つみたてNISA(金融庁)対象商品である『フィデリティ・欧州株・ファンド』の特徴や運用実績を先進国株式および米国株式インデックスファンドと比較してみました。
比較の対象は『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』と『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』です。
フィデリティ・欧州株、スリム先進国株式/米国株式の特徴
『フィデリティ・欧州株・ファンド』(フィデリティ投信)は、英国および欧州大陸の上場株式を投資対象とし、個別企業分析により優良企業を選定し、利益成長性等と比較して妥当と思われる株価水準で投資を行ないます。分散投資を基本にリスク分散を図ります。欧州株式の代表的な株価指数である「MSCIヨーロッパ・インデックス」(税引前配当金込・円換算ベース)を長期的に上回る運用成果を目標にしています。
投資信託を保有中の運用管理費用(年率)は税込1.65%(税抜1.5%)です。
2020年4月末現在(同年6月付月報より) |
フィデリティ・欧州株・ファンド 組入上位5ヵ国 2020年4月末現在(同年6月付月報より) |
『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』(三菱UFJ国際投信)は、日本を除く先進国の株式市場を対象にした「MSCIコクサイ・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
ベンチマークの指数は北米、欧州、アジア・オセアニア、中東の22ヵ国の大型株と中型株で構成されています(2020年5月末現在)。
運用管理費用(年率)は税込0.1023%(税抜0.093%)以内です。
2020年5月末月報より |
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス 組入上位10ヵ国・地域 2020年5月末月報より |
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』(三菱UFJ国際投信)は、米国株式市場の時価総額のおよそ8割を占める大型株約500銘柄を対象とした「S&P500指数」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(年率)は税込0.0968%(税抜0.088%)以内です。
2020年5月末月報より |
今回、取り上げた投資信託は、原則として外貨建資産の為替ヘッジは行いません。信託期間は、すべて無期限です。
フィデリティ・欧州株、スリム先進国株式/米国株式の成績
下のチャートは後発の『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』設定来1年11ヵ月強の期間で基準価額の推移(2018年7月3日~2020年6月9日)を比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
基準価額の推移 2018年7月3日~2020年6月9日 過去の実績は将来を保証するものではありません |
騰落率の比較は下の表の通りです(2020年6月9日現在)。
調整局面の上昇率は2020年3月19日~同年6月9日(先進国株式と米国株式は同年3月21日~同年6月9日)の数字、下落率は2020年2月20日~同年3月19日(先進国株式と米国株式は同年2月21日~同年3月24日)の数字です。
設定来騰落率は後発の『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』設定来1年11ヵ月強の数字です。
2020年6月9日現在 過去の実績は将来を保証するものではありません |
・コロナ危機を機に、結束に向けて動き出すEU(日興AM)
米国株式に比べ出遅れている印象の強い欧州株式ですが、上記の期間ではアクティブファンドの『フィデリティ・欧州株・ファンド』の運用実績は競合に見劣りしていません。
現状では先進国株式インデックスファンドの構成比の約7割を米国が占めており、米国以外の地域にもっと比重を置きたいなら選択肢の一つとして面白いかもしれませんね。
国・地域別構成比 2020年4月末現在と同年5月末現在 |
ただ、インデックスファンドの低コスト化が著しい昨今、『フィデリティ・欧州株・ファンド』の運用管理費用(年率で税込1.65%)が若干割高に感じられるのは否めないでしょうか。
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