2019年12月27日に信託報酬率の引き下げが行われた(PDF)『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』の実質コストや運用実績を米国株式および全世界株式インデックスファンドのライバルと比較してみました。
1,000億円以上の部分は変更なし |
先進国株式・米国株式・全世界株式インデックスファンドの特徴
『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』(三菱UFJ国際投信)は、日本を除く先進国の株式市場を対象にした「MSCIコクサイ・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。運用管理費用(信託報酬)は年率で税込0.10615%以内(税抜0.0965%以内)です。
ベンチマークの指数は日本を除く先進国22ヵ国の大型株と中型株1,326銘柄を組み入れています(2019年11月末現在)。
MSCIコクサイ・インデックス 業種別構成比と国・地域別構成比 2019年11月末現在 |
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』(三菱UFJ国際投信)は、米国株式市場の時価総額のおよそ8割を占める大型株約500銘柄を対象とした「S&P500指数」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(信託報酬)は年率で税込0.0968%以内(税抜0.088%以内)です。
S&P500指数 業種別構成比 2019年11月末現在 |
『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』(三菱UFJ国際投信)は、日本を含む世界の株式市場を対象にした「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(信託報酬)は年率で税込0.1144%以内(税抜0.104%以内)です。
ベンチマークの指数は、日本を含む先進国と新興国合せて49ヵ国の大型株と中型株3,060銘柄で構成されています(2019年11月末現在)。
MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス 業種別構成比と国・地域別構成比 2019年11月末現在 |
今回、取り上げた投資信託は、原則として為替ヘッジは行いません。信託期間は、すべて無期限です。
先進国株式・米国株式・全世界株式インデックスファンドの実質コスト
少数第3位未満は四捨五入しています |
運用管理費用(信託報酬)以外に売買委託手数料や有価証券取引税、その他費用(保管費用、監査費用等)を含めたものが実質コストになります。上記の数字は最新の信託報酬率を適用した推計による概算値であることに注意してください。
『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』の実質コスト(年率 0.181%)は、第2期(2018年4月26日~2019年4月25日)の運用報告書の1万口当たりの費用明細に2019年12月27日引き下げ後の信託報酬率を当てはめています。
信託報酬以外の諸経費 0.076% + 信託報酬 0.105%(※)= 0.181%
※受益者還元型の信託報酬は純資産総額749.4億円で計算(2019年12月27日時点)
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』の実質コスト(年率 0.177%)は、第1期(2018年7月3日~2019年4月25日)の運用報告書の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年(365日)相当に改めて、現時点の信託報酬率を当てはめています。
信託報酬以外の諸経費 0.065% × (365日 ÷ 第1期の日数 297日)+ 信託報酬 0.097% = 0.177%
『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』の実質コスト(年率 0.211%)は、第1期(2018年10月31日~2019年4月25日)の運用報告書の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年相当に改めて、現時点の信託報酬率を当てはめています。
信託報酬以外の諸経費 0.047% × (365日 ÷ 第1期の日数 177日)+ 信託報酬 0.114% = 0.211%
先進国株式・米国株式・全世界株式インデックスファンドの運用実績
下のチャートは、最後発の『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』設定来1年2ヵ月弱の期間(2018年10月31日~2019年12月27日)で基準価額の推移を比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
基準価額の推移 2018年10月31日~2019年12月27日 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
騰落率の比較は下の表の通りです(2019年12月27日現在)。
下落率は2018年12月4日~同年12月25日の数字、設定来騰落率は1年2ヵ月弱の数字です。
2019年12月27日現在 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
まとめ
『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』の信託報酬率引き下げ後(税抜0.0965%以内)も、僅差ではあるものの『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』(税抜0.0880%以内)のほうが低廉です。米国株式人気を後押しするでしょうか。コスト面では若干割高な『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』ですが、日本を含む世界の株式を投資信託1本でカバーできるのは魅力的ですよね。
・J.P.モルガン「景気と株価は上目線も、過度な期待は禁物」(PDF)
・バンガード「2020年の経済および市場見通し:新たな不透明性の時代」(WEB)
・ピクテ投信投資顧問「2020年の投資環境見通し」(WEB)
2020年は中国経済や米国経済の減速、ドル高局面の終わりが予想されていて、忍耐力が試される年になりそう?
もっとも、必ずしも予想が当たるとは限らないですから、あせらずマイペースに行ければとも思います。
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