2019年12月26日付で「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」(VT)などバンガード社のETFの経費率改定が発表されています(0.09% → 0.08%)。
・Expense ratio cuts on 56 Vanguard funds mean more savings for you
上記ETFを実質的な投資対象にしている『楽天・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全世界株式))』の運用管理費用にも反映されるはずです(税込0.222%程度 → 税込0.212%程度)。
同ファンドの実質コストや運用実績をライバルの『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』と比較してみました。
また、それぞれの2019年の積立投資の成績も確認してみました。
楽天・全世界株式とオール・カントリーの特徴
『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』(楽天投信投資顧問)は、日本を含む世界の株式市場を対象にした「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。運用管理費用(信託報酬)は年率で税込0.222%程度です(前述の通り税込0.212%程度に近く変更されるものと思われます)。
ベンチマークの指数は、日本を含む先進国と新興国合せて49ヵ国の大型株・中型株・小型株8,925銘柄で構成されています(2019年11月末現在)。
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス 業種別構成比と国・地域別構成比 2019年11月末現在 |
『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』(三菱UFJ国際投信)は、日本を含む世界の株式市場を対象にした「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(信託報酬)は年率で税込0.1144%以内です。
ベンチマークの指数は、日本を含む先進国と新興国合せて49ヵ国の大型株と中型株3,060銘柄で構成されています(2019年11月末現在)。
MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス 業種別構成比と国・地域別構成比 2019年11月末現在 |
今回、取り上げた投資信託は、原則として為替ヘッジは行いません。信託期間は、すべて無期限です。
楽天・全世界株式とオール・カントリーの実質コスト
少数第3位未満は四捨五入しています |
運用管理費用(信託報酬)以外に売買委託手数料や有価証券取引税、その他費用(保管費用、監査費用等)を含めたものが実質コストになります。上記の数字は最新の信託報酬率を適用した推計による概算値であることに注意してください。
『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』の実質コスト(年率 0.291%)は、第2期(2018年7月18日~2019年7月16日)の運用報告書の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年(365日)相当に改めて、現時点の信託報酬と実質的な投資対象である投資信託証券の報酬(VT 経費率0.08%)を加えています。
信託報酬以外の諸経費 0.079% ×(365日 ÷ 第2期の日数 364日)+ 信託報酬 0.132% + VTの経費 0.080% = 0.291%
『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』の実質コスト(年率 0.211%)は、第1期(2018年10月31日~2019年4月25日)の運用報告書の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年相当に改めて、現時点の信託報酬率を当てはめています。
信託報酬以外の諸経費 0.047% × (365日 ÷ 第1期の日数 177日)+ 信託報酬 0.114% = 0.211%
楽天・全世界株式とオール・カントリーの運用実績
下のチャートは、後発の『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』設定来1年2ヵ月の期間(2018年10月31日~2019年12月30日)で基準価額の推移を比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
基準価額の推移 2018年10月31日~2019年12月30日 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
騰落率の比較は下の表の通りです(2019年12月20日現在)。
下落率は2018年11月8日~同年12月25日の数字、設定来騰落率は1年2ヵ月の数字です。
2019年12月30日現在 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
過去1年の騰落率が大きくプラスになっているのは、調整局面のほぼ底を起点にした数字だからです。
『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』のほうが中小型株まで幅広くカバーしている分、値動きが若干大きめでしょうか。
楽天・全世界株式とオール・カントリーの積立投資の成績
毎月1日を積立の設定日にしています(約定日は翌営業日)。1日が休日の場合は後ずれします。過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
2019年の積立投資(毎月1万円)の通算成績は、12万円の投資額に対して『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』の評価額が135,184円(+12.65%)、『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』の評価額が135,455円(+12.88%)となっています。
調整局面からの反発もあり好調な成績ですが、貿易摩擦による景気後退懸念が強かった2018年の終わりにこの結果を予想できた人は少ないかもしませんね。積立投資は自動的に継続できるのもメリットでしょうね。
楽天・全世界株式とオール・カントリー まとめ
『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』も『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』も投資信託1本で世界の株式に手軽に投資できるのが魅力ですよね。特に『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』は大型株から小型株までより多くの銘柄を網羅しています。
費用はどちらも低廉ですが、後発の『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』のほうが低コスト化が進んでいるようです。
・バンガード「2020年の経済および市場見通し:新たな不透明性の時代」(WEB)
世界経済の減速も心配される中、2020年は中東情勢に対する警戒感から原油価格が上昇し、円高に振れるなど波乱の幕開けになりそう?
・日本経済新聞「原油一時4%高、円一時107円台に上昇 中東情勢警戒」(WEB)
いつ突発的な事態が起きるかわかるはずもありませんから、分散されたポートフォリオを心がけたり預貯金等の安全資産を確保したりして余力を残しておくことが大事なのでしょうね。
おすすめ記事
『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』と『SBI・全世界株式インデックス・ファンド』の運用実績の比較は下の記事を参考にしてください。・『SBI・バンガード・S&P500』『SBI・全世界株式』信託報酬はライバル(スリム米国株式/楽天・全世界株式)より低コストですが運用実績は改善の余地あり?
『楽天・新興国株式インデックス・ファンド』の信託報酬引き下げについては下の記事を参考にしてください。
・信託報酬引き下げ!『楽天・新興国株式インデックス・ファンド』スリム新興国株式と実質コストや運用実績を比較 積立投資の成績も比べてみました
【楽天Kobo】インデックス投資は勝者のゲーム ──株式市場から利益を得る常識的方法【電子書籍】[ ジョン・C・ボーグル ]
【Amazon】投資の大原則[第2版] 人生を豊かにするためのヒント【電子書籍】[ バートン・マルキール、チャールズ・エリス ]
ブログ村 投資信託
投資信託が話題のブログ
ブログ村 インデックス投資
インデックス投資が話題のブログ
ブログ村 米国株
米国株が話題のブログ
0 件のコメント:
コメントを投稿