『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』実質コストや運用実績をiFree S&P500/NYダウや楽天・全米株式と比較・評価 第1期の運用報告書が公表

2019年7月2日火曜日

米国株式

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『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』実質コストや運用実績を競合と比較・評価

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eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』の第1期の交付運用報告書(PDF)が公表されました。

競合する米国株式インデックスファンドと実質コストや運用実績を比較してみました。

比較の対象は『iFree S&P500インデックス』、『iFree NYダウ・インデックス』、『楽天・全米株式インデックス・ファンド』です。




米国株式インデックスファンドの特徴

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』と『iFree S&P500インデックス』は、米国株式市場の時価総額のおよそ8割を占める大型株約500銘柄を対象とした「S&P500指数」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。

投資信託を保有中の運用管理費用(年率)は『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』が税込0.1620%なのに対し、『iFree S&P500インデックス』は税込0.2430%です。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 組入上位10業種と組入上位10銘柄(マイクロソフト、アップル、アマゾン・ドット・コム、フェイスブック、バークシャー・ハサウェイなど)
2019年5月末月報より

iFree NYダウ・インデックス』は、米国を代表する優良30銘柄を対象とした「ダウ・ジョーンズ工業株価平均(NYダウ)」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。

運用管理費用(年率)は税込0.2430%です。

iFree NYダウ・インデックス 業種別構成比と組入上位10銘柄(ボーイング、ユナイテッドヘルス・グループ、マクドナルド、ホーム・デポ、ゴールドマン・サックス・グループほか)
2019年5月末月報より

楽天・全米株式インデックス・ファンド』(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式))は、米国株式市場の投資可能な銘柄のほぼ100%をカバーした「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。

運用管理費用(年率)は税込0.1596%です。

楽天・全米株式インデックス・ファンド(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF) 業種別構成比(テクノロジー、金融、消費者サービス、資本財、ヘルスケアほか)と組入上位10銘柄(マイクロソフト、アップル、アマゾン・ドット・コム、フェイスブック、バークシャー・ハサウェイほか)
2019年4月末現在(同年5月末月報より)

今回、取り上げる投資信託は原則として為替ヘッジは行いません。信託期間は無期限です。


eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)ほか実質コスト

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)、iFree S&P500インデックス、iFree NYダウ・インデックス、楽天・全米株式インデックス・ファンドの実質コスト
小数第3位未満は四捨五入

運用管理費用(信託報酬)以外に売買委託手数料や有価証券取引税、その他費用(保管費用、監査費用等)を含めたものが実質コストになります。上記の数字は推計による概算値を含んでいることに注意してください。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』(年率0.242%)は、第1期(2018年7月3日~2019年4月25日)の運用報告書の1万口当たりの費用明細を1年相当に改めて、2019年6月14日引き下げ後の信託報酬率を当てはめています。

iFree S&P500インデックス』(年率0.372%)は、第1期(2017年8月31日~2018年9月7日)の運用報告書の1万口当たりの費用明細を1年相当に改めた推計による概算値です。

2019年6月末の月報では外国投資信託証券(IVV 経費率0.04%)が資産別構成比の約4分の1を占めていますが、月によって組入比率が変動するため上記の実質コストには含めていません。

iFree NYダウ・インデックス』(年率0.288%)は、第2期(2017年9月8日~2018年9月7日)の運用報告書の1万口当たりの費用明細の数字です。

楽天・全米株式インデックス・ファンド』(年率0.284%)は、第1期(2017年9月29日~2018年7月17日)の運用報告書の1万口当たりの費用明細を1年相当に改めて、実質的な投資対象である外国投資信託証券(VTI 経費率0.03%※)の報酬を加えています。

※ 米国時間2019年4月26日付で経費率が改定されました(0.04% → 0.03%)。

暫定的に公開されている第2期の途中経過(2018年7月18日~2019年4月17日)をもとにした参考値では年率0.214%です。

ちなみに日数ではなく1万口当たりの費用明細に記載された信託報酬から推計した場合、実質コストは年率0.301%になります(VTIの最新の経費率を適用)。第2期途中の参考値だと年率0.224%です。


eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)ほか運用実績

下のチャートは、『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』設定来(2017年7月3日~2019年7月2日)の基準価額の推移を競合と比べたものです。

比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。貿易摩擦や景気減速懸念などにより株価の変動が激しくなっています。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)、iFree S&P500インデックス、iFree NYダウ・インデックス、楽天・全米株式インデックス・ファンドの基準価額の推移(チャート)
基準価額の推移 2017年7月3日~2019年7月2日
過去の実績は将来の成績を保証するものではありません

僅差のため『iFree S&P500インデックス』は『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』の陰に隠れています。

両者の基準価額の差をチャートにすると下記のようになります。

『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』が『iFree S&P500インデックス』よりも好成績であれば右肩上がりの軌跡になるはずですが、信託報酬が低廉な割に運用成績がさえない時期があったことがうかがえます。

直近も下ぶれしています。

基準価額の差 2017年7月3日~2019年7月2日
過去の実績は将来の成績を保証するものではありません

『iFree S&P500インデックス』は運用効率化のため外国投資信託証券を組み入れているので、ぶれが目立つのは為替レートを反映するタイミングの問題もあるかもしれませんね。

・日興AM「基準価額の算出法(いつの価格が基準価額に反映されるのか?)」(PDF)

あるいは株式と外国投資信託証券では配当の時期が異なることも変動の一因かもしれませんが、いずれにせよ時間の経過とともに均(なら)されていくものと思われます。

騰落率の比較は下の表の通りです(2019年7月2日現在)。下落率は2018年10月4日~同年12月25日の数字です。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)、iFree S&P500インデックス、iFree NYダウ・インデックス、楽天・全米株式インデックス・ファンドの騰落率
2019年7月2日現在
過去の実績は将来の成績を保証するものではありません

先進国株式インデックスファンドの実質コストと運用実績は下の記事を参考にしてください。

『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』実質コストや運用実績をニッセイ外国株式と比較・評価 第2期の運用報告書が公表

全世界株式インデックスファンドの実質コストと運用実績は下の記事を参考にしてください。

『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』実質コストや運用実績を楽天・全世界株式と比較・評価 第1期運用報告書が公表




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