません

「MSCIコクサイ・インデックス」に連動する一般的な先進国株式インデックスファンドと組み合わせた場合、『SBI・新興国株式インデックス・ファンド』だと韓国など一部の国が投資対象から抜けてしまうのは気になるところかもしれませんね。

新興国経済不安を正しく恐れよ(The Economist/日本経済新聞)

新興国株式は今後6カ月間に投資チャンスを迎える=ドイチェ・アセットの新興国株式運用チーム責任者が語る(モーニングスター)

(1)先進国に対して高いGDP成長率が期待されること、(2)企業業績に改善の期待が強いこと、(3)株価の水準が先進国と比較して割安であること、(4)それぞれ自国の投資家が成長してきていること――などを新興国の優位性としてあげた

なかなか先行きを楽観しにくい状況ではありますが、先進国株式インデックスファンドに比べ出遅れ感のある新興国株式インデックスファンドの巻き返しに期待しています。




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