『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』の信託報酬率の引き下げが発表されました(PDF)。
同ファンドの特徴と運用実績を先進国株式インデックスファンドのライバルと比較してみました。
1,000億円以上の部分は変更なし |
先進国株式インデックスファンドの特徴は?
『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』(三菱UFJ国際投信)、『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』(ニッセイAM)、『たわらノーロード 先進国株式』(アセマネOne)は、日本を除く先進国の株式市場を対象にした「MSCIコクサイ・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。運用管理費用(信託報酬)は年率で税込0.10989%(税抜0.0999%)です。前述の通り『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』は2019年12月27日より税込0.10615%以内(税抜0.0965%以内)に引き下げられる予定です。
ベンチマークの指数は日本を除く先進国22ヵ国の大型株と中型株1,328銘柄を組み入れています。
MSCIコクサイ・インデックス 業種別構成比と国・地域別構成比 2019年10月末現在 |
『SBI・先進国株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま(先進国株式))』(SBIアセットマネジメント)は日本を含む先進国の株式市場を対象にした「FTSE ディベロップド・オールキャップ・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果を目標として運用を行います。
運用管理費用(信託報酬)は年率で税込0.1170%程度(税抜0.075% + 海外ETFの報酬0.0345%程度 = 0.1095%程度)です。2019年12月18日より税込0.1027%程度(税抜0.062% + 海外ETFの報酬0.0345%程度 = 税抜0.0965%程度)に引き下げられます。
ベンチマークの指数は日本を含む先進国と新興国合せて25ヵ国の大型株・中型株・小型株5,690銘柄を組み入れています。「FTSE」では韓国とポーランドは先進国に区分されています。
FTSE ディベロップド・オールキャップ・インデックス 業種別構成比と国・地域別構成比 2019年10月末現在 |
今回、取り上げた投資信託は、原則として為替変動リスクを回避するための為替ヘッジは行いません。信託期間は、すべて無期限です。
先進国株式インデックスファンドの運用実績は?
下のチャートは、ベンチマークの異なる『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』と『SBI・先進国株式インデックス・ファンド』の基準価額の推移を後者の設定来1年11ヵ月弱の期間(2018年1月12日~2019年12月3日)で比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
貿易摩擦激化や景気後退に対する警戒感から株式市場が不安定になっていて、投資信託の基準価額も変動幅が大きくなっています。
基準価額の推移 2018年1月12日~2019年12月3日 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
その他のライバルも含めた騰落率の比較は下の表の通りです(2019年12月3日現在)。
下落率は2018年10月4日~同年12月25日の数字、上昇率は2018年12月25日~2019年12月3日の数字、設定来騰落率は1年11ヵ月弱の数字です。
2019年12月3日現在 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』など「MSCIコクサイ・インデックス」連動型同士の比較では、僅差ではありますが、おおむね信託報酬率の引き下げに積極的だったファンドほど好成績です。
上記の期間では国内株式の出遅れもあり、『SBI・先進国株式インデックス・ファンド』は「MSCIコクサイ・インデックス」連動型に若干劣後しています。
『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』の今回の信託報酬率の引き下げ幅は極めて限定的ではあるものの、一般販売されている「MSCIコクサイ・インデックス」連動型では単独最安値となることで純資産総額の伸びに多少なりともプラスになるでしょうか。
・『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』先進国株式、米国株式、全世界株式のライバルと実質コストや運用実績を比較・評価
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