低コストな先進国株式インデックスファンド3種の運用実績を比較してみました。
インデックスファンドの低コスト競争が激しいですが、運用実績に差はあるのか確認してみました。
先進国株式インデックスファンドの特徴
『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』(三菱UFJ国際投信)、『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』(ニッセイAM)、『たわらノーロード 先進国株式』(アセマネOne)は、日本を除く先進国の株式市場を対象にした「MSCIコクサイ・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。運用管理費用(信託報酬)は『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』が税抜0.0965%(税込0.10615%)以内、それ以外の投信は税抜0.0999%(税込0.10989%)です。
ベンチマークの指数は日本を除く先進国22ヵ国の大型株と中型株1,322銘柄を組み入れています(2019年12月末現在)。
MSCIコクサイ インデックス 業種別構成比と国・地域別構成比 2019年12月末現在 |
今回、取り上げた投資信託は、原則として為替変動リスクを回避するための為替ヘッジは行いません。信託期間は、すべて無期限です。
先進国株式インデックスファンドの実質コスト
少数第3位未満は四捨五入しています |
運用管理費用(信託報酬)以外に売買委託手数料や有価証券取引税、その他費用(保管費用、監査費用等)を含めたものが実質コストになります。上記の数字は推計による概算値であることに注意してください。
『たわらノーロード 先進国株式』は諸経費が低く抑えられています。
『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』の実質コスト(年率 0.181%)は、第2期(2018年4月26日~2019年4月25日)の運用報告書の1万口当たりの費用明細に2019年12月27日引き下げ後の信託報酬率を当てはめています。
信託報酬以外の諸経費 0.076% + 信託報酬 0.105%(※)= 0.181%
※受益者還元型の信託報酬は純資産総額776.95億円で計算
『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』の実質コスト(年率 0.194%)は、第5期(2017年11月21日~2018年11月20日)の運用報告書の1万口当たりの費用明細に現時点の信託報酬率と監査費用を当てはめています。
信託報酬以外の諸経費 0.084% + 信託報酬 0.110% = 0.194%
『たわらノーロード 先進国株式』の実質コスト(年率 0.158%)は、第4期(2018年10月13日~2019年10月15日)の運用報告書の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年(365日)相当に改めて、現時点の信託報酬率を当てはめています。
信託報酬以外の諸経費 0.048% ×(365日 ÷ 第4期の日数 368日) + 信託報酬 0.110% = 0.158%
先進国株式インデックスファンドの運用実績
基準価額の推移
下のチャートは、『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』設定来2年10ヵ月強の基準価額の推移(2017年2月27日~2020年1月10日)をライバルと比べたものです。起点の基準価額を1万円に統一しています。ほぼ重なっています。
基準価額の推移 2017年2月27日~2020年1月10日 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
eMAXIS Slimと<購入・換金手数料なし>ニッセイの基準価額の差額
『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』と『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』の基準価額の差額(2017年2月27日~2020年1月10日)を示したのが下のチャートになります。基準価額の差額 2017年2月27日~2020年1月10日 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』は2018年1月30日に信託報酬率を大きく引き下げています(税抜0.1890% → 税抜0.1095%)。
その後は2018年7月25日(税抜0.1095% → 税抜0.1090%)、2019年6月25日(税抜0.1090% → 税抜0.0999% 500億円以上の部分:税抜0.9490%)、2019年12月27日(税抜0.0999% → 税抜0.0965% 500億円以上の部分:税抜0.9320%)に引き下げを実施しています。
また2019年7月8日に純資産総額が500億円を突破したので、以降は純資産総額500億円以上の部分に受益者還元型のより低い信託報酬率を適用しています。
『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』は2018年8月21日に信託報酬率を大きく引き下げています(税抜0.1890% → 税抜0.1090%)。
その後、2019年6月27日に引き下げ(税抜0.1090% → 税抜0.0999%)を実施しています。
eMAXIS Slimとたわらノーロードの基準価額の差額
『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』と『たわらノーロード 先進国株式』の基準価額の差額(2019年10月1日~2020年1月10日)を示したのが下のチャートになります。『たわらノーロード 先進国株式』が信託報酬率を大きく下げた(税抜0.2000% → 税抜0.0999%)2019年10月1日を起点(0円)にしています。
基準価額の差額 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』は2019年12月27日(税抜0.0999% → 税抜0.0965% 500億円以上の部分:税抜0.9320%)に引き下げを実施しています。
騰落率の比較
騰落率の比較は下の表の通りです(2020年1月10日現在)。2020年1月10日現在 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
信託報酬率の引き下げでは『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』がわずかにリードしています。
実質コストでは『たわらノーロード 先進国株式』も負けてはおらず、信託報酬率を大きく下げた後は運用実績も健闘しています。
インデックスファンドの引き下げ競争もそろそろ限界で、『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』も含めて運用実績は僅差にとどまります。
・インデックス型コスト最安は?―主要資産0.15%以下に、米国株は0.1%下回る(モーニングスター)
・止まらない投信安売り競争 投資家に思わぬしわ寄せも(NIKKEI STYLE マネー研究所WEB)
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