厳選した米国株式を投資対象にしたアクティブファンドである『農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね』(旧名:農林中金<パートナーズ>米国株式長期厳選ファンド)の特徴や運用実績を米国株式インデックスファンドと比較してみました。
比較の対象は『楽天・全米株式インデックス・ファンド』(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式))、『iFree S&P500インデックス』、『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』、『iFree NYダウ・インデックス』です。
ちなみに『農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね』はSBI証券の個人型確定拠出年金(iDeCo)にも採用されています。iDeCo以外でもSBI証券や楽天証券などで積み立てられます(積立専用)。
長期厳選投資 おおぶねと米国株式インデックスファンドの特徴
アクティブファンドの『農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね』(農林中金全共連AM)は、付加価値の高い産業、圧倒的な競合優位性、長期的な潮流の3つの条件を満たす、持続可能なキャッシュ・フロー創出能力を有する「構造的に強靭な企業」(20~30社程度)に妥当なバリュエーションレベルで長期厳選投資を行います。投資信託を保有中の運用管理費用(年率)は税込0.99%です。
2019年9月末月報より |
農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね 業種別構成比 2019年9月末月報より |
『楽天・全米株式インデックス・ファンド』(楽天投信投資顧問)は、米国株式市場の投資可能な銘柄のほぼ100%をカバーした「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(年率)は税込0.162%程度です。
2019年8月末現在(同年9月末月報より) |
楽天・全米株式インデックス・ファンド 業種別構成比 2019年8月末現在(同年9月末月報より) |
『iFree S&P500インデックス』(大和投資信託)と『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』(三菱UFJ国際投信)は、米国株式市場の時価総額のおよそ8割を占める大型株約500銘柄を対象とした「S&P500指数」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(年率)は『iFree S&P500インデックス』が税込0.2475%、『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』が税込0.165%(2019年11月12日より税込0.0968%)です。
2019年9月末月報より |
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 業種別構成比 2019年9月末月報より |
『iFree NYダウ・インデックス』(大和投資信託)は、米国を代表する優良30銘柄を対象とした「ダウ・ジョーンズ工業株価平均(NYダウ)」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(年率)は税込0.2475%です。
2019年9月末月報より |
iFree NYダウ・インデックス 業種別構成比 2019年9月末月報より |
今回、取り上げた投資信託は原則として為替ヘッジは行いません。信託期間はすべて無期限です。
長期厳選投資 おおぶねと米国株式インデックスファンドの運用実績
下のグラフは、『農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね』ほか過去2年間の基準価額の推移(2017年10月24日~2019年10月23日)を比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
唯一分配金の出ている『農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね』の基準価額は、分配金再投資基準価額です。
基準価額の推移 2017年10月24日~2019年10月23日 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』も含めた騰落率の比較は下の表の通りです(2019年10月23日現在)。
調整局面での下落率は2018年10月4日~同年12月25日の数字です。
2019年10月23日現在 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
米中貿易摩擦や景気後退懸念などにより、直近の株式市場は不安定になっています。
過去1年・過去2年の騰落率では、『農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね』は競合の米国株式インデックスファンドを上回る成績です。
まとめ(農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね)
一般的にはアクティブ運用の投資信託はコストの高さもあり長期にわたりインデックスファンドに勝ち続けるのは難しいと言われています。・「アクティブファンドがインデックスに勝てない」根拠とは?(東証マネ部)
『農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね』は、長期投資のため低い売買回転率によりコスト抑制を図ることをうたっています。
第2期(2019年6月20日決算)の運用報告書から実質コスト(年率)を推計すると、およそ1.014%です。信託報酬(0.972% ※消費税8%)以外の諸経費は比較的低く抑えられています。
ただし、低コスト化の進むインデックスファンドに比べるとコスト面での不利は否めないでしょうか。たとえば、『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』の信託報酬は近日中に0.1%を切る水準に引き下げられる予定です。
アクティブファンドへの投資は運用成績が堅調なときは高コストに目をつぶれても、さえない成績のときにはコスト負担に悩むことになりそうです。
資産運用に好不調の波はつきものですから、『農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね』に投資する際は低迷が続いているときでも目利きを信じて投資を続けられるかがポイントになるでしょうね。
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